Excelで売上データや出席記録などを扱っていると、「特定の条件に合ったデータだけを数えたい」「条件に合致した金額だけを合計したい」といったニーズが頻繁に発生します。
そんなときに非常に便利なのが、「COUNTIF関数」と「SUMIF関数」です。これらは指定した条件に一致するデータだけをカウントしたり、合計したりできる関数で、業務での集計作業を劇的に効率化してくれます。
この記事では、Excel初心者の方にもわかりやすく、COUNTIF関数/SUMIF関数の基本的な使い方から、複数条件への対応方法、注意点、応用テクニックまでを詳しく解説します。検索ニーズの高いキーワードも意識しながら、実務に直結する集計スキルを身につけましょう。
目次
✅ COUNTIF関数とは?
COUNTIF関数は、指定した範囲内で「ある条件を満たすセルの数」をカウントする関数です。
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・COUNTIFの基本構文:使用例
=COUNTIF(範囲, 条件)
- 範囲:条件を適用するセルの範囲
- 条件:数える対象となる条件(例:"=A"、">=80"など)
使用例1:出席者数を数える
=COUNTIF(B2:B20, "出席")
この式では、B2:B20の中で「出席」と入力されているセルの数を数えます。
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使用例2:80点以上の人数をカウント
=COUNTIF(C2:C100, ">=80")
テストの点数が80点以上の人数を数える例です。
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✅ SUMIF関数とは?
SUMIF関数は、条件に一致するセルに対応する値を合計する関数です。COUNTIFが「数を数える」のに対し、SUMIFは「金額や数量などを合計する」場面で使います。
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・SUMIFの基本構文:使用例
=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)
- 範囲:条件をチェックするセルの範囲
- 条件:合計対象となる条件(例:"男性"、">10000"など)
- 合計範囲:実際に加算する値が入っているセル範囲
使用例1:A列に「男性」とある人の売上合計を求める
=SUMIF(A2:A100, "男性", C2:C100)
A列に「男性」と書かれている行のC列の売上を合計します。
使用例2:商品名が「りんご」の売上合計を求める
=SUMIF(B2:B100, "りんご", D2:D100)
✅ COUNTIF/SUMIF関数の応用テクニック
・ セル参照を条件に使う
固定値ではなく、セルの値を条件に使うことができます。
=COUNTIF(A2:A100, E1)
この式では、E1セルに入力されている値を条件にします。
・ 不等号を組み合わせる(文字列結合)
条件に不等号(>=、<=、<>など)を使う場合は、文字列として組み合わせます。
=COUNTIF(A2:A100, ">=" & E1)
E1に入っている数値以上の件数を数える場合に使います。
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✅ 複数条件に対応したいときは?
COUNTIFやSUMIFは、基本的に「1つの条件」にしか対応していません。複数条件を扱いたい場合は、それぞれ専用の関数を使います。【Excel】IF関数でセルに色を付けるには?条件付き書式と組み合わせた見やすい表の作り方
・COUNTIFS関数:使用例
=COUNTIFS(範囲1, 条件1, 範囲2, 条件2, ...)
複数の条件をすべて満たすデータ数をカウントします。
使用例:B列が「出席」、かつC列が「男性」の人数を数える
=COUNTIFS(B2:B100, "出席", C2:C100, "男性")
・SUMIFS関数:使用例
=SUMIFS(合計範囲, 範囲1, 条件1, 範囲2, 条件2, ...)
複数条件に一致するデータの合計値を求めたいときに使います。
使用例:担当者が「佐藤」、商品が「みかん」の売上合計
=SUMIFS(D2:D100, A2:A100, "佐藤", B2:B100, "みかん")
■ COUNTIF/SUMIF関数の注意点
1. 条件に空白を使うときは "" で囲む
空白を条件にする場合は、""(ダブルクォーテーション)で囲みましょう。
=COUNTIF(A2:A100, "") → 空白セルの数をカウント
2. ワイルドカードを使う
- *(アスタリスク):任意の文字列に一致
- ?(クエスチョン):任意の1文字に一致
=COUNTIF(A2:A100, "A*") → 「A」で始まる文字列をカウント
3. データの整合性に注意
全角スペースや文字列の不一致により、正しくカウント・合計できないことがあります。TRIM
関数やCLEAN
関数で事前処理を行うと正確性が向上します。
■よく使われる実務例まとめ
シーン | 使用関数 | 数式例 |
---|---|---|
出席者数の集計 | COUNTIF | "=COUNTIF(B2:B100, "出席")" |
売上の条件付き合計 | SUMIF | "=SUMIF(A2:A100, "りんご", C2:C100)" |
部門ごとの出勤者数 | COUNTIFS | "=COUNTIFS(B2:B100, "出勤", C2:C100, "営業")" |
担当者別の売上合計 | SUMIFS | "=SUMIFS(D2:D100, A2:A100, "佐藤", B2:B100, "電子部品")" |
■ まとめ:条件付き集計はCOUNTIF/SUMIF関数で効率化しよう
ExcelのCOUNTIF関数とSUMIF関数は、「条件に一致するデータだけを集計したい」という場面に最適な関数です。基本構文を覚えてしまえば、さまざまな業務に応用でき、確認作業や報告資料の作成も大幅に効率化されます。
さらにCOUNTIFS/SUMIFSを使えば、複数条件での集計も可能となり、より複雑な分析にも対応できます。
正しい構文と活用方法を身につけて、日々のExcel作業をもっとスマートに進めましょう!