「セルに“完了”と入っていたら緑色にしたい」
「“エラー”を含む行を赤く目立たせたい」
「“重要”という文字があるセルだけ強調したい」
こうした“特定の文字が含まれる場合だけ自動で色を変える”操作は、
Excelの「条件付き書式」を使えば簡単に実現できます。
この記事では、条件付き書式と関数を組み合わせて、
「特定の文字を含む/含まない」を自動判定し、セルの色を動的に変更する方法を、
初心者にもわかりやすく、手順付きで徹底解説します。
目次
- ✅ Excelで「特定の文字を含むセルに色をつける」基本手順
- ・使用機能:条件付き書式
- ・具体例:「完了」と入力されたセルを緑にする
- ✅ SEARCH関数とFIND関数の違いを理解しよう
- ✅ 特定の文字を含まない場合に色をつける
- ・例:「未完了」と入力されていないセルを赤にする
- ✅ 部分一致を活用してキーワードを柔軟に判定
- ・例:「エラー」という文字を含むセルを赤くする
- ✅ 行全体の色を変える方法(1セルの内容で判定)
- ・例:ステータス列(B列)に「完了」があれば行全体を緑に
- ・絶対参照と相対参照の注意点
- ✅ 複数の文字で条件を分けて色を変える
- ✅ 「含まれていたら色+文字色変更」も同時に設定可能
- ・例:「エラー」を含むセルを赤背景+白文字にする
- ✅ 部分一致を複数条件で同時判定する
- ・部分一致の数式例
- ✅ 特定の文字列に完全一致したときだけ色を変える方法
- ・完全一致の数式例
- ✅ 実務での活用例
- ・1. タスク管理表のステータスごとに色分け
- ・2. 顧客リストのステータスチェック
- ・3. 在庫管理や商品リストでの異常検知
- ・4. メール対応ログの可視化
- ✅ 注意点とコツ
- ・SEARCH関数はエラーを返す場合がある
- ・全角・半角・スペースに注意
- ・条件付き書式のルール管理を整理する
- ✅ まとめ:Excelの条件付き書式で文字判定を自動化しよう
✅ Excelで「特定の文字を含むセルに色をつける」基本手順
・使用機能:条件付き書式
条件付き書式とは、「セルの値に応じて自動的に書式を変更できる機能」です。
文字列や数値、数式の結果に応じて、自動で色やフォントを変えることができます。
・手順概要
- 対象範囲を選択
- 「条件付き書式」 → 「新しいルール」をクリック
- 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
- 特定の文字を判定する数式を入力
- 書式(塗りつぶし色など)を設定して完了
参考:【Excel】条件付き書式の基本とは?仕組みと設定方法をわかりやすく解説【初心者向け実務活用例つき】
・具体例:「完了」と入力されたセルを緑にする
- A1:A20を選択
- 条件付き書式 → 新しいルール
- 「数式を使用して…」を選択
- 数式欄に以下を入力
=ISNUMBER(SEARCH("完了",A1))
- 書式ボタン → 「塗りつぶし」タブ → 緑色を選択
OKを押すと、セル内に「完了」という文字が含まれるセルだけ自動で緑色に変わります。
・数式の意味
関数 | 役割 |
---|---|
SEARCH("完了",A1) | A1セルに「完了」という文字が含まれているか検索 |
ISNUMBER(...) | 検索結果が数値(見つかった)ならTRUE、なければFALSE |
TRUEのときだけ色がつくため、「特定の文字を含むセル」が自動的に判定されます。
✅ SEARCH関数とFIND関数の違いを理解しよう
特定の文字を検索する関数には、SEARCH
とFIND
の2種類があります。
どちらも似ていますが、以下のような違いがあります。
比較項目 | SEARCH関数 | FIND関数 |
---|---|---|
大文字・小文字の区別 | しない | する |
ワイルドカード(*や?) | 使える | 使えない |
一般的な用途 | キーワード検索 | 厳密一致の判定 |
通常は「完了」「エラー」「注意」などを探す場合、大文字小文字を区別しない SEARCH
関数を使うのが便利です。
ただし、「ABC」と「abc」を区別したいときは FIND
を選ぶと良いでしょう。
参考:【Excel】文字列の含有チェックと色分けを行う方法|SEARCH関数と条件付き書式で業務を見える化!
✅ 特定の文字を含まない場合に色をつける
逆に、「特定の文字を含まない場合」に色をつけたいケースもあります。
・例:「未完了」と入力されていないセルを赤にする
- A1:A20を選択
- 条件付き書式 → 新しいルール
- 「数式を使用して…」を選択
- 次の数式を入力
=ISERROR(SEARCH("未完了",A1))
- 書式で赤色を指定して完了。
・数式の意味
ISERROR
関数が文字を見つけられない場合、「#VALUE!」というエラーになります。
ISERROR
関数はそのエラーを検出し、TRUEを返します。
つまり「未完了を含まないセルだけ赤くなる」仕組みです。
参考:【Excel】ISERRORを使った条件付き書式の使い方|エラーを見やすくする方法
✅ 部分一致を活用してキーワードを柔軟に判定
条件付き書式では、「完全一致」ではなく「含まれているか(部分一致)」で色を変えるのが一般的です。
・例:「エラー」という文字を含むセルを赤くする
数式:
=ISNUMBER(SEARCH("エラー",A1))
これで、「#エラー」「エラー発生」「通信エラー」など、部分的に含まれているすべてのケースを検出できます。
部分一致で柔軟に対応できるのがSEARCH関数の強みです。
参考:【Excel】「範囲内にあれば」を判定する関数まとめ|存在チェックの基本と応用
✅ 行全体の色を変える方法(1セルの内容で判定)
業務表では、ある列の内容によって「行全体を色分けしたい」というケースも多いです。
・例:ステータス列(B列)に「完了」があれば行全体を緑に
- 対象範囲(例:A2:D20)を選択
- 条件付き書式 → 新しいルール
- 数式を使用 → 以下の式を入力
=ISNUMBER(SEARCH("完了",$B2))
- 書式で塗りつぶし色を選択
これで、B列のセルに「完了」が含まれる場合、その行全体が自動的に緑色になります。
行頭の「$B2」と固定することで、どの列を基準に判定するかを指定しています。
・絶対参照と相対参照の注意点
条件付き書式の数式では「$」の使い方が重要です。
書き方 | 意味 |
---|---|
$B$2 | 行・列どちらも固定 |
$B2 | 列のみ固定(行ごとに判定したいときに使う) |
B$2 | 行だけ固定 |
行全体を塗りたい場合は「列固定」が基本です。
✅ 複数の文字で条件を分けて色を変える
「完了→緑」「未完了→赤」「保留→黄色」といった複数条件を設定することも可能です。
・設定手順
- 対象範囲を選択
- 条件付き書式 → 新しいルール → 「数式を使用」
- 以下の3つのルールを順に追加
条件 | 数式 | 色 |
---|---|---|
「完了」を含む | =ISNUMBER(SEARCH("完了",$A2)) | 緑 |
「未完了」を含む | =ISNUMBER(SEARCH("未完了",$A2)) | 赤 |
「保留」を含む | =ISNUMBER(SEARCH("保留",$A2)) | 黄色 |
設定後、「ルールの管理」で順番を確認してOKをクリック。
これで、セル内容に応じて自動で色分けされるようになります。
・POINT:ルールの順番に注意
条件付き書式は上から順に判定されます。
同じセルが複数条件に当てはまる場合、上のルールが優先されます。
「完了」「未完了」などの文字が重複する可能性がある場合は、順序を意識して設定しましょう。
✅ 「含まれていたら色+文字色変更」も同時に設定可能
塗りつぶし色だけでなく、文字色や太字設定も組み合わせると視認性が大幅に上がります。
・例:「エラー」を含むセルを赤背景+白文字にする
- 対象範囲を選択
- 条件付き書式 → 新しいルール → 数式を使用
- 数式欄に:
=ISNUMBER(SEARCH("エラー",A1))
- 書式 → 塗りつぶし「赤」、フォント「白」
これで、視覚的にも「エラー」を一目で識別できる表が完成します。
✅ 部分一致を複数条件で同時判定する
「“注意”または“確認”という文字を含んでいたら黄色にしたい」
といった複数キーワードを同時に判定することもできます。
・部分一致の数式例
=OR(ISNUMBER(SEARCH("注意",A1)), ISNUMBER(SEARCH("確認",A1)))
OR関数で条件をつなぐことで、いずれかの文字が含まれていればTRUEになります。
同様にAND関数を使えば、「両方の文字が含まれている」ケースにも対応可能です。
参考:【Excel】検索ボックスを作る方法まとめ|関数・フィルターで実現する便利な仕組み
✅ 特定の文字列に完全一致したときだけ色を変える方法
部分一致ではなく、「セルの内容が完全に“完了”だけのとき」に色を変えたい場合は、
SEARCH関数ではなくEXACT
または=
を使います。
・完全一致の数式例
=$A2="完了"
完全一致の場合だけTRUEになり、他の文字を含む場合は無視されます。
マスター管理表などで厳密に状態を判定したい場合に便利です。
参考:【Excel】XLOOKUPで完全一致モードでも一致してしまう理由とは?全角・半角やスペースに潜む落とし穴を徹底解説
✅ 実務での活用例
・1. タスク管理表のステータスごとに色分け
「完了」「進行中」「未着手」を色で区別すれば、進捗状況を一目で把握可能。
特に大人数のタスク管理では、視覚的整理が効率アップに直結します。
・2. 顧客リストのステータスチェック
「契約済」「保留」「未対応」などの文字を自動色分けし、
対応状況を瞬時に確認できる営業支援シートを作成できます。
・3. 在庫管理や商品リストでの異常検知
「欠品」「在庫なし」「破損」などのワードを含む商品行を赤く強調し、
チェックミスを防止できます。
参考:【Excel】【在庫管理】在庫数に応じて発注判断を自動化するIF関数の設定方法|ムダなく効率的な仕入れを実現
・4. メール対応ログの可視化
「返信済」「未返信」などを自動色分けすることで、対応漏れを防止。
条件付き書式を使えば、毎回の更新も自動で反映されます。
参考:【RPA入門】UiPathでできること一覧|Excel・メール・ブラウザ操作を徹底解説
✅ 注意点とコツ
・SEARCH関数はエラーを返す場合がある
文字が見つからない場合、「#VALUE!」エラーになります。
必ずISNUMBERやISERRORでエラー処理を組み合わせましょう。
・全角・半角・スペースに注意
「エラー 」のように空白が含まれると判定されません。
必要に応じてTRIM
関数で空白を除去してから判定すると確実です。
・条件付き書式のルール管理を整理する
複数条件を設定すると重複や競合が起きやすくなります。
「ルールの管理」画面で範囲・優先順位を定期的に確認しましょう。
✅ まとめ:Excelの条件付き書式で文字判定を自動化しよう
- 「特定の文字が含まれていたら色を変える」には条件付き書式+SEARCH関数を使う
=ISNUMBER(SEARCH("文字",A1))
で部分一致を判定ISERROR
やOR
関数を組み合わせれば、より柔軟な条件指定が可能- 行全体の色変更や複数条件色分けも設定できる
- 完全一致なら「=
セル
="文字"」を使用
Excelの条件付き書式は、目視確認を自動化できる強力なツールです。
関数を少し工夫するだけで、日々のチェック作業やミス防止が大幅に効率化できます。
業務・管理・分析のどんな場面でも、「特定文字で自動色分け」をぜひ活用してみましょう。