Excelで作業していると、コメントやメモが吹き出しの形でセルに表示されることがあります。また、図形ツールを使って作成する「吹き出し」も便利で、補足説明や資料作成に役立ちます。
しかし、いざ印刷してみると「不要な吹き出しがすべて出力されてしまった」「画面では便利だけど紙には必要ない」という悩みを抱くケースが少なくありません。
この記事では 「Excel 吹き出し 印刷しない」 をテーマに、コメント(メモ)の吹き出しと図形としての吹き出しの両方について印刷を制御する方法を詳しく解説します。さらに、なぜ印刷されてしまうのかという仕組みや、実務に役立つ応用例・注意点も盛り込み、滞在時間を意識した構成にしています。
目次
- ✅ Excelで表示される吹き出しの種類を理解しよう
- ・コメント(旧:メモ)の吹き出し
- ・図形ツールで作成した吹き出し
- ・なぜ吹き出しが印刷されるのか?
- ✅ コメント(吹き出し)を印刷しない設定方法
- ・印刷しないようにする手順
- ・背景と理由
- ✅ 図形の吹き出しを印刷しない方法
- ・図形を選択して非表示にする
- ・すべての吹き出しを一括制御する方法
- ✅ 実務で役立つ「吹き出し印刷しない」活用例
- ・レビュー用の補足を印刷から除外
- ・教育用資料での使い分け
- ・社内共有用と外部配布用を分ける
- ✅ 注意点とトラブルシューティング
- ・印刷範囲外に配置された吹き出し
- ・Excelバージョンの違いに注意
- ・大量の吹き出しがある場合
- ✅ 応用:画面用と印刷用のシートを分ける方法
- ■ まとめ:Excel吹き出しを印刷しない設定で資料をスマートに作成しよう
✅ Excelで表示される吹き出しの種類を理解しよう
・コメント(旧:メモ)の吹き出し
Excelではセルにコメントを挿入すると、赤い三角マークが付きます。カーソルを合わせると吹き出し型のウィンドウが表示され、補足情報を確認できます。印刷時には設定により「吹き出しを含めるか」「末尾に一覧で印刷するか」を選べます。
・図形ツールで作成した吹き出し
「挿入」タブ → 「図形」 → 「吹き出し」を選択すると、自由に配置できる図形の吹き出しを追加できます。これはコメントとは異なり、図形として扱われるため、印刷時には自動的に出力されます。
・なぜ吹き出しが印刷されるのか?
Excelは「画面に表示されているものは印刷対象」とみなす仕様になっています。そのため、コメントを常に表示させていたり、図形の吹き出しを配置したままにしていると、印刷時に反映されてしまうのです。
✅ コメント(吹き出し)を印刷しない設定方法
・印刷しないようにする手順
- ページレイアウトタブをクリック
上部のリボンから「ページレイアウト」を開きます。 - ページ設定ダイアログを表示
右下の小さい矢印アイコンをクリックし、「ページ設定」を開きます。 - シートタブを選択
ページ設定の「シート」タブに「コメント」という項目があります。 - 「なし」を選択する
「表示されているもの」や「シートの末尾に印刷」ではなく、「なし」に設定します。 - 印刷プレビューで確認
コメントの吹き出しが出力されていないことを必ず確認してから印刷します。
・背景と理由
Excelはデフォルトで「コメントは印刷しない」設定になっています。しかし一度設定を変更していた場合や、常に表示していると誤って印刷されるケースがあるため、明示的に「なし」を選ぶのが安心です。
参考:【Excel】印刷設定を完全解説|思い通りのレイアウトで資料を作成する方法
✅ 図形の吹き出しを印刷しない方法
・図形を選択して非表示にする
図形としての吹き出しは、コメント設定とは別に扱われます。印刷から除外するには以下の操作が必要です。
- 吹き出し図形を選択する
- 右クリック → 「サイズとプロパティ」を選択
- 「プロパティ」内の「オブジェクトを印刷する」のチェックを外す
これで、その図形は画面には残っていても印刷には出力されません。
・すべての吹き出しを一括制御する方法
もし複数の吹き出し図形を使っている場合、ショートカットで全選択(Ctrl + A → 図形だけを選択)し、プロパティから一括で「印刷しない」設定を適用することができます。
参考:【Excel】印刷でヘッダーを固定する方法【表のタイトルを各ページに表示】
✅ 実務で役立つ「吹き出し印刷しない」活用例
・レビュー用の補足を印刷から除外
画面上では便利でも、顧客に提出する資料には不要な情報となることがあります。印刷しない設定を使えば、内部メモだけを非表示にして外部提出用の資料をきれいに仕上げられます。
・教育用資料での使い分け
研修資料などでは、画面上で補足を吹き出しにしておき、印刷版ではスッキリさせるという使い方が可能です。状況に応じて「印刷しない」を選択することで見やすさを調整できます。
・社内共有用と外部配布用を分ける
社内用にはコメントを印刷して確認しやすくし、外部提出用には吹き出しを除去する。印刷設定を切り替えることで一つのファイルを二重活用できます。
✅ 注意点とトラブルシューティング
・印刷範囲外に配置された吹き出し
コメントや図形がシート外に配置されていると、意図せず次ページに印刷されてしまうことがあります。印刷プレビューで必ず確認しましょう。
参考:【Excel】印刷範囲の設定で表示される点線の意味と対処法
・Excelバージョンの違いに注意
- Excel 2016以前:コメントが従来型の吹き出しとして扱われます
- Excel 2019以降 / Microsoft 365:新しいコメントはスレッド形式、従来の吹き出しは「メモ」として区別されています
印刷制御をしたい場合は「メモ(従来のコメント)」を意識する必要があります。
・大量の吹き出しがある場合
多くの吹き出しを一度に「印刷しない」設定にする際は、図形の選択ウィンドウ(ホーム → 検索と選択 → オブジェクトの選択)を使うと効率的です。
✅ 応用:画面用と印刷用のシートを分ける方法
吹き出しを残しながら印刷したくない場合、シートを分けるのも一つの解決策です。
- 元のシートをコピーして「印刷用」とする
- 印刷用のシートでは吹き出しを削除または「印刷しない」に設定
- 社内レビューでは元のシートを使い、顧客提出時は印刷用を利用
これにより、用途に応じてファイルを使い分けられます。
■ まとめ:Excel吹き出しを印刷しない設定で資料をスマートに作成しよう
- 吹き出しには コメント(メモ)型 と 図形型 がある
- コメントは「ページ設定 → シートタブ」で「なし」を選択すれば印刷されない
- 図形の吹き出しは「オブジェクトを印刷する」のチェックを外すことで除外可能
- 実務ではレビュー用・提出用で切り替えが便利
- 印刷前には必ずプレビューで確認することが大切
吹き出しは便利な反面、印刷には不要なケースも多いものです。この記事を参考に、Excelでの印刷を自在にコントロールし、用途に応じて最適な資料を作成してみてください。