Excelでデータを整理・分析する際に欠かせないのが「昇順(小さい順・あいうえお順)」「降順(大きい順・逆順)」の並べ替え機能です。売上データのランキング作成、社員名簿の整理、日付順の並び替えなど、実務ではあらゆる場面で活用されます。
しかし実際には「昇順にしたのに順番が崩れる」「降順にしたら見出しまで動いてしまった」などのトラブルが発生することもあります。
この記事では「Excel 昇順 降順」と検索している方に向けて、 並べ替えの基本操作、トラブル解決方法、関数による自動化、実務での応用例 を徹底解説します。
目次
- ✅ Excelの昇順・降順とは?
- ✅ 基本操作で昇順・降順に並べる方法
- ・リボンの並べ替えボタンを使う
- ・並べ替えダイアログを使う
- ✅ 昇順・降順で起こりやすいトラブルと解決方法
- ・トラブル1:1, 10, 2 の順になってしまう
- ・トラブル2:見出し行まで並び替えられる
- ・トラブル3:漢字やカタカナが期待通りに並ばない
- ・トラブル4:結合セルがあると並べ替えできない
- ✅ 関数で昇順・降順を自動化(Excel 365以降)
- ・SORT関数
- ・SORTBY関数
- ・LARGE関数・SMALL関数
- ✅ 実務での活用例
- ・売上ランキングの作成
- ・社員名簿の整理
- ・日付順のタスク管理
- ・在庫管理
- ✅ 昇順・降順で失敗しないためのチェックリスト
- ■ まとめ:Excelの昇順・降順は「基準と形式」を意識すればうまくいく
✅ Excelの昇順・降順とは?
- 昇順(小さい順)
数値 → 小さい値から大きい値へ(1, 2, 3…)
文字列 → あいうえお順、アルファベット順(A, B, C…)
日付 → 古い日付から新しい日付へ - 降順(大きい順)
数値 → 大きい値から小さい値へ(100, 50, 10…)
文字列 → 逆の順序(ん → あ、Z → A)
日付 → 新しい日付から古い日付へ
➡️ データの型(数値・文字列・日付)によって並び方が変わる点が重要です。
参考:【Excel】表を五十音順、数値の昇順、降順の並び替え方法
✅ 基本操作で昇順・降順に並べる方法
・リボンの並べ替えボタンを使う
- 並べ替えたい列を選択
- [データ] タブ → [昇順(A→Z)] または [降順(Z→A)] をクリック
➡️ 選択した列を基準に、他の列も連動して並び替えられます。
参考:【Excel】開発タブが追加できない?原因と解決策をわかりやすく解説
・並べ替えダイアログを使う
複数条件で並べ替えたいときは「並べ替えダイアログ」を活用。
- データ範囲を選択
- [データ] → [並べ替え]
- 基準列・昇順/降順を指定
- 「レベルの追加」で複数条件を設定
📌 例:
- まず部署ごとに昇順
- 部署内で売上を降順
➡️ データが整理され、グループごとのランキングが作成できます。
参考:【Excel】表から抽出して新しい表を作る方法まとめ|関数・フィルター・ピボットで効率化
✅ 昇順・降順で起こりやすいトラブルと解決方法
・トラブル1:1, 10, 2 の順になってしまう
➡️ 数字が文字列として扱われている可能性があります。
解決策
- 「区切り位置」機能で文字列を数値に変換
=VALUE(A1)
で数値に変換- セルの書式を「標準」に変更して再入力
・トラブル2:見出し行まで並び替えられる
➡️ 見出し行をデータと一緒に選択しているのが原因。
解決策
並べ替えダイアログで「先頭行をデータの見出しとして使用」にチェックを入れる。
・トラブル3:漢字やカタカナが期待通りに並ばない
➡️ Excelは「ふりがな」を基準に並び替えます。
解決策
- [データ] → [ふりがなの編集] で正しい読みを設定
- 並べ替えオプションで「ふりがなを使わない」を選択
・トラブル4:結合セルがあると並べ替えできない
➡️ セル結合は並べ替えの障害になります。
解決策
結合を解除してから並べ替えを実行。
✅ 関数で昇順・降順を自動化(Excel 365以降)
最新のExcelでは、並べ替えを関数で自動化できます。
・SORT関数
=SORT(A2:C20,1,1) → 昇順
=SORT(A2:C20,1,-1) → 降順
➡️ 1列目を基準に並べ替え。新しいデータを入力しても自動更新されます。
・SORTBY関数
=SORTBY(A2:C20,B2:B20,-1)
➡️ B列を基準に降順並べ替え。複数条件も指定可能です。
・LARGE関数・SMALL関数
=LARGE(A2:A20,1)
→ 最大値(降順1位)=SMALL(A2:A20,1)
→ 最小値(昇順1位)
➡️ 特定の順位の値を取り出すのに便利。
✅ 実務での活用例
・売上ランキングの作成
売上を降順に並べ替えて上位商品を表示。SORT
+ INDEX
で商品名と売上をペアで表示可能。
・社員名簿の整理
氏名を昇順に、入社日を降順に並べることで見やすい名簿を作成。
・日付順のタスク管理
期限日を昇順に並べ替えることで、優先度がひと目でわかる。
・在庫管理
在庫数を降順にして「在庫が多い商品」、昇順にして「在庫切れに近い商品」を確認。
✅ 昇順・降順で失敗しないためのチェックリスト
- データの型(数値・文字列・日付)を揃えたか?
- 見出し行を誤って含めていないか?
- 全角・半角や空白の混在を解消したか?
- 結合セルを解除したか?
- Excel 365なら関数で自動化できないか検討したか?
■ まとめ:Excelの昇順・降順は「基準と形式」を意識すればうまくいく
Excelで昇順・降順に並べるのは基本的な操作ですが、数字や文字列、日付の扱いを誤ると順序が崩れます。
- 基本操作 → [データ]タブの昇順/降順ボタン
- 複数条件 → 並べ替えダイアログで「レベル追加」
- トラブル対策 → データ型の確認・見出し設定・セル結合の解除
- 自動化 →
SORT
、SORTBY
、LARGE
、SMALL
関数
✅ まとめ:正しい手順とデータ整備を徹底すれば、昇順・降順を自在に使いこなせ、ランキング表や分析資料も効率的に作成できます。