Excelで文字や数値に取り消し線を入れるとき、通常は「Ctrl+5」のショートカットで簡単に実行できます。しかし、「セル全体には取り消し線が付くのに、文字列の一部だけに取り消し線を入れられない」「部分的に線を消したいのに思ったように操作できない」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
この記事では「Excel 取り消し線 一部 できない」と検索した方に向けて、なぜ部分的な取り消し線が付けられないのか、その原因と解決方法を詳しく解説します。さらに、実務で役立つ応用テクニックや代替手段も紹介するので、最後まで読むことで確実に対処できるようになります。
目次
- ✅ Excelで取り消し線を一部だけ付けられない主な原因
- ✅ セル全体にしか取り消し線が適用されないケース
- ・ショートカット「Ctrl+5」はセル単位で動作する
- ✅ セル内の文字列を正しく選択できていない
- ・ダブルクリックやF2で編集モードに入る必要がある
- ✅ 条件付き書式が適用されている
- ✅ シートやブックの保護による制限
- ✅ コピー&ペーストによる書式固定
- ✅ 実務での応用テクニック
- ・修正履歴を残す場合の一部取り消し線
- ・価格表での応用
- ・契約条件や注釈での利用
- ✅ 一部取り消し線を効率的に扱う工夫
- ✅ よくある質問(FAQ)
- Q1: 「Ctrl+5」を押しても部分的にできないのはなぜ?
- Q2: 部分的に取り消し線を消したいときはどうすればいい?
- Q3: 条件付き書式と部分的な取り消し線を両立できますか?
- ■ まとめ:Excelで一部取り消し線ができない原因を理解して正しく操作しよう
✅ Excelで取り消し線を一部だけ付けられない主な原因
Excelは基本的に「セル単位」で書式を設定するソフトです。そのため、次のような制限や誤操作によって「取り消し線が一部だけ付けられない」現象が発生します。
- セル全体にしか取り消し線が設定されていない
- セル内の文字列を正しく選択できていない
- セル書式ではなく条件付き書式が適用されている
- シートやブックが保護されている
- コピー&ペーストで書式が固定されている
これらの原因を順番に見ていきましょう。
✅ セル全体にしか取り消し線が適用されないケース
・ショートカット「Ctrl+5」はセル単位で動作する
Excelの取り消し線ショートカット「Ctrl+5」は、基本的にセル全体に作用します。つまり、セルの一部を強調したい場合でも、範囲を正しく選択しない限り、セル全体に取り消し線が引かれてしまうのです。
解決法
- セル内で文字列を選択(F2で編集モードに入る)
- 取り消し線を付けたい部分だけドラッグで範囲選択
- 「Ctrl+5」を押すか、右クリック→「セルの書式設定」→「フォント」で「取り消し線」を適用
これで部分的に取り消し線を設定できます。
参考:ExcelVBAで書式設定をする(文字列、日付や数値など)
✅ セル内の文字列を正しく選択できていない
・ダブルクリックやF2で編集モードに入る必要がある
セル内の一部に取り消し線を付けたい場合、まず編集モードに入らなければなりません。通常の選択ではセル全体が対象になるため、一部選択ができないのです。
解決法
- セルをダブルクリック、またはF2キーで編集モードにする
- 範囲をドラッグで選択してから「Ctrl+5」またはフォント設定で適用
✅ 条件付き書式が適用されている
条件付き書式はセル全体に対してルールを適用するため、部分的な書式設定はできません。そのため、一部だけ取り消し線を付けようとしても上書きされてしまいます。
対処法
- 条件付き書式を確認(ホーム → 条件付き書式 → ルールの管理)
- 不要なルールを削除または修正
- 部分的に設定したい場合は条件付き書式ではなくセル書式で操作する
参考:【Excel】条件付き書式の基本とは?仕組みと設定方法をわかりやすく解説【初心者向け実務活用例つき】
✅ シートやブックの保護による制限
シートが保護されている場合、セルの一部に書式を設定できないことがあります。特に共有ファイルでは、他の人が保護をかけているケースが多いです。
解決法
- [校閲] → [シート保護の解除]を確認
- パスワードが設定されている場合は管理者に相談
参考:【Excel】シートコピー できない原因と解決方法|エラー別対策と実務での予防策
✅ コピー&ペーストによる書式固定
他のセルや外部からコピーしたデータに取り消し線が含まれていると、その書式が固定されていて部分的に変更できないことがあります。
対処法
- 「形式を選択して貼り付け」から「値のみ」を使う
- 改めてセル内編集で部分的に取り消し線を設定し直す
✅ 実務での応用テクニック
・修正履歴を残す場合の一部取り消し線
文書作成や報告資料では「一部の語句を削除したが履歴を残したい」ケースがあります。例えば:
「本日10時 → 本日11時 → 本日12時」
このように一部取り消し線を使うことで、修正点を明示しながら読みやすさを確保できます。
・価格表での応用
旧価格を一部取り消し線で示し、新価格を横に並べることで変更点をわかりやすく表示できます。
例: 1,200円 → 1,000円
・契約条件や注釈での利用
契約書案や注釈付き資料では、一部だけ取り消し線を使うことで「削除候補」として読者に伝えられます。Wordほど高度な履歴管理機能はありませんが、Excelでも簡易的に実現可能です。
✅ 一部取り消し線を効率的に扱う工夫
- 右クリックからの操作
セル内編集中に対象部分を選択 → 右クリック →「セルの書式設定」から適用 - クイックアクセスツールバーに追加
取り消し線を頻繁に使う場合は、クイックアクセスツールバーに登録してワンクリックで実行 - 条件付き書式との併用
一部だけではなく「全体的なルール」と「部分的な調整」を組み合わせると効率的
✅ よくある質問(FAQ)
Q1: 「Ctrl+5」を押しても部分的にできないのはなぜ?
→ 編集モードに入らずに押しているため。セル全体が対象になってしまいます。
Q2: 部分的に取り消し線を消したいときはどうすればいい?
→ セル編集モードで対象部分を選び直し、「Ctrl+5」で解除できます。
Q3: 条件付き書式と部分的な取り消し線を両立できますか?
→ できません。条件付き書式はセル全体に作用するため、一部設定とは併用不可です。
■ まとめ:Excelで一部取り消し線ができない原因を理解して正しく操作しよう
Excelでは「セル全体の書式設定」と「セル内の一部選択」が混同されやすく、取り消し線を一部だけ付けたいのにうまくいかないことがあります。主な原因は 編集モードに入っていない・条件付き書式の影響・共有ファイルの制限 です。