Excelでデータを扱っていると、「必要なセルだけを選んで合計したい」というシーンは多くあります。たとえば…
- A1、A5、A10などとびとびのセルだけ合計したい
- フィルターで表示されている選択セルの合計を確認したい
- 複数の任意のセルを選択して合計を関数で出したい
この記事では、「Excel 選択したセルの合計 関数」と検索された方に向けて、SUM関数・SUBTOTAL関数・マウス選択の合計表示・VBAによる高度な合計処理までをわかりやすく解説します。
目次
- ✅ Excelで「選択したセルの合計」を求める基本はSUM関数
- ・基本構文
- ✅ マウス操作でも簡単!Ctrlキーを使ったセル選択
- ✅ SUBTOTAL関数で「表示されているセルだけ」を合計
- ・構文
- ✅ セル選択で「一時的な合計」を確認する方法(関数不要)
- ✅ 選択セルが多い場合は「名前定義」で管理もできる
- ✅ VBAを使って「選択中のセル」を自動合計する関数を作る
- ■ 実務でよく使う選択セルの合計パターン
- ・請求書で一部の項目だけ合計したい
- ・アンケートの特定回答のみ集計したい
- ・フィルターで絞った行だけ合計したい
- ■ よくあるミスと対処法
- ミス①:+記号で足した際にエラーが出る
- ミス②:見た目と合計が合わない
- ミス③:範囲に空白セルやエラーが混ざっている
- ■ まとめ|選択したセルだけの合計は関数と操作の使い分けがカギ
- ・ポイントまとめ
✅ Excelで「選択したセルの合計」を求める基本はSUM関数
複数のセルを合計したい場合に最もよく使われるのが SUM関数
です。
・基本構文
=SUM(セル1, セル2, ...)
例:
=SUM(A1, A3, A5)
このようにカンマ「,」でセルを区切れば、とびとびのセルの合計も簡単に求められます。
ポイント:
- 空白セルは自動で無視される
- セル内に数値がない場合(文字列など)も無視される
【Excel】足し算の合計を求める方法|SUM関数・オートSUM・手動入力も解説
✅ マウス操作でも簡単!Ctrlキーを使ったセル選択
キーボードを使わずにマウス操作だけで関数を作成することもできます。
操作手順:
- 合計を表示させたいセルで
=SUM(
と入力 - Ctrlキーを押しながら、合計したいセルをマウスで次々クリック
- 最後にカッコを閉じてEnterで確定
実行結果の例:
=SUM(A1, A3, A5)
この方法は視覚的にも分かりやすく、ミスを防ぐのに役立ちます。
✅ SUBTOTAL関数で「表示されているセルだけ」を合計
選択したセルの中でも、フィルターで表示されているものだけを合計したいときは SUBTOTAL関数
が活躍します。
・構文
=SUBTOTAL(109, A2:A100)
ポイント:
- 109は「SUM」+「非表示行を除外」のコード
- フィルターで絞り込みされた状態でも、表示されているセルのみが合計対象
【Excel】自動計算による足し算を行う方法|SUM関数・オートSUM・テーブルの活用まで解説
✅ セル選択で「一時的な合計」を確認する方法(関数不要)
実は、Excelでは関数を使わなくても、セルを選ぶだけで合計値を確認する機能が備わっています。
方法:
- 合計したいセルを Ctrlキーで複数選択
- Excel画面右下のステータスバーに合計が自動表示される
表示される内容:
- 合計(Sum)
- 平均(Average)
- 件数(Count)
補足:
ステータスバーを右クリックすると、表示内容をカスタマイズできます。平均・最大・最小なども同時に確認可能。
✅ 選択セルが多い場合は「名前定義」で管理もできる
たくさんのセルを合計したい場合、SUM(A1, A3, A5, A7, A10, A12...)
のように書くのは面倒です。
そんなときは**「名前の定義」機能を使って選択セルをまとめる**と便利です。
操作手順:
- Ctrlキーで合計したいセルを複数選択
- 数式タブ →「名前の定義」→ 名前を「集計対象」などと入力
- セルで以下のように関数を入力
=SUM(集計対象)
メリット:
- 式がシンプルになる
- セル範囲の変更も名前の編集だけで済む
【VBA】オートフィルターに複数条件を設定する方法|業務効率を劇的に上げるフィルター自動化
✅ VBAを使って「選択中のセル」を自動合計する関数を作る
関数では「選択中のセル」そのものを動的に合計することはできません。
これを実現したい場合は、VBA(マクロ)を使う必要があります。
サンプルコード:
Function SumSelectedCells() As Double
Dim cell As Range
For Each cell In Selection
If IsNumeric(cell.Value) Then
SumSelectedCells = SumSelectedCells + cell.Value
End If
Next cell
End Function
使用方法:
- Alt + F11 でVBAエディタを開く
- 挿入 → モジュールを追加し、上記コードを貼り付け
- Excelに戻り、関数欄に
=SumSelectedCells()
を入力
注意点:
- セルを選択してから関数を入力する必要あり
- 再計算は手動(F9)で行う必要がある場合もあります
■ 実務でよく使う選択セルの合計パターン
・請求書で一部の項目だけ合計したい
=SUM(B5, B7, B9)
→ 食費・交通費など、必要な費目だけを選んで合計可能
・アンケートの特定回答のみ集計したい
=SUM(C2, C5, C8, C11)
→ 選択肢別にセルをピックアップして合計
【VBA】フィルターをかける方法を徹底解説|実務で使える自動化テクニックとトラブル防止策
・フィルターで絞った行だけ合計したい
=SUBTOTAL(109, D2:D100)
→ 表示されている行のみ自動集計
【Excel】足し算の範囲を指定して合計する方法|SUM関数・応用例・注意点まで徹底解説
■ よくあるミスと対処法
ミス①:+記号で足した際にエラーが出る
=A1+A3+文字列
→ 文字列があると #VALUE! エラーになる
対策: SUM関数を使えば、文字列や空白は自動で無視される
=SUM(A1, A3, A5)
ミス②:見た目と合計が合わない
→ 表示上は「100」でも、実際の数値が「99.95」など四捨五入されている可能性あり
対策: ROUND関数で明示的に丸める
=ROUND(SUM(A1, A3, A5), 0)
ミス③:範囲に空白セルやエラーが混ざっている
→ SUM関数なら無視して処理されるが、「+」記号ではエラーになることも
対策: 必ず SUM
を使い、範囲選択はマウス+Ctrlで正確に
■ まとめ|選択したセルだけの合計は関数と操作の使い分けがカギ
Excelで「選択したセルの合計」を出したいときには、目的に応じて関数・操作・VBAを使い分けることが重要です。
・ポイントまとめ
方法 | 特徴 | おすすめ用途 |
---|---|---|
=SUM(A1,A3,A5) | 離れたセルを直接合計 | とびとびの合計をしたいとき |
Ctrl + クリック + ステータスバー | 関数不要・すぐ結果が確認できる | 一時的な合計を知りたいとき |
=SUBTOTAL(109,A2:A100) | 表示行のみ合計 | フィルター後のデータ集計 |
名前定義でセル管理 | 式がすっきり・再利用しやすい | 管理用のテンプレートに便利 |
VBA SumSelectedCells() | 動的に選択セルの合計 | 高度な自動化や繰り返し処理に最適 |
選択したセルだけを合計したいシーンは、Excel業務の中で頻繁に登場します。
この記事を参考に、目的に合わせた合計方法を使い分けて、より効率的に正確な集計を実現しましょう。