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【Excel】文字列を一気に置き換える方法|複数セル・複数語句を一括置換するテクニック

Excelで大量のデータを扱っていると、「ある文字列を一括で置き換えたい」「複数のセルや語句を一気に変更したい」という場面は日常的に発生します。手作業で1つずつ置き換えていては時間も労力もかかり、ミスの原因にもなります。

この記事では、「Excel 置き換え 一気に」と検索された方に向けて、「検索と置換」機能の基本から、関数による自動化、複数語句の同時置換、VBAでの一括処理までを分かりやすく解説します。

 

✅ 一番手軽なのは「検索と置換」機能で一気に置き換える方法

複数のセルやシートにわたって、同じ語句や文字列を一括で置き換えたいときに最も手軽なのが、Excelに標準で備わっている「検索と置換」機能です。

この機能は、入力されている文字列を条件に応じてまとめて変更できるため、データ修正や表記ゆれの統一にとても便利です。特に「全角→半角変換」「旧社名→新社名」など、広範囲にまたがる修正作業では大活躍します。

・ 基本的な操作手順(数秒で一括変換)

  1. 「Ctrl + H」を押して、「検索と置換」ダイアログを開く
    ショートカットキー「Ctrl + H」は、作業効率アップにもつながるので覚えておくと便利です。
  2. 「検索する文字列」欄に、変更したい語句や文字列を入力
    たとえば「株式会社」や「旧商品名」など、修正対象の語句を正確に入力します。
  3. 「置換後の文字列」欄に、新しい語句を入力
    変更後の語句(例:「(株)」や「新商品名」など)をここに指定します。
  4. 「すべて置換」ボタンをクリック
    クリックした瞬間、指定した範囲にあるすべての該当語句が一括で新しい語句に置き換えられます。

【Excel】文字を置き換える関数まとめ|SUBSTITUTE・REPLACE・応用例と注意点

・ 使用例:ビジネス現場での置換活用

修正前修正後用途例
株式会社○○(株)○○社名表記を短縮して見た目を揃える
旧商品名A新商品名B商品入れ替え後の在庫表修正
全角スペース半角スペース文字列の整形やCSV対応用に変換
未入力空白 or 「-」欠損値の見やすい統一

このように、「検索と置換」はデータクリーニングやレポート整形にも広く応用できる非常に便利な機能です。


・ 置換の対象範囲を切り替える方法

置換対象となる範囲は、シート単位だけでなく、ブック全体に広げることも可能です。

  1. 「検索と置換」ダイアログ内の 「オプション」ボタン をクリック
  2. 「検索場所」欄で「シート」か「ブック」を選択

✅「ブック」を選べば、開いているすべてのシートを対象に一括置換できます。複数シートにまたがる修正作業もこれで効率的に進められます。


・ 補足:部分一致・完全一致の使い分けも可能

「検索と置換」には、検索条件の詳細設定も備わっています。

  • 「セル内容が完全に一致する場合のみ検索」 にチェックを入れると、完全一致でのみ置換
  • チェックなしの場合は、一部一致でも対象になる

たとえば、「東京支店」と「東京営業所」が混在している中で「東京支店」のみ置換したいときは、「完全一致」を使うことで誤置換を防げます。


✅ 複数語句を一気に置き換えたいときは関数またはVBAが必要

「AをBに、CをDに」というように複数種類の語句を一括で置き換えたい場合、検索と置換機能では1回ずつしか対応できません。
そのようなときは、関数またはVBAでの処理が有効です。


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✅ SUBSTITUTE関数で複数の置き換えを連続処理

SUBSTITUTE関数は1回の使用で1種類の語句しか置き換えられませんが、ネスト(入れ子)にすることで複数語句を一括置換することが可能です。

・A1セル内の「株式会社」を「(株)」、「有限会社」を「(有)」に置き換える

=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1, "株式会社", "(株)"), "有限会社", "(有)")

特徴:

  • 3重、4重にネストすれば複数語句の同時置換が可能
  • セル内の一括変換に便利だが、ネストが多すぎると見にくくなる

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✅ REPLACE関数で指定位置の文字を一括置換する

REPLACE関数は、文字列の位置と文字数を指定して差し替える関数です。

・REPLACEの構文

=REPLACE(文字列, 開始位置, 文字数, 新しい文字列)

例:社員コード「AB12345」の「123」を「999」に置き換え

=REPLACE(A1, 3, 3, "999")

特徴:

  • データが固定構造の場合に便利(例:コード、日付、番号など)
  • 「位置」ベースで処理するため、文字列が可変だと不向き

■ Excel関数で一気に置き換える応用例

・空白や不要な記号を一括で削除する方法

=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1, "-", ""), " ", "")

→ ハイフンと全角スペースを削除


・商品名を複数条件で置き換える方法

=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(A1, "旧商品A", "新商品A"), "旧商品B", "新商品B")

■ VBAを使って大量データの置き換えを一気に処理

何百、何千セルもある場合は、VBA(マクロ)を使った一括置換処理が最も効率的です。

・基本の置換マクロ(アクティブシート全体)

Sub 一括置換()
    Cells.Replace What:="旧語句", Replacement:="新語句", LookAt:=xlPart
End Sub

・複数語句を一括置換するマクロ例

Sub 複数置換()
    Dim words As Variant
    Dim replacements As Variant
    Dim i As Integer

    words = Array("株式会社", "有限会社", "株式会社ABC")
    replacements = Array("(株)", "(有)", "(株)ABC")

    For i = 0 To UBound(words)
        Cells.Replace What:=words(i), Replacement:=replacements(i), LookAt:=xlPart
    Next i
End Sub

特徴:

  • 大量の語句を一度に処理可能
  • 複数シートやブック全体に応用可能(処理範囲を拡張すれば対応)

■ よくある置き換え時の注意点と対処法

トラブル①:置き換え対象が部分一致で意図しない変更に

例:「商品1」と「商品10」が両方置き換わる
対策:「完全一致(LookAt:=xlWhole)」に設定するか、IF条件と組み合わせて制御


トラブル②:全角・半角の違いで置き換えできない

対策: LEN関数CODE関数 で事前に確認し、統一する


トラブル③:文字数制限で関数が複雑になりすぎる

対策: VBAに切り替える、または「Power Query」を使うのも有効


■ Power Queryを使って置き換えを効率化(中級者向け)

Excel 2016以降では、Power Queryという機能を使って、テーブルデータに対して置換ルールを複数同時に設定することも可能です。

操作概要:

  1. データタブ →「テーブルまたは範囲から」
  2. Power Queryエディタが開く
  3. 右クリック →「値の置換」
  4. 何個でも置換ルールを追加可能
  5. 完了後「閉じて読み込む」でExcelに反映

特徴:

  • 複数語句の置き換えを視覚的に管理できる
  • 処理履歴が残るため、再利用性が高い

■ まとめ|Excelでの文字置き換えを一気に処理するテクニックを使い分けよう

Excelでの一括置換は、「どの範囲を」「どのように」置き換えるかによって最適な手法が異なります。
大量データの処理や複雑な置き換えルールを実現したいなら、関数・VBA・Power Queryを適切に使い分けることが重要です。

・方法別の使いどころまとめ

方法特徴向いている用途
検索と置換(Ctrl+H)手軽・高速・初心者向け単語単位の一括置換
SUBSTITUTE関数セル内の文字列処理に最適表記統一・記号削除など
REPLACE関数固定位置の置換に強いコードや日付の部分変更
VBA(マクロ)複数語句・複数範囲を自動処理定期処理・大量データへの対応
Power Query複数条件の管理が視覚的・履歴も保存可能中〜上級者向けの変換フロー設計

この記事を参考に、あなたの業務に最適な「一括置換」の方法を見つけて、作業効率と正確性を格段に向上させてください。

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