Excelで作成したファイルをメールで送ろうとしたとき、「ファイルサイズが大きすぎて送れない」と表示された経験はありませんか?
また、複数のExcelファイルをまとめて送りたいときに、「ZIPにして送るように」と指示されたことがある方も多いでしょう。
この記事では、ExcelファイルをZIPファイルにする基本操作から、複数ファイルをまとめる応用例、トラブル対処法までを詳しく解説します。
初心者でも迷わず実践できるよう、Windows標準機能での手順を中心に紹介します。
目次
- ✅ ExcelファイルをZIPにする目的とメリット
- ・ZIP化する主な目的
- ✅ Windows標準機能でExcelファイルをZIPにする方法
- ・単一ファイルをZIPにする手順
- ✅ 複数のExcelファイルをまとめてZIPにする方法
- ・複数ファイルをZIPにまとめる手順
- ✅ フォルダごとZIPにする方法(業務で便利)
- ・フォルダをZIPにする手順
- ✅ ZIPにしたExcelファイルの名前をわかりやすく変更する
- ・命名のポイント
- ✅ ZIPにしてもファイルサイズが小さくならない場合
- ・容量を減らす工夫
- ✅ ZIP化したExcelファイルをメールで送る際の注意点
- ・注意点一覧
- ✅ ZIPファイルを開く方法(受け取った側)
- ・ZIPを展開する手順
- ✅ ZIPが開けないときの原因と対処法
- ・主な原因と対処法
- ✅ 実務での応用:Excel業務をZIP化で効率化する
- ・応用例1:定期報告データをまとめて送信
- ・応用例2:RPA(UiPath)で自動ZIP処理
- ・応用例3:バックアップ用途
- ✅ ZIPファイル管理のコツとセキュリティ意識
- ✅ まとめ:ExcelファイルをZIPにして業務をスマートに
✅ ExcelファイルをZIPにする目的とメリット
まず、「なぜExcelファイルをZIPにするのか?」を理解しておきましょう。ZIP圧縮は単なる容量削減ではなく、業務効率や安全性の向上にもつながる重要な作業です。
・ZIP化する主な目的
- ファイルサイズを小さくして送信できるようにする
メールの添付制限(例:25MB)を超えないように圧縮します。 - 複数のExcelファイルを1つにまとめて送る
複数ファイルをまとめて送る際に、ZIP1つにまとめると管理が簡単です。 - 誤送信を防止しやすい
1つのZIPファイルにまとめておけば、添付漏れや混在を防げます。 - セキュリティ向上
パスワード付きZIPにすることで、情報漏えい対策にもなります。
業務メールでは「ExcelファイルをZIPにして添付してください」と指示されることが多い理由は、こうした実務的な利点があるためです。
✅ Windows標準機能でExcelファイルをZIPにする方法
特別なソフトを使わなくても、WindowsにはZIP圧縮機能が標準で搭載されています。
以下の手順で簡単にZIP化できます。
・単一ファイルをZIPにする手順
- ZIPにしたいExcelファイルを右クリックします。
- 「送る」→「圧縮(ZIP形式)フォルダー」をクリックします。
- 同じフォルダ内に「ファイル名.zip」というファイルが作成されます。
これでExcelファイルをZIP化できました。特別なソフトを使う必要はありません。
✅ 複数のExcelファイルをまとめてZIPにする方法
複数ファイルを一括で圧縮したい場合も、操作はほとんど同じです。
・複数ファイルをZIPにまとめる手順
- まとめたいExcelファイルを Ctrlキーを押しながらクリック で複数選択します。
- 選択した状態で右クリックし、「送る」→「圧縮(ZIP形式)フォルダー」をクリック。
- すべてのExcelファイルを含んだZIPファイルが作成されます。
この方法なら、請求書・報告書・集計データなど複数のExcelブックを1つのZIPにまとめられます。
✅ フォルダごとZIPにする方法(業務で便利)
ファイルが多すぎる場合や、サブフォルダ構成をそのまま保ちたい場合は、フォルダごとZIPにするのが便利です。
・フォルダをZIPにする手順
- 圧縮したいフォルダ(Excelファイルが入っている)を右クリック。
- 「送る」→「圧縮(ZIP形式)フォルダー」をクリック。
- フォルダ構成を保ったままZIPファイルが作成されます。
この方法は特に、月次データや部門別フォルダをまとめるときに重宝します。
✅ ZIPにしたExcelファイルの名前をわかりやすく変更する
ZIPファイルを作成すると、自動的に「Book1.zip」などの名前が付きますが、そのまま送るのは避けましょう。
・命名のポイント
- 内容と日付を含める(例:
売上報告書_2025年11月.zip) - 半角英数字と「_(アンダーバー)」を使う
- スペースや全角記号を避ける(エラー防止のため)
わかりやすい名前を付けることで、相手もすぐに内容を把握できます。
参考:Excel VBA:日付を含むファイル名で自動保存する方法
✅ ZIPにしてもファイルサイズが小さくならない場合
ExcelファイルをZIPにしても、思ったほどサイズが減らないことがあります。これは、Excelがすでに内部で圧縮形式(.xlsx)を採用しているためです。
・容量を減らす工夫
- 不要な画像やグラフを削除する
- セル内の余分な書式をクリアする
- 「名前を付けて保存」で「バイナリブック(.xlsb)」を選ぶ
- 不要なシートを削除してからZIP化する
これらの操作でファイル自体を軽くしてからZIPにすることで、より小さく圧縮できます。
✅ ZIP化したExcelファイルをメールで送る際の注意点
ZIPファイルは便利ですが、送信時にいくつか注意点があります。
・注意点一覧
- パスワードを設定する(機密データの場合)
個人情報や売上データを含む場合は、パスワード付きZIPにしましょう。
(前回の記事「Excel zipファイル パスワード設定」も参照) - パスワードは別メールで送信する
セキュリティルールでは、パスワードを同じメールに書くのはNGです。 - ファイル名に日本語を使うと文字化けする可能性
相手の環境によっては、ZIPを開いたときに文字化けが起こります。
→ 半角英数字のファイル名を推奨。 - 大容量のZIPはクラウド共有を検討する
メールの上限(25MB)を超える場合は、OneDriveやGoogle Driveのリンク共有が安全です。
✅ ZIPファイルを開く方法(受け取った側)
相手からZIPファイルを受け取った場合は、次の手順で展開できます。
・ZIPを展開する手順
- ZIPファイルを右クリックし、「すべて展開」をクリック。
- 展開先フォルダを選んで「展開」を押す。
- 元のExcelファイルが表示されます。
パスワード付きの場合は、解凍時にパスワード入力を求められます。
参考:【マクロ】無料版・有料版テンプレートの使い方ガイド|ZIP解凍方法&警告解除の手順をわかりやすく解説
✅ ZIPが開けないときの原因と対処法
「ZIPファイルを開こうとするとエラーになる」「ファイルが壊れている」といったトラブルもよくあります。
・主な原因と対処法
| 原因 | 対処方法 |
|---|---|
| ファイル破損 | 送り直してもらう |
| メール転送時の再圧縮 | 直接添付で再送依頼 |
| パスワード誤り | 大文字・小文字を確認 |
| 解凍ソフトの非対応 | 最新版の7-ZipやWinRARを使用 |
企業では7-Zipを標準解凍ソフトとして推奨しているケースが多く、無料で使えるためおすすめです。
✅ 実務での応用:Excel業務をZIP化で効率化する
ZIP化は単なる圧縮ではなく、業務効率を高める手段にもなります。
・応用例1:定期報告データをまとめて送信
月次報告・日報など複数部門のファイルを1つにまとめてZIP化。
上司や取引先へのメール送信を1回で済ませられます。
・応用例2:RPA(UiPath)で自動ZIP処理
UiPathを使えば、フォルダ内のExcelファイルを自動でZIP化する処理も可能です。
「圧縮ファイルを作成」アクティビティを使用し、業務終了時に自動でZIPを生成・保管すれば、人手を介さず安全なファイル送付フローが構築できます。
・応用例3:バックアップ用途
ZIP化してクラウドに保存すれば、誤削除時の復元が容易になります。
特に「1日1回自動ZIPバックアップ」は中小企業でも導入が進んでいます。
✅ ZIPファイル管理のコツとセキュリティ意識
ZIP化後の管理も重要です。以下の点に注意しましょう。
- ZIPファイルをデスクトップに置きっぱなしにしない
- パスワード付きZIPを社内共有フォルダに置かない
- 不要になったZIPは削除する(情報流出防止)
- 社内ルールに従い、ZIP方式からクラウド共有に移行する判断も検討
セキュリティと利便性のバランスを取りながら、最適な方法を選ぶことがポイントです。
✅ まとめ:ExcelファイルをZIPにして業務をスマートに
- Excelファイルは右クリックだけで簡単にZIP化できる
- 複数ファイルやフォルダもまとめて圧縮可能
- パスワード付きZIPで安全に送信できる
- RPAを使えばZIP処理を自動化できる
- 適切な管理とセキュリティ意識が信頼を守る
ExcelファイルをZIPにする操作は一見シンプルですが、ビジネス現場では大切な基本スキルです。
今日からは「送信前にZIP化」を習慣化し、業務をより安全かつ効率的に進めましょう。