Excelを使い始めて最初に覚えるべき操作の1つが「足し算(合計)」です。売上管理、出勤日数、在庫数、点数集計など、あらゆる業務で合計を求める作業は必須といえます。
この記事では、「Excel 足し算 合計」で検索された方に向けて、基本となるSUM関数の使い方から、オートSUMの便利な使い方、範囲指定・とびとびセルの合計、実務で使える応用方法までをわかりやすく解説します。
目次
- ✅ Excelで合計を求める基本は「SUM関数」
- ・SUM関数の構文
- ・範囲を指定する場合
- ✅ オートSUM機能でワンクリック合計
- ✅ 「+」記号を使って手動で合計を求める方法
- ✅ 複数の離れたセルや範囲を合計する方法
- ✅ 行・列が追加されても合計範囲を自動更新する方法
- ・テーブル機能で範囲を自動管理する方法
- ・OFFSET関数やINDEX関数を使った動的な範囲指定する方法
- ✅ フィルター後のデータだけを合計する方法(SUBTOTAL関数)
- ■ 実務でよく使う合計のパターンと活用例
- ・ 売上の月別合計
- ・ 出勤日数カウント(1=出勤, 0=休み)
- ・ 特定項目だけの集計
- ・ 複数シートのデータを合計
- ■ 合計の際に起こりやすいエラーとその対策
- エラー①:#VALUE!
- エラー②:合計が合わない
- エラー③:行の追加に反映されない
- ■ まとめ|Excelの足し算は合計関数を使いこなせば自由自在
- ・ポイントまとめ
✅ Excelで合計を求める基本は「SUM関数」
まず、Excelで足し算の合計を求める最も基本的な方法は SUM関数
を使うことです。
・SUM関数の構文
=SUM(数値1, [数値2], …)
・範囲を指定する場合
=SUM(A1:A10)
この関数は、A1からA10までの数値をすべて合計するという意味になります。
Excelの内部では空白セルは無視され、数値だけを対象に正確な合計を計算してくれます。
【Excel】縦一列の足し算を自動化する方法|SUM関数・テーブル・行追加対応のテクニック
✅ オートSUM機能でワンクリック合計
「関数の入力が難しい」と感じる方でも安心なのが、オートSUM(∑)機能です。これはExcelに用意されているワンクリックで合計を計算するショートカット機能です。
操作手順:
- 合計を表示したいセルを選択
- Excel上部メニューの「ホーム」タブをクリック
- 右側の「オートSUM(∑)」をクリック
- 自動的に
=SUM(上の範囲)
または=SUM(左の範囲)
が挿入される - Enterキーで確定
特徴:
- 初心者でも簡単に使える
- 範囲が自動的に認識されるため、ミスが少ない
- キーボードショートカット「Alt」→「=」でも即使用可能
【Excel】掛け算とSUM関数を正しく使う方法|表計算の基本と応用をわかりやすく解説
✅ 「+」記号を使って手動で合計を求める方法
SUM関数以外にも、「+」記号を使ってセル同士を直接足し算することもできます。
例:
=A1+A2+A3
この方法でも合計は計算されますが、対象のセル数が多い場合は管理が煩雑になりやすく、範囲の追加にも対応しにくいため非推奨です。
5つ以上のセルを合計する場合は、SUM関数
を使った方が便利です。
✅ 複数の離れたセルや範囲を合計する方法
Excelでは、複数の範囲やセルを合計対象として指定することができます。その際には「,(カンマ)」を使って区切ります。
例:
=SUM(A1:A3, C1:C3)
→ A1〜A3 と C1〜C3 の両方を合計
これにより、とびとびのデータや、必要な項目だけをまとめて合計することが可能になります。
✅ 行・列が追加されても合計範囲を自動更新する方法
通常の =SUM(A2:A10)
のような固定範囲では、行や列を追加しても合計対象に含まれません。そんなときは以下の方法を使うと便利です。
・テーブル機能で範囲を自動管理する方法
- データ範囲を選択して「Ctrl + T」でテーブルに変換
- テーブルが作成されたら、「テーブルデザイン」タブで「集計行」にチェック
- 合計行に自動で
SUBTOTAL(109,…)
が入る
メリット:
- 行や列を追加しても自動で合計範囲が更新される
- データ分析やフィルター処理との相性も抜群
・OFFSET関数やINDEX関数を使った動的な範囲指定する方法
例:
=SUM(OFFSET(A2, 0, 0, COUNTA(A2:A1000)))
この関数では、A2から始まり、値が入力されている行数分を自動で合計できます。
✅ フィルター後のデータだけを合計する方法(SUBTOTAL関数)
表の中で「条件に合致するデータだけ合計したい」という場合は SUBTOTAL関数
を使います。
構文:
=SUBTOTAL(109, A2:A100)
- 「109」は「SUM関数+非表示の行を除外する」という意味
- フィルターで表示されている行だけを合計してくれる
■ 実務でよく使う合計のパターンと活用例
・ 売上の月別合計
=SUM(B2:B32)
→ 月初から月末までの売上を合計
・ 出勤日数カウント(1=出勤, 0=休み)
=SUM(C2:C31)
→ 出勤日の合計値(回数)を計算
【Excel】日数をカウントする方法【開始日と終了日の差を正確に計算】
・ 特定項目だけの集計
=SUM(B2, B5, B8)
→ 特定の品目や費用のみを対象に合計
・ 複数シートのデータを合計
=SUM(シート1!A1, シート2!A1)
→ 別シートの同じセルを対象に合計可能
■ 合計の際に起こりやすいエラーとその対策
エラー①:#VALUE!
原因: =A1+A2+文字列
など、数値以外が含まれている
対策: SUM関数を使えば文字列を自動で無視できる
エラー②:合計が合わない
原因: 表示形式の桁数が少なく、実際の値と見た目が違う
対策: ROUND関数を使って値を丸める
=ROUND(SUM(A1:A10), 2)
エラー③:行の追加に反映されない
原因: SUM関数の範囲が固定されている
対策: テーブル機能やOFFSET関数で自動範囲に変更
■ まとめ|Excelの足し算は合計関数を使いこなせば自由自在
Excelでの足し算(合計)は、SUM関数を中心に使いこなすことで、手動の計算ミスや範囲漏れを防ぎ、効率的かつ正確な集計が可能になります。
・ポイントまとめ
方法 | 特徴 | おすすめシーン |
---|---|---|
=SUM(A1:A10) | 範囲の合計 | 一列や一行の基本的な合計 |
=SUM(A1,A3,A5) | 離れたセルの合計 | 特定項目の合計 |
SUBTOTAL(109,A2:A100) | フィルター後の合計に対応 | 絞り込まれたデータの集計 |
テーブル+集計行 | 行追加でも自動で範囲を調整 | 継続的に更新されるデータベース表など |
OFFSET +COUNTA | 動的な範囲指定が可能 | 入力行数が日々変わる表に対応したいとき |
Excelでの合計計算は、ただの基本機能ではなく、実務におけるデータ処理の中心的な存在です。
ぜひこの記事で紹介した方法を活用し、業務効率やデータ精度の向上につなげてください。