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【Excel】IF関数と数式の組み合わせで動的な書式管理を実現する方法|Excel条件付き書式の実践活用術

Excelでデータを扱う際、「一定の条件を満たすセルの背景色を変えたい」「数値の大小によって書式を自動で切り替えたい」といったニーズはよくあります。これらを手動で設定するのは手間がかかりますが、IF関数と数式を条件付き書式に応用することで、動的かつ自動的な書式管理が可能になります

特に、IF関数を数式として活用すれば、複雑な条件判断や複数セルの値を参照した書式変更も自在に制御可能です。この記事では、IF関数とExcelの数式を使った条件付き書式による動的な書式設定方法を、実務的な活用例や注意点を含めて詳しく解説します。

✅ IF関数を条件付き書式に使う目的と効果

条件付き書式とは、特定の条件に一致するセルの書式(フォント、色、塗りつぶしなど)を自動で変更するExcelの機能です。

この機能をIF関数や数式と組み合わせることで、次のような効果が得られます。

  • 条件に合致したデータを瞬時に視覚化
  • 入力ミス・未入力の検知を色で可視化
  • 実績値や評価など、業務判断に必要なセルを目立たせる
  • 書式変更の自動化で作業ミスを防ぐ

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✅ 条件付き書式に数式を使う設定方法

  1. 書式を設定したいセル範囲を選択
  2. 「ホーム」タブ →「条件付き書式」→「新しいルール」
  3. 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
  4. 数式欄に =IF(...) または =論理式 を入力
  5. 書式を設定(塗りつぶし、フォント色など)して完了

注意点:=IF(...)よりも論理式が推奨される

条件付き書式で使う数式は、TRUE/FALSEを返す論理式が基本です。
たとえば、

=IF(A1>=80, TRUE, FALSE)

は、

=A1>=80

と同じ意味なので、よりシンプルな後者の書き方が推奨されます。

【Excel】IF関数を使った条件付き書式で見やすいExcel表を作る方法|色分けで視覚的に業務効率UP!

✅ 実務で使えるIF関数+数式の条件付き書式の活用例

・ テストの点数に応じてセルの色を変える方法

| A列:氏名 | B列:点数 |

=B2>=80
  • 範囲:B2:B100
  • 条件:80点以上ならセルを緑に塗りつぶす
  • 目的:合格者を一目で把握できる

・ 隣の列の値に応じて色を変える方法(相対参照)

| A列:商品名 | B列:在庫数 |

=$B2<10
  • 範囲:A2:A100
  • B列の在庫数が10未満なら、A列の背景色を赤に
  • 別列の値を条件にできるのがIF+数式のメリット

・ 空白セルを強調表示する方法(未入力のチェック)

=TRIM(A2)=""
  • TRIM関数で全角・半角スペースを除去して実質的な空白を検出
  • 空白セルの背景を黄色に設定すれば、入力漏れが一目瞭然

・ 過去日付の場合だけ文字色をグレーにする方法

=A2<TODAY()
  • A列に日付があり、過去日付であれば文字色を薄く
  • スケジュール管理や期限切れタスクの視認性向上に有効

・ 異なる値が入力された行を強調する方法(比較)

| A列:予定値 | B列:実績値 |

=A2<>B2
  • 範囲:A2:B100(行単位で設定)
  • 予定と実績が違うセルを赤く塗りつぶすことで差異を目立たせる

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IF関数×条件付き書式の応用テクニック

・ 複数条件をAND/ORで制御

=AND(A2>=60, B2="完了")

→ A2の数値が60以上、かつB2が「完了」のときに書式適用
業務成績と作業ステータスを組み合わせた条件判定が可能


・ WEEKDAY関数と併用して土日を色付け

=OR(WEEKDAY(A2, 2)=6, WEEKDAY(A2, 2)=7)
  • 曜日が土日(6=土、7=日)の場合に行をグレーに塗りつぶし
  • シフト表やカレンダー作成に活用可能

・ セルの内容に特定文字列が含まれていれば色付け

=ISNUMBER(SEARCH("エラー", A2))
  • A2の中に「エラー」という文字列が含まれていれば色を変える
  • ログや報告書など、キーワードで視覚的に異常を強調

■ よくあるエラーと対策

症状原因対策
書式が全セルに適用される絶対参照($)の使い方が誤っている$A2など、参照を意図通りに調整
書式が意図通りにならない数式がTRUE/FALSEになっていない=A2>=80など論理式を使用
書式が一部しか反映されない条件が厳しすぎる、または誤っている一度フィルタなどで条件確認する

■ 動的書式管理が活躍するシーンまとめ

活用シーン管理目的
入力フォーム空欄・誤入力を即座に把握
タスク管理ステータスに応じて色分け
販売管理売上が基準に満たない商品を目立たせる
予実管理差異のあるデータを自動で抽出表示
スケジュール過去・未来・当日などで日付の色分け

■まとめ:IF関数と数式を組み合わせた条件付き書式で“見える化”を実現しよう

IF関数や論理式を条件付き書式に応用することで、**Excelデータの状態を視覚的に表現できる「動的な書式管理」**が可能になります。

ポイントは以下の通り:

  • IF関数でTRUE/FALSEを返すように設計する
  • 他セルや複数条件を参照することで柔軟な書式制御が可能
  • 絶対参照($)と相対参照を使い分けて意図通りに設定
  • AND/OR、SEARCH、TODAYなどの関数との組み合わせも強力

手作業による色付けはミスや工数の元になりますが、条件付き書式に数式を活用すれば、自動化された正確な“見える化”が実現できます。
日々の業務効率化と視認性向上のために、ぜひ導入してみてください。

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