Excelで数値データを管理していると、「在庫数が0のときだけハイフン(-)で表示したい」「売上が0のときに空欄ではなくハイフンで示したい」といった場面があります。こうした表現は、見積書や納品書、在庫管理表、売上報告書などでよく使われる表現スタイルです。
「0」のままだと数値らしさが強すぎたり、見た目が煩雑になることもあります。一方で、ハイフンに置き換えることで、「0であることは明示するが、強調しすぎない」という柔らかい印象を与えることができます。
この記事では、Excelで0を「-(ハイフン)」に変換する方法について、表示形式、関数、条件付き書式などを活用したパターン別に解説します。実務にすぐ活かせるテクニックを丁寧にご紹介します。
目次
✅ 表示形式(ユーザー定義)で0をハイフンにする方法
もっとも簡単かつ実用的な方法は、「表示形式(ユーザー定義)」を使って0をハイフンに見せる方法です。
🔧 設定手順:
対象のセル範囲を選択
右クリック →「セルの書式設定」
「表示形式」タブ →「ユーザー定義」へ
下記のように入力してOKを押す:
または:[=0]"-";0
0;-0;"-"
✅ 効果:
数値が0のときだけ 「-」と表示される
0以外の数値は通常どおりに表示される
📌 注意点:
あくまで表示上だけの変化であり、**セルの値は数値の「0」**のままです(計算可能)
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✅ TEXT関数で0をハイフンに置き換える方法
数式の出力結果として「0」が返る場合、TEXT関数やIF関数で条件分岐させることで、0のときに「-」を表示するように制御できます。
🔧 基本構文:
=IF(A1=0, "-", A1)
✅ 応用例:四則演算結果に適用
=IF(SUM(B2:B5)=0, "-", SUM(B2:B5))
合計値が0のときはハイフン、それ以外は数値として表示
📌 この方法は、動的な出力や帳票・レポートでの制御に最適です。
✅ 条件付き書式で0だけハイフンに見せる(見た目調整)方法
数値の「0」は保持したまま、表示上だけ「-」に見せる方法として「条件付き書式+フォントの工夫」を使う方法もあります。
🔧 手順:
対象のセル範囲を選択
「ホーム」→「条件付き書式」→「新しいルール」
「数式を使用して書式を設定」→次の式を入力:
=A1=0
書式設定 → フォントタブ → 色を背景と同じ「白」または「淡色」に設定
セルに「-」を直接入力しておくか、他の方法と併用
この方法はややテクニカルですが、見た目だけ制御したいときに活躍します。
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✅ カスタム数式とTEXT関数で桁数を保ちつつ「-」表示する方法
「001」「00045」などの桁数を固定して管理しているデータで、0のときも桁を保ちつつ「-」を表示したい場合は、TEXT関数と組み合わせて制御します。
🔧 使用例:
=IF(A1=0, "-", TEXT(A1,"00000"))
✅ 効果:
値が0なら「-」を返し、0以外は「00001」「00045」などのようにゼロ埋め表示
桁数統一とゼロ非表示を同時に実現できる
✅ 「-」を入力する(数値からテキスト化)方法
場合によっては、ゼロを手動で「-」に変えたいこともあるでしょう。
数値セルに直接「-」を入力しようとすると、エラーが出たり、数値書式が邪魔になる場合があります。
🔧 対策:
対象セルを あらかじめ「文字列」書式にしておく
または「'(シングルクォート)」を使って
' -
と入力することで文字として扱える
📌 入力支援でテンプレート化したい場合にも便利です。
・ 実務での活用シーン
「0をハイフンに変える」工夫は、次のようなシーンで多用されます。
業務場面 | 目的と効果 |
---|---|
見積書・請求書 | 未発生項目を「0」ではなく「-」で示すことで、整った印象を与える |
在庫表 | 在庫ゼロ商品を「-」で表示してわかりやすく整理 |
売上報告書 | 売上ゼロの項目を数値ではなく記号に変えることで見た目をスッキリ |
集計表 | 数式の結果が「0」のときだけ「-」を返すと、空白やミスとの区別がつきやすくなる |
グラフ用データ | 0のままだとグラフに影響が出る場合、見た目の置き換えで対応可能 |
・ トラブル別チェックリスト
トラブル内容 | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
0を入力しても「-」にならない | 数値として認識されている | 表示形式やIF関数で文字列に置き換える |
ハイフンを計算に使えない | 「-」が文字列になっている | 計算に使うセルは別管理にする |
表示は「-」なのに印刷で0になる | 条件付き書式や表示形式のズレ | プレビューで確認、再設定 |
複数セルを一括で変えたい | 書式設定が個別で異なる | 範囲選択でユーザー定義書式を一括適用する |
・ まとめ:0を「-」にする方法は目的に応じて使い分けよう
方法 | 特徴 | おすすめ用途 |
---|---|---|
表示形式(ユーザー定義)で設定 | 見た目だけを「-」に変える | 請求書、在庫表、印刷用帳票 |
IF関数+TEXT関数で制御 | 数式結果に応じて柔軟に制御可能 | レポート、集計シート、関数出力 |
条件付き書式で白文字化 | ゼロを見せたくないが値は残したい場合に | グラフ用データや資料作成 |
手動入力で「-」 | テンプレートで明示的に「-」を打ちたい時 | マニュアル記入欄など |