【Excel】隠れている行を一気に表示する方法｜再表示できない原因と解決策も徹底解説

Excelで作業していると、「途中のデータが見えない」「表の一部が飛んでいる」と感じることがあります。
それは、行が非表示になっている状態です。

少数なら手作業で戻せますが、大量の行が隠れているときは非常に面倒ですよね。
そこで今回は、隠れている行を一気に再表示（解除）する方法を、初心者にも分かりやすく徹底解説します。

さらに、「再表示できないときの原因」や「ショートカットで瞬時に戻す方法」も紹介します。
この記事を読めば、もう“消えた行”に悩まされることはありません。

✅ なぜ行が「隠れて」しまうのか

Excelでは、行が隠れる原因として主に次の3つがあります。

どの場合もデータ自体は削除されておらず、「表示設定を戻す」だけで再表示できます。

✅ 隠れている行を一気に表示する最も簡単な方法

・方法①：すべての行を再表示する

隠れている行がどこにあるかわからない場合、一括で再表示するのが最も効率的です。

手順：

1. シート全体を選択
   ショートカット：Ctrl + A（もしくは左上の「全セル選択」ボタンをクリック）
2. 上部メニュー「ホーム」タブを開く。
3. 「セル」グループの「書式」をクリック。
4. 「表示／非表示」→「行の再表示」を選択。

これで、隠れていたすべての行が一瞬で表示されます。
どの場所に非表示があっても、一括で解除できるのがポイントです。

・方法②：ショートカットキーで一気に再表示

Excelに慣れている方なら、ショートカットキーでさらにスピーディに操作できます。

1. Ctrl + A で全セルを選択
2. Ctrl + Shift + 9 で一括再表示

たった2ステップで、すべての行を表示可能です。
業務中の素早いトラブル対応にも役立ちます。

参考：【Excel】ショートカットキーで行列を入れ替える方法

✅ 部分的に隠れている行を表示する方法

「一部の範囲だけ再表示したい」ときは、非表示の前後を指定して解除します。

・隠れている行を再表示

5行目から7行目が隠れている場合

1. 4行目と8行目をドラッグして選択
2. 選択範囲を右クリック → 「再表示」をクリック

これで5～7行が表示されます。
ピンポイントで戻したいときに最適です。

・名前ボックスを使って再表示する

非表示の場所が分かっているなら、名前ボックスで直接指定する方法も便利です。

1. 数式バーの左にある「名前ボックス」に、非表示行のセルを入力（例：A5）
2. Enterキーを押すと、そのセルがアクティブに。
3. 「ホーム」→「書式」→「行の再表示」をクリック。

大量の行を扱うシートでも、目的の行を素早く再表示できます。

参考：【Excel】非表示にした列を解除する方法｜表示されないときの原因と対処法も徹底解説

✅ 隠れている行が再表示できないときの原因と対策

「再表示したのに出てこない」「どこかが欠けている」という場合は、次の原因が考えられます。

・原因①：行の高さが「0」になっている

非表示ではなく、行の高さが0になっているケースです。
再表示操作では戻らないため、手動で高さを指定します。

対処法：

1. 行の前後を選択。
2. 「ホーム」→「書式」→「行の高さ」をクリック。
3. 「15」などの数値を入力してOK。

これで、行が見えるようになります。

・原因②：シート保護がかかっている

保護されたシートでは、行の再表示ができません。

解除方法：

1. 「校閲」タブ → 「シート保護の解除」をクリック。
2. パスワードが求められたら入力。

保護解除後に再度「行の再表示」を実行すればOKです。

参考：【エクセル】シートの保護・解除する方法

・原因③：折りたたみ（グループ化）機能が使われている

「＋／－」マークが表示されている場合、行がグループ化されて折りたたまれています。

対処法：

1. 左端の「＋」ボタンをクリックして展開。
2. すべて開く場合は、「データ」タブ → 「アウトライン」→「詳細の表示」を選択。
3. 折りたたみ機能を解除したい場合は、「グループ解除」→「アウトラインのクリア」。

・原因④：フィルター機能で非表示になっている

フィルターによって一部のデータが非表示になっていることもあります。

対処法：

1. 「データ」タブ → 「フィルター」をクリック。
2. フィルターアイコン（▼）を開いて「すべて選択」にチェックを入れる。
3. OKを押すと、すべての行が再表示されます。

✅ 実務で役立つ「一気に表示」の活用例

・1. データ分析前の整形に使う

他人が作成したシートを受け取ったとき、どこが非表示になっているか分からないまま作業を始めると、正しい分析ができません。
作業前に「Ctrl + A → Ctrl + Shift + 9」で一括表示してから確認するのが安全です。

・2. 会議資料・印刷前のチェック

印刷設定をする前に、非表示行をすべて再表示しておくことで、「必要なデータが印刷されていない」といったミスを防げます。
再表示後に印刷範囲を調整すれば、資料の抜け漏れがなくなります。

・3. RPA・マクロでの自動処理前

UiPathやPower AutomateなどのRPAツールを使う場合、非表示行があると処理がスキップされることがあります。
自動処理前に「すべて再表示」を入れておくことで、データの読み取り漏れを防止できます。

✅ 隠れている行を一気に表示するショートカット活用術

ショートカットを組み合わせることで、どんな状況でも素早く再表示できます。

覚えておくだけで、業務効率が格段にアップします。

✅ 再表示後に確認すべきポイント

行を一気に表示した後は、以下の3点をチェックしておくと安心です。

1. 行高さ：自動で狭くなっていないか。必要に応じて「行の高さ」を再設定。
2. 印刷範囲：再表示によって不要なデータまで印刷されないか。
3. 数式の参照：非表示中に参照ずれが起きていないか確認。

再表示後のチェックを怠ると、後で「印刷が崩れる」「関数結果が変わる」などのトラブルに繋がることがあります。

✅ 非表示を防ぐ工夫と管理のコツ

・1. 非表示前にコメントを残す

「なぜ非表示にしたのか」「どの範囲を隠したのか」をメモしておくと、後から作業する人も迷いません。
共有ファイルでは特に重要です。

・2. 必要に応じてグループ化へ切り替える

何度も非表示／再表示を繰り返す場合は、**グループ化（折りたたみ）**に切り替えると便利です。
「＋／－」ボタンで簡単に開閉できるため、操作ミスを減らせます。

・3. シート保護と併用する

非表示状態を保ちたい列や行がある場合は、「シート保護」をかけておくと他人が解除できなくなります。
逆に、解除したいときは保護をオフにするのを忘れずに。

✅ RPA・自動化との相性：非表示を解除して安定した処理を実現

RPAやマクロでExcelを操作する際、非表示行は認識されないことがあります。
たとえば：

• 行をループで読み取る処理が途中で止まる
• フィルターで隠れた行が無視される

こうした問題は、「処理前にすべての行を再表示」するだけで解決します。
Excel自動化の安定性を高めるためにも、「一括表示」は重要な前処理です。

✅ まとめ：隠れている行を一気に表示して作業効率を最大化しよう

• 隠れている行は削除されていない。再表示すればすぐ戻せる。
• 一括表示は「Ctrl + A」→「Ctrl + Shift + 9」でOK。
• リボンの「書式」→「行の再表示」でも簡単に操作可能。
• 表示されない場合は「高さ0」「シート保護」「折りたたみ」「フィルター」を確認。
• 再表示後は、行の高さや印刷範囲を必ずチェック。
• RPA・マクロ処理前にも「一括再表示」でエラーを防止。

Excelの“隠れている行”は、設定を少し戻すだけで一瞬にして見えるようになります。
一括再表示の操作を覚えておけば、トラブル対応も効率化でき、作業スピードもアップ。

今日からは「見えない行」を探す時間をなくして、スマートにExcelを使いこなしましょう。