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【Excel】IFERROR関数で空白を返す方法|エラー時にすっきり見せる実務テクニック

Excelで関数を使って計算や検索を行っていると、「#DIV/0!」「#N/A」などのエラー表示が出てしまい、見た目が悪くなったり、他の関数に影響したりすることがあります。そんなときに便利なのが IFERROR関数。特に「エラーが出たときは空白にしたい」というニーズは、実務でも非常に多いです。

この記事では、検索キーワード「iferror関数 空白」に対応し、エラー発生時に空白を返す使い方とその応用テクニック、よくある間違い、さらには他の関数との組み合わせによる活用例まで、徹底的に解説します。

IFERROR関数とは?基本構文と使い方

・基本構文

=IFERROR(数式, エラー時に返す値)

IFERROR関数は、指定した「数式」がエラーになったときに、代替の値を返す関数です。対象の数式がエラーでなければそのまま結果を返し、エラーであれば「指定した値」を表示します。

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✅ 空白を返すにはどうする?

・「""(ダブルクォーテーション)」を使う方法

Excelでは、**空白(空文字列)を返すには""(ダブルクォーテーション2つ)**を使います。これが「空白を返す」最も標準的な方法です。

例:割り算エラーを空白にしたい

=IFERROR(A2/B2, "")

この式では、B2が0だったり空欄であってエラー(#DIV/0!)が出た場合、「""」が代わりに返され、セル上は空白に見えます。


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✅ IFERROR関数で空白を返す実務例

① 割り算エラーを空白に

部門別の売上や件数を元に、「平均単価」を計算する場合、除算エラーが頻発します。

=IFERROR(売上/件数, "")

→ 件数が「0」や空白の場合、「#DIV/0!」を非表示にして見た目をすっきり。


② VLOOKUPの検索エラーを空白に

=IFERROR(VLOOKUP(A2, 顧客マスタ!A:B, 2, FALSE), "")

→ 顧客コードがマスタに存在しない場合、空白を返す。請求書や名簿作成時に重宝。


③ INDEXやMATCH関数との併用

=IFERROR(INDEX(B2:B100, MATCH(E2, A2:A100, 0)), "")

→ MATCHで検索できなかったときのエラーも、空白で対処可能。クロス表やデータ連携で活躍。


✅ IFERROR関数×空白が活きる実務シーン

シーン活用例
売上レポート割り算エラーを空白にして見やすい平均単価表に
請求書・帳票出力顧客データの存在チェック時に「#N/A」を表示せず空白にする
商品管理表廃番商品や新規商品の検索エラーを空白にしてレイアウト維持
グラフ作成前のデータ整形「#DIV/0!」や「#N/A」などが混じるとグラフに影響するため空白が有効
ピボットテーブルの元データ作成空白を挟んでエラーを除外することで整った集計が可能に

IF関数と組み合わせて空白制御を強化

空白を返すといっても、条件に応じて空白かどうかを判断したいケースもあります。そんなときには、IF関数とIFERROR関数を組み合わせます。

例:入力がない場合は空白、それ以外は計算

=IF(A2="", "", IFERROR(B2/C2, ""))
  • A2が空白 → ""(空白を返す)
  • A2が入力済 → B2÷C2を計算し、エラーなら空白

■よくあるミスとその対処法

1. 空白ではなく「0」と表示される

=IFERROR(A2/B2, 0)

→ エラー時に「0」を返している。見た目は空白にしたい場合は""を使う

2. ""で空白を返してもSUMで計算されない

空白("")は数値ではないため、SUM関数の対象外になります。計算に含めたい場合は「0」、含めたくない場合は「""」と明確に使い分ける。

3. 条件付き書式と組み合わせて見えなくするだけでは不十分

文字色を白くして見えなくする方法もありますが、それではエラー自体は残っています。IFERRORで根本的に処理するほうが推奨です。


■補足:IFNAとの違いについて

「VLOOKUP」などで「#N/A」エラーだけを処理したい場合は、「IFNA」関数の方がシンプルです。

=IFNA(VLOOKUP(A2, 商品表!A:B, 2, FALSE), "")

→ #N/Aだけを空白に。#DIV/0! や #VALUE! などはそのままエラーとして表示されます。


■IFERRORで空白を返すときの注意点まとめ

注意点解説
""は見た目の空白実際には空文字であり、数値としては扱われない
空白のままではSUM/AVERAGEできない合計や平均にはカウントされない(0と""は違う)
文字列と空白の混在に注意一見同じに見えるが、""は文字列であり、式の条件分岐で影響を与える
他関数との連携に影響IFERRORで空白を返すと、IFやVLOOKUP、MATCHの結果に影響する可能性あり

■まとめ:IFERRORで空白を返すことは「見せ方の工夫」

IFERROR関数で空白("")を返すテクニックは、単なるエラー回避ではなく、「見せ方」の工夫でもあります。

  • 報告書の印象を整える
  • データ分析の正確性を保つ
  • 入力ミスや未完成項目を見逃さないようにする

など、IFERRORを上手に使いこなせば、あなたのExcelスキルは一段と実務的になります。


・よく使うパターンのテンプレート一覧

使用シーン数式例
割り算結果が0でエラー=IFERROR(A2/B2, "")
VLOOKUPエラー時空白=IFERROR(VLOOKUP(A2, 商品表!A:B, 2, FALSE), "")
空白入力時に非表示=IF(A2="", "", IFERROR(B2/C2, ""))
INDEX+MATCHの応用=IFERROR(INDEX(B:B, MATCH(E2, A:A, 0)), "")

・最後に:空白の使い方を制す者がExcelを制す

空白を返すことは、ただ見た目をよくするだけでなく、データの整合性・視認性・分析力を高める強力な手段です。IFERROR関数を中心に、あなたのExcelワークに「柔軟性」と「丁寧さ」を取り入れてみてください。

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