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【Excel】置換でワイルドカードを使いこなす方法|「*」「?」で柔軟な文字列操作を実現

Excelを使っていて、「特定の文字を含むセルを一括置換したい」「文字列の一部が異なるデータをまとめて修正したい」と感じたことはありませんか?

そのような場面で非常に便利なのが、Excelの置換機能における「ワイルドカード」の活用です。
ワイルドカードとは、文字列中の任意の文字や任意の長さの文字列を表現できる特殊な記号で、検索や置換の柔軟性を大きく向上させます。

この記事では、Excelの置換で使えるワイルドカードの種類と実践的な使い方、よくあるエラーと対処法までを網羅的に解説します。

✅ ワイルドカードとは?Excelにおける2つの基本記号

Excelの検索・置換機能では、主に以下の2種類のワイルドカードが使えます。

ワイルドカード意味
*(アスタリスク)任意の長さの文字列A*B → 「AとBで囲まれた任意の文字列」
?(クエスチョン)任意の1文字のみA?B → 「AとBの間に1文字ある文字列」

これらを使うことで、パターンマッチングによる柔軟な置換が可能になります。


✅ ワイルドカードを使った置換の基本手順

Excelのワイルドカードは、「検索と置換」ダイアログ(Ctrl + H)から簡単に使えます。

・操作方法

  1. Ctrl + H を押して「検索と置換」ダイアログを開く
  2. 「検索する文字列」にワイルドカードを含めた検索語句を入力
  3. 「置換後の文字列」に変換したい文字列を入力
  4. 「すべて置換」をクリック

✅ これだけで、部分一致やパターン一致に基づいた一括置換が可能です。


【Excel】置換しつつ元の文字を残す方法|関数・置換機能・VBAまで徹底解説

✅ アスタリスク(*)の使い方:任意の文字列を対象にする

*は、0文字以上の任意の文字列を意味します。

・先頭に「ABC」が含まれる文字列の末尾を削除する方法

  • 元データ例:「ABC001」「ABC002」「ABC・備考」
  • 操作:
    • 「検索する文字列」:ABC*
    • 「置換後の文字列」:ABC

ABC001ABCABC・備考ABC

✅ 「ABC」で始まるすべての文字列を、「ABC」のみに統一することができます。


【Excel】掛け算をまとめて行う方法|一括計算テクニックと関数活用術

✅ クエスチョンマーク(?)の使い方:1文字だけ任意

?は、任意の1文字を表します。

・3文字目だけ異なる型番をまとめて置換する方法

  • 元データ例:「A1B-01」「A2B-01」「A3B-01」
  • 操作:
    • 「検索する文字列」:A?B-01
    • 「置換後の文字列」:AXB-01

→ 全てが「AXB-01」に統一されます。

✅ 一部だけ異なる規則的な文字列を置換するときに非常に便利です。


✅ ワイルドカード自体を文字として検索・置換したい場合

ワイルドカードの記号「*」や「?」そのものを検索・置換したい場合は、「~(チルダ)」を前に付けてエスケープする必要があります。

目的記述例
「*」を検索~*
「?」を検索~?
「~」を検索~~

・ファイル名「test*.xlsx」を「test_001.xlsx」に変えたい

  • 「検索する文字列」:~*
  • 「置換後の文字列」:_001

✅ ワイルドカードを使いたくないときには、この「~」のエスケープ処理を忘れずに。


✅ SUBSTITUTE関数はワイルドカード非対応に注意

SUBSTITUTEREPLACE関数を使って置換を行う場合、ワイルドカードは使えません。
完全一致で文字列を指定する必要があります。

・SUBSTITUTE関数の構文

=SUBSTITUTE(A2, "ABC", "DEF")

✅ 部分一致やパターンマッチを使いたい場合は、関数ではなく置換機能(Ctrl + H)を使いましょう。


【Excel】置換リストを使った関数置換のやり方|SUBSTITUTEやXLOOKUPで一括変換

■ FILTER・XLOOKUPなど他の関数との違い

ワイルドカードは、COUNTIFSEARCHXLOOKUPなど一部の関数ではサポートされています

関数ワイルドカード対応備考
SUBSTITUTE❌非対応完全一致のみ対応
SEARCH✅対応*?が使える
COUNTIF✅対応パターン一致集計に便利
XLOOKUP✅(オプション)match_mode2 に設定で部分一致検索可

✅ 置換に関しては Ctrl + H の機能が最も強力で、関数よりも柔軟な操作が可能です。


■ 置換でワイルドカードを使うときの注意点

注意点①:意図しないデータまで置換される可能性

たとえば「*部」を検索すると「営業部」「総務部」などすべてが対象になるため、文脈に合わない置換をしてしまうリスクがあります。

✅ 対策:

  • 実行前に「検索して次を検索」で対象を確認
  • 元データのバックアップをとっておく

注意点②:セルに数式が入っている場合は慎重に

置換操作はセル内の数式も文字列として処理されるため、意図せず関数名や参照先が変わることがあります。

✅ 対策:

  • 置換範囲を明確に選択(数式セルを除外)
  • 操作後に数式の再確認を行う

■ よくある活用例3選(実務編)

・ 商品コードのプレフィックス統一

  • 元:ITEM-001ITEM-002ITEM-003
  • 操作:「検索」→ITEM-*、「置換」→商品-

→ 結果:商品-商品-商品-


・ 括弧付きの補足情報を削除

  • 元:商品A(在庫限り)
  • 操作:「検索」→(*)、「置換」→空白

→ 結果:商品A


・ ファイル名から拡張子を削除

  • 元:report_2023.xlsx
  • 操作:「検索」→.xlsx、「置換」→空白

→ 結果:report_2023


■ まとめ:Excelの置換×ワイルドカードで文字列処理が一気に時短に

ワイルドカードを使った置換をマスターすれば、以下のような効果があります。

  • 🔄 部分一致による柔軟な置換が可能
  • ⏱ 手作業を繰り返す時間を大幅削減
  • 🛡 意図しない変換を防ぐためのエスケープも可能
ワイルドカード意味主な用途
*任意の文字列(0文字以上)特定の語句を含むすべてのパターンに対応
?任意の1文字特定の文字数のパターンを扱いたい時
~エスケープ文字*?を記号として扱いたい時

Excelに標準搭載されている検索・置換機能を使いこなすことで、関数では難しい柔軟な処理が驚くほど簡単に実現できます。
ぜひこの記事を参考に、日々の業務におけるデータ処理を効率化してみてください。

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