Excelで商品一覧や社員名簿などを作成していると、「セルに応じて画像を自動的に表示させたい」「関数で画像を切り替えられたら便利なのに」と感じたことはありませんか?
結論から言えば、従来のExcelには「画像を直接セルに表示させる関数」は存在しません。しかし、Microsoft 365(旧Office 365)では「IMAGE関数」が登場し、これまでできなかった“関数で画像を呼び出す”操作がついに可能になりました。
この記事では、「Excelで画像を自動表示・挿入する方法」について、関数・名前の定義・スピル・動的リンクなどを活用した現実的な手段を詳しく解説します。関数的な操作を望む初心者ユーザーに向け、マクロやVBAを使わずにできる最新の画像表示方法を紹介します。
目次
- ✅ Excelに画像を自動で挿入する「関数」はあるのか?
- ✅ IMAGE関数とは?|Microsoft 365限定の最新関数
- ・IMAGE関数の構文
- ・引数の意味
- ✅ IMAGE関数の活用例|画像をVLOOKUPで切り替えるような操作も可能に
- ✅ IMAGE関数を使えない場合の代替手段(関数的に画像を扱いたい方へ)
- ・名前の定義を使って画像を動的に切り替える方法
- ・画像を別セルにリンクして表示する方法
- ■よくある質問とトラブル対処
- Q. IMAGE関数が使えないのですが?
- Q. ローカルの画像(PC内の画像)をIMAGE関数で表示できますか?
- Q. IMAGE関数で貼った画像は印刷されますか?
- ■Excelで画像を扱うおすすめ活用例
- ■まとめ|Excelで画像を関数のように扱うならIMAGE関数+XLOOKUPが最強!
- ✅ Excelで画像を自動表示したいときの選択肢まとめ
✅ Excelに画像を自動で挿入する「関数」はあるのか?
従来のExcel(Office 2016以前など)では、セル内に画像を関数で表示することはできませんでした。画像は「オブジェクト」として扱われ、=VLOOKUP()
や=IF()
のような関数では画像を直接扱えなかったためです。
しかし、2023年頃からMicrosoft 365(Excel for Microsoft 365)に搭載された**「IMAGE関数」により、画像を関数でセルに挿入することが可能**になりました。
【Excel】【トラブル解決】VLOOKUPで該当データがあるのにヒットしない原因と対処法|検索値があるのに#N/Aになるときは?
✅ IMAGE関数とは?|Microsoft 365限定の最新関数
・IMAGE関数の構文
=IMAGE(画像URL, [代替テキスト], [サイズ], [高さ], [幅])
・引数の意味
引数 | 内容 |
---|---|
画像URL | 表示したい画像のWeb上のURL |
代替テキスト | 画像が表示されない場合のテキスト(省略可) |
サイズ(省略可) | 0〜3の数字(画像サイズの調整方式) |
高さ・幅 | ピクセル単位でのサイズ指定(サイズが0のときのみ有効) |
使用例
=IMAGE("https://example.com/images/photo1.jpg", "サンプル画像", 1)
このように記述すれば、指定したURLの画像がセル内に表示されるようになります。画像はセルにフィットし、フィルタや並べ替えにも対応します。
✅ IMAGE関数の活用例|画像をVLOOKUPで切り替えるような操作も可能に
以下のような使い方をすれば、まるで「画像をVLOOKUPで切り替える関数」のような感覚で運用できます。写真を貼り付けて自動でサイズを調整する方法|初心者向けにわかりやすく解説!
例:商品コードに応じて画像を表示
A列(商品コード) | B列(画像URL) | C列(表示用セル) |
---|---|---|
A001 | https://example.com/images/a001.jpg | =IMAGE(VLOOKUP("A001",A2:B100,2,FALSE)) |
このように、VLOOKUPやXLOOKUPで画像のURLを取得し、IMAGE関数に渡すことで関数ベースで画像が切り替わる動的表示が可能になります。
✅ IMAGE関数を使えない場合の代替手段(関数的に画像を扱いたい方へ)
Excelのバージョンが古くてIMAGE関数が使えない場合でも、関数的な仕組みで画像を表示する方法はあります。以下で紹介する2つの方法が現実的です。【Excel】写真を貼り付けたらサイズが大きすぎる!原因と対処法を初心者向けに解説
・名前の定義を使って画像を動的に切り替える方法
- Excelシートに複数の画像を挿入して、それぞれに「名前」を付けておく
- 名前の定義(数式タブ→名前の管理)で、INDIRECT関数を使って画像を呼び出す名前を動的に指定
- セルに連動して画像が切り替わるようにする
※この方法は少し手間がかかりますが、VBAを使わずに見た目上「関数で画像が変わる」ように見せるテクニックとして知られています。
・画像を別セルにリンクして表示する方法
画像ファイルのパスをセルに入力しておき、それに応じて画像を別のセルで表示・切り替えする手法です。具体的には、画像を挿入後にリンク機能(ハイパーリンクではない)を使って動的に切り替えるよう工夫します。
※これは「関数」ではありませんが、操作としては似ています。
■よくある質問とトラブル対処
Q. IMAGE関数が使えないのですが?
A. Microsoft 365(Excel for Microsoft 365)専用の関数です。Excel 2019やそれ以前のバージョンでは使用できません。ご利用中のExcelが365であれば、常に最新バージョンにアップデートされているかをご確認ください。
Q. ローカルの画像(PC内の画像)をIMAGE関数で表示できますか?
A. 現時点ではWeb上のURL画像のみ対応です。ローカル画像には非対応ですが、画像を自社Webサーバーにアップロードすれば対応可能です。
Q. IMAGE関数で貼った画像は印刷されますか?
A. はい、印刷も可能です。ただし、インターネット接続が必要であるため、オフライン環境では画像が表示されなくなることがあります。
■Excelで画像を扱うおすすめ活用例
以下のような資料を作成する際、IMAGE関数や名前定義による画像切り替えは大変便利です。
- 社員名簿(顔写真付きで動的に切り替え)
- 商品一覧カタログ(商品コードに応じて画像表示)
- 不動産物件一覧(住所・価格と一緒に写真を挿入)
- 手順マニュアル(作業項目に応じて作業写真を表示)
視覚的な資料を作ることで、プレゼン資料や報告書の説得力が大幅に向上します。
■まとめ|Excelで画像を関数のように扱うならIMAGE関数+XLOOKUPが最強!
これまでExcelでは画像を関数で扱うことはできませんでしたが、IMAGE関数の登場によって「関数で画像を表示する」という新しい時代が始まっています。
IMAGE関数とXLOOKUPなどの組み合わせを使えば、画像の動的な切り替えや一覧表示も簡単に実現可能です。もしまだIMAGE関数が使えない環境であれば、名前定義やリンク付き画像などのテクニックを活用することで、同様の効果を得ることもできます。
✅ Excelで画像を自動表示したいときの選択肢まとめ
方法 | 対応バージョン | 特徴 |
---|---|---|
IMAGE関数 | Microsoft 365のみ | 関数で画像を直接セルに表示 |
名前の定義+INDIRECT | 全バージョン対応 | 関数的に画像を切り替えできるが少し手間 |
画像をコピー&図の変更 | 全バージョン対応 | 操作は簡単だが自動化には不向き |