Excelには、セルに入力された漢字やひらがなに対して「ふりがな」を表示する機能があります。
住所録や名簿、顧客管理表などで、ふりがな列を自動生成する際に非常に便利です。
しかし、実際の業務では次のような声が多く聞かれます。
- 「ふりがな表示ができないセルがある」
- 「同じ列でも、ふりがなが出るセルと出ないセルがある」
- 「コピーしたらふりがなが消えた」
- 「VLOOKUPで取ってきた文字にふりがなが出ない」
この記事では、Excelでふりがなが表示されない原因と対処法を、初心者〜実務担当者向けにわかりやすく解説します。
目次
✅ ふりがな表示機能とは?
Excelのふりがな表示は、セル内のテキストに対して**入力時に保存された読み情報(Phonetic情報)**を表示する機能です。
ふりがなは、セル書式の設定や関数("=PHONETIC(A1)")を使って取得できます。
注意
ふりがな情報は自動的に生成されますが、元の文字列に読み情報が付与されていない場合は表示できません。
✅ ふりがなが表示されない主な原因
Excelでふりがなが表示されない場合、次のような原因が考えられます。
- セルにふりがな情報が存在しない
- ふりがな表示設定が「非表示」になっている
- コピーや数式によってふりがな情報が消えた
- 半角カタカナ・英数字・記号のみのセル
- 外部データ(CSVやテキストファイル)から読み込んだ
- VLOOKUPやTEXT関数で生成された値
- セル結合や特殊書式が適用されている
- Excelのバージョンや互換性モードの影響
✅ 対処法1:ふりがな表示をオンにする
まずはふりがな自体が非表示になっていないかを確認します。
- 表示したいセルを選択
- [ホーム]タブ → [ふりがなの表示/非表示](または[書式] → [ふりがな表示])
- ふりがなが表示されるか確認
💡 ショートカットキー
Alt → O → M → S でふりがな表示を切り替え可能です。
✅ 対処法2:ふりがな情報がない場合は再入力または手入力
ふりがな情報がないセルは、ふりがなを表示しても空欄になります。
原因として多いのは、外部データから貼り付けた文字列や、関数で生成された値です。
解決方法
- 手入力で再入力する(IMEでふりがな情報が付く)
- [ふりがなの編集]から手動で入力
- 別列にふりがな列を作成して関数で管理
参考:【Excel】引き算をオートフィルで効率化する方法|作業を一瞬で自動化するテクニック
✅ 対処法3:PHONETIC関数でふりがなを取得
ふりがな情報が存在すれば、関数で取得できます。
例:セルA1のふりがなを取得
=PHONETIC(A1)
注意点
- 元データにふりがな情報がない場合は空白を返します
- 数式で作られた文字列にはふりがな情報は付きません
参考:【Excel】【トラブル解決】VLOOKUPで該当データがあるのにヒットしない原因と対処法|検索値があるのに#N/Aになるときは?
✅ 対処法4:ふりがな情報が消えるケースを避ける
ふりがな情報は、以下の操作で消えることがあります。
- 「値貼り付け」で上書き
- 外部CSV保存時
- VLOOKUPやTEXT関数などで文字列を生成
- コピー時に「書式なし貼り付け」
予防策
- 必要に応じてふりがな列を別管理する
- マクロで自動ふりがな生成を行う
- 外部保存は.xlsx形式で行う
参考:【Excel】IFNA関数とは?VLOOKUPとの組み合わせで使い方を完全解説!
参考:【Excel】セルに曜日だけを入れる方法【TEXT関数・書式設定・手入力の使い分け】
✅ 対処法5:マクロでふりがなを自動生成
データ量が多い場合、VBAで一括設定が便利です。
Sub ふりがな再表示()
Dim c As Range
For Each c In Selection
c.Phonetic.Visible = True
Next c
End Sub
さらに、ふりがなが空白のセルにだけ生成する処理も可能です。
■ 実務でよくある「ふりがなが出ない」ケースと対応
ケース | 原因 | 解決方法 |
---|---|---|
名簿の一部だけふりがなが出ない | CSVインポート時に読み情報が消失 | 再入力または手入力で付与 |
関数で作った氏名 | 関数結果には読み情報がない | 元データにPHONETIC関数 |
コピー後ふりがなが消えた | 値貼り付けで情報が消失 | 書式ごとコピー |
外国人名や英字名 | 読み情報自動生成不可 | 手入力ふりがな |
✅ ふりがなの編集方法
ふりがなが間違っている場合は、次の手順で修正できます。
- 対象セルを選択
- [ホーム] → [ふりがなの編集]
- 正しい読みを入力
■ ふりがな活用の実務例
- 顧客名簿でのあいうえお順ソート
- 送り状や名刺印刷でのふりがな付き出力
- 会員管理システムとのデータ突合
- 名簿のふりがな自動生成マクロ
参考:【エクセル】表を五十音順、数値の昇順、降順の並び替え方法
■ 予防策:ふりがな情報を失わないために
- 外部データは.xlsxで保存
- 値貼り付けは最小限に
- 定期的にふりがな列を更新
- 関数で生成する場合は元データに依存
■ まとめ:ふりがなが表示されないときは原因別に対応しよう
- 表示設定 → オンにする
- 情報がない → 再入力または手入力
- 消える操作 → 値貼り付けや外部保存に注意
- VBAで一括生成も有効
ふりがなは名簿・顧客データ管理に欠かせない要素です。
原因を正しく理解し、予防策を講じることで、業務効率が大幅に向上します。