Excelで業務を効率化したいと思ったとき、「マクロを使いたい」「VBAで処理を自動化したい」「ボタンを使って入力を簡略化したい」と感じることはありませんか?
そんなときに必要になるのが「開発タブ(Developerタブ)」です。
ところが、Excelを開いてみても、開発タブが見当たらないという方が非常に多くいます。これは不具合ではなく、初期設定では非表示になっているためです。
この記事では、「Excelに開発タブがない」と悩んでいる方に向けて、開発タブを表示させる方法や表示できない原因とその対処法を丁寧に解説します。Windows・Mac両方に対応して紹介しますので、ご自身の環境に合わせてご確認ください。
目次
- ✅そもそも開発タブとは?
- ✅【Windows版】Excelに開発タブを表示する方法
- ✅【Mac版】Excelに開発タブを表示する方法
- ✅開発タブが表示できない主な原因と対処法
- 原因①:Excelのバージョンが古い
- 原因②:オンライン版Excelを使用している
- 原因③:法人管理PCなどで機能が制限されている
- 原因④:リボンカスタマイズが正しく保存されていない
- 原因⑤:ウィンドウ幅が狭くて表示されていないだけ
- ■よくある質問(FAQ)
- Q1. 開発タブを追加してもボタンが押せないのはなぜ?
- Q2. ボタンの挿入ができないのはどうして?
- ■開発タブを活用してできること
- ■まとめ|Excelの開発タブは自分で「表示設定」する必要がある
✅そもそも開発タブとは?
開発タブとは、Excelのリボンメニューの1つで、マクロの記録、VBAエディターの起動、フォームの挿入、アドイン管理など、高度な操作を行うための機能が集められています。
主な機能 | 内容 |
---|---|
マクロの記録 | 手順を自動記録して繰り返し実行できる |
Visual Basic | VBAコードの編集や新規作成ができる |
挿入(フォーム) | ボタン・チェックボックスなどをExcelに追加可能 |
アドインの管理 | 拡張機能をインストール・削除 |
セキュリティ設定 | マクロの実行制限を管理 |
この開発タブは、初期状態では非表示になっているため、ユーザー自身が設定して表示する必要があります。
✅【Windows版】Excelに開発タブを表示する方法
まずはWindows版Excelで開発タブを表示する手順を紹介します。
手順:
- Excelを開く
- 左上の「ファイル」タブをクリック
- 左下の「オプション」をクリック
- 「リボンのユーザー設定」を選択
- 右側の「メインタブ」の中から「開発」にチェックを入れる
- 「OK」を押して完了
これでExcelのリボンに「開発」タブが表示されます。場所は「表示」や「ヘルプ」などと並んで表示されるメニューの右端です。
【Excel】開発タブでボタンを作成する方法|初心者でもできるマクロ登録と業務効率化の活用法
✅【Mac版】Excelに開発タブを表示する方法
Macでも、以下の手順で開発タブを表示できます(Microsoft 365やExcel 2016以降が対象)。
手順:
- Excelを起動する
- 上部メニューの「Excel」→「環境設定(Preferences)」をクリック
- 「リボンとツールバー(Ribbon & Toolbar)」を選択
- 「メインタブ」の中から「開発(Developer)」にチェックを入れる
- 「保存」または「OK」をクリックして設定完了
表示されない場合は後述の「表示できない原因と対処法」を参照してください。
✅開発タブが表示できない主な原因と対処法
表示設定をしても「開発」タブが見つからない場合、以下のような原因が考えられます。それぞれの解決方法もあわせて紹介します。
【Excel】開発タブが追加できない?原因と解決策をわかりやすく解説
原因①:Excelのバージョンが古い
Excel 2007以前や、Office Starter版などでは開発タブそのものが存在しない、またはマクロ機能に制限があります。
対処法:
- Excelのバージョンを確認(「ファイル」→「アカウント」→「製品情報」)
- Office 365やExcel 2016以降のバージョンを利用しましょう
- Macの場合もExcel 2016以降が必要です
原因②:オンライン版Excelを使用している
Excel for Web(ブラウザ版)では、開発タブの表示やマクロの記録機能が使えません。
対処法:
- Excelのデスクトップアプリ版を使用してください(Microsoft 365に含まれています)
原因③:法人管理PCなどで機能が制限されている
会社や学校で使用しているPCでは、IT管理者による制限が原因で開発タブが非表示にされているケースがあります。マクロやVBAが危険とされる環境では、セキュリティ上の理由で制限されていることがあります。
対処法:
- システム管理者に確認し、マクロ利用やリボンカスタマイズの制限解除を依頼してください
原因④:リボンカスタマイズが正しく保存されていない
設定したはずなのに開発タブが表示されない場合は、リボンの設定が正常に保存されていない可能性もあります。
対処法:
- 「リボンのユーザー設定」から「開発」のチェックを一度外し、再度チェックを入れて「OK」を押してみましょう
- それでも改善しない場合はExcelの再起動を試してください
原因⑤:ウィンドウ幅が狭くて表示されていないだけ
開発タブはリボンの右端に配置されるため、Excelのウィンドウ幅が狭いとタブが省略表示されることがあります。
対処法:
- ウィンドウを最大化する
- タブの順番を入れ替えて、開発タブを左側に移動する
■よくある質問(FAQ)
Q1. 開発タブを追加してもボタンが押せないのはなぜ?
A. マクロのセキュリティ設定により、実行が制限されている可能性があります。
「開発」タブ →「マクロのセキュリティ」から「警告を表示してマクロを無効にする(推奨)」を選ぶことで、マクロを実行するか選択できるようになります。
Q2. ボタンの挿入ができないのはどうして?
A. シートが保護されているか、ActiveXコントロールを使おうとしている可能性があります。
MacではActiveXが非対応、シート保護中はコントロールの挿入ができません。
■開発タブを活用してできること
開発タブが表示できたら、以下のような操作でExcel業務を一気に効率化できます。
活用例 | 内容 |
---|---|
マクロ記録 | 繰り返し作業を自動化 |
VBA作成 | 自分で自動処理を組み立てられる |
ボタン設置 | クリックで処理を呼び出せる |
チェックボックス | 入力や条件分岐が簡単になる |
特に、毎月の定型業務や複数ファイルへの同じ処理をまとめて行う場面では、開発タブの活用が業務時短につながります。
【Excel】PDFを取り込む方法【データを活用するテクニック】
■まとめ|Excelの開発タブは自分で「表示設定」する必要がある
Excelの開発タブは、マクロやVBAを使いたい人にとって欠かせない機能ですが、初期状態では非表示になっているため、自分で表示設定を行う必要があります。
もし表示できない場合は、以下の点をチェックしましょう。
✅ チェックリストまとめ
チェック項目 | 対処法 |
---|---|
使用バージョンが古い | Excel 2016以降 or Microsoft 365に更新 |
オンライン版ではないか | デスクトップアプリを使用 |
法人PCの制限 | 管理者に問い合わせ |
リボン設定が反映されない | チェックの再実行+再起動 |
表示領域が狭い | ウィンドウを広げる |
Excelの開発タブを表示できるようになると、マクロや自動化の第一歩を踏み出すことができます。業務の効率化、資料作成のスピードアップにぜひ活用してみてください。