Excelの関数の中でも、XLOOKUP(エックスルックアップ)関数は、近年登場した便利な検索関数として注目されています。
従来のVLOOKUP関数やINDEX+MATCHの弱点を補い、検索の柔軟性が大幅に向上したXLOOKUPですが、すべてのExcelバージョンで使えるわけではない点に注意が必要です。
「XLOOKUPって使ってみたいけど、自分のExcelで使えるの?」「関数を入力したのに#NAME?と表示される…」などの疑問やトラブルに対して、この記事ではXLOOKUP関数の対応バージョンと、非対応時の対処法、代替案までを徹底解説します。
目次
- ✅ XLOOKUP関数とは?概要を簡単におさらい
- ・ 基本構文
- ・ 主な特徴
- ✅ XLOOKUP関数が使えるExcelのバージョン一覧(対応表)
- ✅ 使えない理由:なぜExcel 2019や2016ではXLOOKUPが使えないのか?
- ・ 理由1:XLOOKUPは新関数として2020年以降に登場
- ・ 理由2:買い切り型(永続版)は機能追加がされない
- ✅ 自分のExcelがXLOOKUPに対応しているか確認する方法
- ・ 「=XLOOKUP(」と入力してみる方法
- ・バージョン情報を確認する手順方法
- ✅ XLOOKUPが使えない場合のエラーと原因
- ✅ XLOOKUPが使えないときの代替方法
- ・ 代替案①:VLOOKUP関数(基本検索)
- ・ 代替案②:INDEX+MATCH関数(柔軟性あり)
- ・ 代替案③:FILTER関数(複数一致に対応)※365限定
- ■ Excel 365へ移行するメリットとは?
- ■ XLOOKUPでできるようになること(従来関数との違い)
- ■まとめ:XLOOKUP関数はExcelの新常識、バージョン確認と対応を早めに!
- ✅ 確認すべきポイントまとめ
✅ XLOOKUP関数とは?概要を簡単におさらい
XLOOKUP関数は、MicrosoftがVLOOKUP関数の上位互換としてリリースした新しい検索関数です。
複雑な数式や左方向への検索など、従来のVLOOKUPでは不可能だった処理も、XLOOKUPならシンプルに実現できます。
・ 基本構文
=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 戻り値範囲, [見つからないときの値], [一致モード], [検索モード])
・ 主な特徴
- 左方向の検索が可能
- 列番号の指定が不要
- 完全一致がデフォルト設定
- 見つからなかったときの代替値を簡単に指定可能
- エラー回避機能が組み込まれている
【Excel】【初心者向け】VLOOKUP関数の使い方をやさしく解説|Excelの検索・参照を自動化しよう!
✅ XLOOKUP関数が使えるExcelのバージョン一覧(対応表)
以下が、XLOOKUP関数に対応しているバージョン・非対応のバージョンの一覧です。
Excelのバージョン | XLOOKUP対応状況 |
---|---|
Microsoft 365(旧Office 365) | ✅ 対応(常に最新) |
Excel 2021 | ✅ 対応(永久ライセンス版) |
Excel for Web(ブラウザ版) | ✅ 対応 |
Excel 2019 | ❌ 非対応 |
Excel 2016 | ❌ 非対応 |
Excel 2013 / 2010 / 2007 | ❌ 非対応 |
Excel for Mac(2019以前) | ❌ 非対応 |
Excel for Mac(365 / 2021) | ✅ 対応 |
✅ 使えない理由:なぜExcel 2019や2016ではXLOOKUPが使えないのか?
【Excel】【トラブル解決】XLOOKUPで見つからない・#N/Aになる原因と対処法|検索失敗時の設定と実務活用のコツ
・ 理由1:XLOOKUPは新関数として2020年以降に登場
XLOOKUP関数は、2020年にMicrosoft 365の更新で追加された比較的新しい関数です。
このため、それ以前にリリースされたExcel 2019や2016には搭載されていません。
・ 理由2:買い切り型(永続版)は機能追加がされない
Excel 2019や2016などの**永続ライセンス(買い切り型)**は、購入時点の機能で固定され、新機能が後から追加されることは基本的にありません。
一方、**Microsoft 365(サブスクリプション型)**では、常に最新の関数や機能が自動的にアップデートされます。
✅ 自分のExcelがXLOOKUPに対応しているか確認する方法
【Excel】【トラブル解決】VLOOKUPで該当データがあるのにヒットしない原因と対処法|検索値があるのに#N/Aになるときは?
・ 「=XLOOKUP(」と入力してみる方法
セルに「=XLOOKUP(
」と入力したとき、関数の候補や引数のヘルプが表示される場合は対応済みです。
表示されない、または #NAME?
エラーが出る場合は非対応の可能性が高いです。
・バージョン情報を確認する手順方法
- Excelを開く
- 「ファイル」→「アカウント」→「Excelのバージョン情報」をクリック
- 表示された画面に以下のような記載があるか確認:
- 「Microsoft 365」または「Office 2021」→ 対応OK
- 「Office 2019」「Office 2016」など → 非対応
✅ XLOOKUPが使えない場合のエラーと原因
エラー | 原因 | 解決策 |
---|---|---|
#NAME? | 関数が未認識 | バージョンが非対応。Excel 365や2021へアップグレードする |
結果が空白 | 検索条件ミス | 引数の指定やセル範囲の確認を行う |
数式そのものが動かない | 関数が表示されない | 関数名のスペルやExcelの更新状況を確認 |
✅ XLOOKUPが使えないときの代替方法
【Excel】特定の文字列を条件にするVLOOKUPの使い方とは?IFやCOUNTIFと組み合わせて柔軟なデータ取得を実現する方法
・ 代替案①:VLOOKUP関数(基本検索)
=VLOOKUP(A2, 商品マスタ!A2:C100, 3, FALSE)
- 左方向検索は不可
- 列番号の指定が必要
- 完全一致を指定する必要あり(FALSE)
・ 代替案②:INDEX+MATCH関数(柔軟性あり)
=INDEX(C2:C100, MATCH(A2, A2:A100, 0))
- 左方向検索が可能
- 列番号を指定する必要がなく、見やすい構造
・ 代替案③:FILTER関数(複数一致に対応)※365限定
=FILTER(商品マスタ!B2:B100, 商品マスタ!A2:A100=A2, "該当なし")
- 複数条件にも対応できる
- 配列形式で複数件を一括取得可能
■ Excel 365へ移行するメリットとは?
XLOOKUPをはじめとする最新関数を使いたいなら、Microsoft 365への移行が最も確実な方法です。
・ 365の主なメリット
- 常に最新のExcel関数が使える(XLOOKUP、FILTER、SORTなど)
- OneDriveによるクラウド保存&共同編集
- Word・PowerPointなども含まれる
- 年額契約・月額契約が選べる柔軟なライセンス形態
■ XLOOKUPでできるようになること(従来関数との違い)
機能 | VLOOKUP | XLOOKUP |
---|---|---|
左方向検索 | ❌ | ✅ |
列番号の必要性 | ✅ 必須 | ❌ 不要(範囲で指定) |
エラー処理 | IFERRORなど併用 | ✅ 組み込み済み |
デフォルト検索方法 | 近似一致(TRUE) | 完全一致(FALSE) |
■まとめ:XLOOKUP関数はExcelの新常識、バージョン確認と対応を早めに!
XLOOKUPは、従来のVLOOKUPを大きく進化させた**“次世代の検索関数”**です。しかし、使えるのは「Microsoft 365」または「Excel 2021」以降のバージョンに限られています。
以下のポイントを押さえて、正しく使いましょう。
✅ 確認すべきポイントまとめ
- Excelのバージョンをチェック(365 or 2021ならOK)
=XLOOKUP(
と入力して関数が補完されるか試す- 使えない場合は INDEX+MATCH や VLOOKUP を活用する
- 長期的には Microsoft 365 への移行がおすすめ
今後、Excel関数の主流は「XLOOKUP」「FILTER」「SORT」「UNIQUE」などの新関数群に移行しています。
バージョンを確認し、自分の環境に合わせた正しい使い方を身につけましょう。