Excelで表や帳票を作成していると、「日付を縦書きで表示したい」という場面に出会うことはありませんか?特に、スケジュール表や日報、カレンダー、印刷用の文書などで、見た目を整えるために縦書きの表記を使いたいというニーズは少なくありません。
日付のような「数字+記号(/や-)」で構成された値を縦に並べて表示するには、通常の入力では実現しにくいこともありますが、Excelにはセルの書式設定を活用して縦書きに表示する機能が備わっています。また、場合によっては文字列の操作や関数を使って、1文字ずつ改行しながら縦に並べることも可能です。
この記事では、Excelで日付を縦書きにする方法について、セルの設定・文字操作・印刷時のレイアウト調整まで、実務で役立つテクニックを2500文字程度で詳しくご紹介します。
目次
セルの「文字の配置」設定で縦書きにする方法
最も簡単に日付を縦書き表示するには、「セルの書式設定」を利用する方法です。
🔧 操作手順:
- 日付を入力したセルを選択(例:2025/04/01) 
- 右クリック →「セルの書式設定」 
- 「配置」タブを選択 
- 「文字の方向」で「縦書き」を選択 
- 必要に応じて「折り返して全体を表示する」にチェックを入れる 
- OKをクリック 
この設定をすることで、セル内に入力された日付が縦方向に表示されるようになります。
📌 注意点:
- 日付の区切り記号(/)や年・月・日などの部分も縦に表示される 
- 幅が狭すぎると文字が見切れることがあるため、セルの幅と高さの調整が必要 
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方向を「90度回転」して縦表示に近づける方法
縦書きの代わりに、文字を90度回転してセルの上下に並べたい場合には、「方向」を手動で調整する方法もあります。
🔧 操作手順:
- 対象のセルを選択 
- 「ホーム」タブ →「配置」グループ →「方向」ボタン(斜めの"ab"アイコン) 
- 「文字列を縦書き」または「反時計回りに回転」などを選択 
これにより、文字を時計・反時計回りに回転させて表示できます。カレンダーなどの狭い列に日付を表示したいときに便利です。
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1文字ずつ改行して縦書きに見せる(関数または手入力)方法
「2025/04/01」という日付を、セル内で1文字ずつ縦に表示させたい場合には、文字ごとに改行を挿入する方法が効果的です。これは文字列として日付を扱う必要があります。
🔧 手動で改行を入れる場合:
- セルに「2」入力 → - Alt + Enter→「0」→- Alt + Enter→「2」…のように、1文字ずつ改行して入力
- 最後に「OK」を押す 
✅ 関数を使って自動で改行する方法(1文字ずつ)
たとえばA1に「2025/04/01」と入力されている場合、以下の式で1文字ごとに改行して表示できます。
=TEXTJOIN(CHAR(10), TRUE, MID(A1, ROW(INDIRECT("1"&":"&LEN(A1))), 1))
この式では、MID関数で1文字ずつ取り出し、TEXTJOINでCHAR(10)(改行)を挟んで結合しています。
📌 数式を確定したら、「セルの書式設定 → 配置 → 折り返して全体を表示する」にチェックを入れてください。
さらに、Alt + Enter を使う手入力方法と違い、動的に対応できるため複数行への展開にも便利です。
セルを結合して「縦並び」レイアウトを作る(印刷用など)方法
日付の縦表示を印刷や見栄え目的で整えたい場合は、複数のセルを使って1文字ずつ分割表示する方法もあります。
🔧 操作手順:
- 「2」「0」「2」「5」「/」「0」「4」「/」「0」「1」などをそれぞれ別のセル(縦に)入力 
- 必要に応じてセルの中央に配置し、罫線で装飾することで見やすくなる 
この方法は、見た目に美しく、フォーマットが決まっている帳票などで重宝しますが、手動作業が増えるため、テンプレートとしての利用が向いています。
・ 実務での活用例
Excelで日付を縦書きにするテクニックは、以下のような実務シーンで非常に効果的です。
- 縦型カレンダーの作成:土日などを見やすく強調したい場合に便利 
- 帳票や申請書の印刷フォーマット:フォーマットの制約で縦書きレイアウトが求められる 
- 製造日・検査日などのスタンプ形式表示:目立たせるために縦書きを使うと効果的 
- イベント用の掲示物:デザイン性や見やすさを重視した表示が可能 
縦書きで日付を扱えるようになることで、表の印象が大きく変わり、視認性が高まります。
・ よくある注意点と対処法
| トラブル内容 | 原因 | 解決策 | 
|---|---|---|
| 文字が途中で切れて表示される | セルの高さや幅が足りない | セルの幅・高さを調整、「折り返し」を有効に | 
| 改行されない | TEXTJOINでCHAR(10)を使っていない | 改行文字は CHAR(10)で挿入する | 
| 数値として計算できなくなる | 日付を文字列に変換した | 必要に応じて元データと表示用セルを分ける | 
・ まとめ:Excelで日付を縦書きにする方法の選び方
| 方法 | 特徴 | おすすめ用途 | 
|---|---|---|
| セルの書式設定で縦書き | 文字を90度回転、セルの値は日付のまま | スケジュール表、業務日報 | 
| 改行して1文字ずつ表示 | 手動または関数で細かくコントロールできる | カレンダー、帳票類 | 
| 複数セルに分割表示 | レイアウトの自由度が高い | 印刷用レイアウト、掲示物など | 
| 関数で動的に縦表示 | 日付に応じて柔軟に縦表示が可能 | 日付リスト、出力用テンプレート |