Excelで表を作成していて、「数字は合っているのに、なぜか見づらい」「自分では問題ないが、他の人から“読みにくい”と言われた」という経験はありませんか。
その原因の多くは、フォントサイズの決め方が曖昧なまま作られていることにあります。
フォントサイズは、色や罫線ほど目立たない要素ですが、表の読みやすさを決定づける最重要要素の一つです。サイズの選び方を間違えると、どれだけ整理されたデータでも一気に伝わらなくなります。
この記事では、Excelで表を作成する際のフォントサイズの正しい決め方を、実務視点で徹底的に解説します。
「なぜそのサイズが適切なのか」「実務ではどこで失敗しやすいのか」を理解することで、一目で内容が伝わる表を作れるようになります。
目次
- ✅ フォントサイズが原因で表が読みにくくなる理由
- ・フォントサイズは無意識に決められやすい
- ・読み手が変わると「見やすさ」の基準も変わる
- ✅ Excelでフォントサイズを決める基本的な考え方
- ・「何を一番読ませたいか」を最初に決める
- ・フォントサイズは「情報の階層」を作るためのもの
- ✅ 表の種類別:適切なフォントサイズの目安
- ・一覧表(データリスト)の場合
- ・集計表・報告用表の場合
- ✅ フォントサイズを大きくしすぎると起きる問題
- ・情報量が減り、全体像が見えなくなる
- ・行の高さが無駄に広がる
- ✅ フォントサイズを小さくしすぎると起きる問題
- ・読む側の負担が一気に増える
- ・重要な情報が埋もれる
- ✅ 見出し・データ・補足でサイズを分ける実務テクニック
- ・見出しは「案内役」
- ・データは「主役」
- ・補足は「脇役」
- ✅ フォントサイズと列幅・行高さの関係
- ・サイズに合わない列幅は可読性を下げる
- ・行高さは「余白」として考える
- ✅ 印刷・画面共有を前提にしたフォントサイズの考え方
- ・印刷する場合
- ・画面共有する場合
- ✅ 実務でよくあるフォントサイズの失敗例
- ・前の資料をそのまま流用している
- ・すべて同じサイズで作られている
- ・拡大・縮小でごまかしている
- ✅ フォントサイズをルール化するメリット
- ✅ 業務効率化の視点:表作成を自動化する考え方
- ✅ まとめ:Excelのフォントサイズは「読み手基準」で決める
✅ フォントサイズが原因で表が読みにくくなる理由
Excelの表が見づらくなる原因は、データ量や列数の多さだけではありません。
実務でよく見るのは、「何となくデフォルトのまま」「前の資料をコピーしてそのまま」というケースです。
・フォントサイズは無意識に決められやすい
多くの場合、Excelを開くと最初から設定されているフォントサイズを、そのまま使ってしまいます。
しかし、このサイズはすべての用途に最適化されているわけではありません。
- 印刷する資料
- 画面共有で説明する資料
- 自分だけが見る作業用表
これらを同じフォントサイズで作ると、必ずどこかで無理が出ます。
・読み手が変わると「見やすさ」の基準も変わる
実務資料は、自分だけで完結することはほとんどありません。
上司、同僚、他部署、取引先など、読む人が変わるたびに最適なサイズも変わります。
この前提を理解せずにフォントサイズを決めてしまうと、「伝わらない表」になりがちです。
✅ Excelでフォントサイズを決める基本的な考え方
フォントサイズを感覚で決めるのではなく、判断基準を持つことが重要です。
・「何を一番読ませたいか」を最初に決める
フォントサイズは、表全体を均一にする必要はありません。
まず考えるべきなのは、「この表で一番伝えたい情報は何か」です。
- 見出しなのか
- 数値なのか
- コメントや補足なのか
主役を決めずにサイズをそろえると、すべてが同じ重要度に見えてしまいます。
・フォントサイズは「情報の階層」を作るためのもの
フォントサイズの役割は、単に文字を大きく・小さくすることではありません。
情報の優先順位を視覚的に示すことが本質です。
サイズに差があることで、読む人は無意識に「ここが重要」「ここは補足」と判断できます。
✅ 表の種類別:適切なフォントサイズの目安
ここでは、実務でよく使われる表を想定し、フォントサイズの考え方を整理します。
・一覧表(データリスト)の場合
売上一覧や顧客リストなど、行数が多い表では情報量と可読性のバランスが重要です。
- 見出し:やや大きめ
- データ部分:標準サイズ
- 補足列:やや小さめ
すべて同じサイズにすると、行数が増えたときに一気に圧迫感が出ます。
・集計表・報告用表の場合
報告資料では、「結論がどこか」が一瞬で分かる必要があります。
- タイトル・見出し:大きめ
- 合計・重要数値:やや大きめ
- 内訳データ:標準サイズ
合計行と通常行を同じサイズにすると、読む側が毎回探さなければなりません。
参考:【Excel】グラフを作成するコツ|見やすく正確に伝わる資料の作り方
✅ フォントサイズを大きくしすぎると起きる問題
「見やすくしたいから大きくする」という判断は、一見正しそうに見えます。
しかし、サイズを上げすぎると別の問題が発生します。
・情報量が減り、全体像が見えなくなる
フォントサイズを大きくすると、表示できる行数・列数が減ります。
その結果、スクロールが増え、全体の流れが把握しにくくなります。
特に比較や傾向を見る資料では致命的です。
・行の高さが無駄に広がる
サイズを上げると、自動的に行の高さも広がります。
この状態を放置すると、表全体が間延びし、締まりのない印象になります。
✅ フォントサイズを小さくしすぎると起きる問題
逆に、「たくさん入れたいから小さくする」という判断も危険です。
・読む側の負担が一気に増える
小さすぎる文字は、読むだけで疲れます。
特に画面共有や印刷資料では、一部の人しか読めない表になってしまいます。
・重要な情報が埋もれる
すべてが小さいと、どこが重要なのか分からなくなります。
結果として、「結局何を見ればいいのか分からない表」になります。
参考:【Excel】太字・文字色で強調する正しい使い方【やりすぎ防止】
✅ 見出し・データ・補足でサイズを分ける実務テクニック
実務では、次のような役割分担で考えると整理しやすくなります。
・見出しは「案内役」
見出しは、表の構造を理解させるためのものです。
少し大きめに設定することで、視線の入り口を作れます。
・データは「主役」
データ部分は、最も長く目にする部分です。
無理のないサイズにすることで、ストレスなく読み続けられます。
・補足は「脇役」
注釈や補足説明は、小さめにすることで主役を邪魔しません。
これにより、表全体が整理されて見えます。
参考:【Excel】印刷でヘッダーを固定する方法【表のタイトルを各ページに表示】
✅ フォントサイズと列幅・行高さの関係
フォントサイズだけを調整しても、表は見やすくなりません。
列幅・行高さとのバランスが重要です。
・サイズに合わない列幅は可読性を下げる
文字が詰まりすぎると、サイズが適切でも読みにくくなります。
逆に、余白が多すぎても間延びします。
・行高さは「余白」として考える
行高さは、文字を囲む余白です。
適度な余白があると、文字が読みやすくなります。
✅ 印刷・画面共有を前提にしたフォントサイズの考え方
用途によって最適なサイズは変わります。
・印刷する場合
紙では画面よりも文字が小さく感じられます。
印刷前提の資料では、やや大きめを意識する必要があります。
・画面共有する場合
プロジェクターやオンライン会議では、さらに見えにくくなります。
この場合、データ量を減らし、サイズを優先する判断も必要です。
✅ 実務でよくあるフォントサイズの失敗例
・前の資料をそのまま流用している
目的が変わってもサイズを見直さないと、ズレが生じます。
・すべて同じサイズで作られている
階層がなく、情報の優先度が伝わりません。
・拡大・縮小でごまかしている
表示倍率で調整すると、他の人が開いたときに崩れます。
✅ フォントサイズをルール化するメリット
フォントサイズを個人の感覚に任せると、資料ごとにバラつきが出ます。
簡単なルールを決めるだけで、品質は安定します。
- 見出しは〇pt
- データは〇pt
- 補足は〇pt
これだけでも、誰が作っても一定の見やすさを保てます。
✅ 業務効率化の視点:表作成を自動化する考え方
フォントサイズのルールが決まっている場合、毎回手作業で整えるのは非効率です。
定型帳票では、最初から書式が整った状態で作成できると、作業ミスも減ります。
さらに、Excel作成が業務フローの一部である場合、
集計 → 表作成 → 確認 → 配布
といった流れ全体を整理することで、業務効率は大きく向上します。
Excel単体にとどまらず、RPAなどを組み合わせることで、「見やすい表を毎回自動で作る」という発想も実務では有効です。
✅ まとめ:Excelのフォントサイズは「読み手基準」で決める
- フォントサイズは感覚ではなく目的で決める
- 情報の階層を意識してサイズを分ける
- 大きすぎても小さすぎても逆効果
- 列幅・行高さとのバランスが重要
- 用途(印刷・画面共有)を必ず考慮する
フォントサイズを適切に設定するだけで、Excelの表は驚くほど見やすくなります。
「数字は合っているのに伝わらない」状態から抜け出すためにも、ぜひ一度、フォントサイズの決め方を見直してみてください。
表が見やすくなると、説明時間が減り、修正依頼も減ります。
それはそのまま、業務効率と評価の向上につながります。