Excelを使っていると、「特定のキーワードを含むデータだけを抽出したい」「条件に合う行だけを別の表に取り出したい」といったニーズが必ず出てきます。通常の「Ctrl+F」で検索するだけでは一件ずつ確認するしかありませんが、Excelの関数や標準機能を使えば 検索と抽出を組み合わせた効率的な仕組み を作ることができます。
この記事では、初心者でも使えるフィルター機能、条件付き抽出が可能な関数、実務で役立つ応用事例を詳しく紹介します。
目次
- ✅ Excelで検索・抽出が必要になるシーン
- ✅ 方法1:フィルター機能で検索して抽出する
- ・オートフィルターの使い方
- ・数値フィルターで範囲抽出
- ✅ 方法2:詳細設定フィルターで高度な抽出
- ・手順
- ✅ 方法3:SEARCH関数で部分一致検索
- ・基本構文
- ・例:住所に「東京」が含まれるか確認
- ・応用
- ✅ 方法4:FILTER関数で抽出表を作る(Excel 365以降)
- ・基本構文
- ・例:売上10万円以上の行を抽出
- ・部分一致検索と組み合わせ
- ✅ 方法5:VLOOKUP関数で単一検索&抽出
- ・基本構文
- ・例:商品コードから商品名を抽出
- ✅ 方法6:INDEX+MATCH関数で柔軟に抽出
- ・構文
- ・例:商品名から価格を検索
- ✅ 実務で役立つ検索・抽出システムの応用例
- ・顧客リスト管理
- ・商品検索
- ・人事データ管理
- ・アンケート分析
- ✅ 検索・抽出を効率化するコツ
- ■ まとめ:Excelの検索+抽出を使いこなせば業務効率が大幅アップ
✅ Excelで検索・抽出が必要になるシーン
Excelの検索・抽出は、次のような場面で活用できます。
- 顧客リストから「東京」を含む住所だけを抽出したい
- 商品リストから「りんご」を含む商品名を検索したい
- 売上表から「10万円以上」のデータを別の表に抽出したい
- アンケート回答から「改善」というキーワードを含む意見を集めたい
こうした作業を手動で行うのは非効率ですが、Excelの関数やフィルターを使えば数秒で実現できます。
参考:【Excel】重複を1つだけ表示する方法|関数・フィルター・Power Queryで一意のデータを抽出
✅ 方法1:フィルター機能で検索して抽出する
・オートフィルターの使い方
- データ範囲を選択
- 「データ」タブ → 「フィルター」をクリック
- 列見出しに表示されたドロップダウンから検索条件を設定
例:「住所列」から「東京」を含むデータだけを抽出する場合は、テキストフィルター →「指定の値を含む」で「東京」と入力します。
・数値フィルターで範囲抽出
「売上が10万円以上」のような条件も可能です。
「数値フィルター」から「以上」「以下」「範囲指定」などを選択できます。
参考:【VBA】オートフィルターを解除する方法を徹底解説|トラブル防止と業務効率化
・メリット
- マウス操作だけで簡単
- 一時的な抽出に向いている
✅ 方法2:詳細設定フィルターで高度な抽出
オートフィルターよりも複雑な条件を使いたい場合は「詳細設定フィルター」が便利です。
・手順
- 検索条件を別セルに記入(例:地域=東京、売上>=100000)
- 「データ」タブ →「詳細設定」をクリック
- 条件範囲と抽出先を指定
これで複数条件を組み合わせて抽出が可能です。
・特徴
- 複数条件をAND/ORで設定可能
- 抽出結果を別シートに出力できる
✅ 方法3:SEARCH関数で部分一致検索
・基本構文
=SEARCH(検索文字列, 対象文字列)
・例:住所に「東京」が含まれるか確認
=ISNUMBER(SEARCH("東京", B2))
結果がTRUEなら「東京」を含む、FALSEなら含まない。
参考:【Excel】文字列の含有チェックと色分けを行う方法|SEARCH関数と条件付き書式で業務を見える化!
・応用
IF関数と組み合わせれば、条件に合う場合にだけ値を返す仕組みが作れます。
=IF(ISNUMBER(SEARCH("東京", B2)), B2, "")
✅ 方法4:FILTER関数で抽出表を作る(Excel 365以降)
最新のExcelならFILTER
関数で一発抽出が可能です。
・基本構文
=FILTER(配列, 条件式, [該当なしの場合])
・例:売上10万円以上の行を抽出
=FILTER(A2:C100, C2:C100>=100000, "該当なし")
・部分一致検索と組み合わせ
=FILTER(A2:C100, ISNUMBER(SEARCH("東京", B2:B100)), "該当なし")
参考:【Excel】住所から郵便番号を取得する方法(ウィザードを使わないやり方)
✅ 方法5:VLOOKUP関数で単一検索&抽出
・基本構文
=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, [検索方法])
・例:商品コードから商品名を抽出
=VLOOKUP(E2, A2:C100, 2, FALSE)
- E2 → 検索ボックス(商品コード入力セル)
- 結果 → 該当する商品名を返す
参考:【ChatGPT】VLOOKUP関数を自動生成する方法|手順・聞き方・注意点を徹底解説
✅ 方法6:INDEX+MATCH関数で柔軟に抽出
・構文
=INDEX(返したい範囲, MATCH(検索値, 検索範囲, 0))
・例:商品名から価格を検索
=INDEX(C2:C100, MATCH(E2, B2:B100, 0))
参考:【Excel】IFNA関数で複数条件を処理する方法|VLOOKUP・INDEX/MATCH・IFとの組み合わせでExcel作業を効率化
・メリット
- 検索列の位置に依存しない
- 横方向検索も可能
✅ 実務で役立つ検索・抽出システムの応用例
・顧客リスト管理
顧客名を検索して住所・電話番号を抽出。営業資料や発送リストに活用。
参考:【Excel】【営業向け】売上金額に応じてランクを自動表示するIF関数の使い方|簡単に業績ランク付け!
・商品検索
商品コードを入力すると単価・在庫が表示される検索シートを作成。受発注業務を効率化。
参考:【Excel】【在庫管理】在庫数に応じて発注判断を自動化するIF関数の設定方法|ムダなく効率的な仕入れを実現
・人事データ管理
社員番号から所属部署や入社年を抽出。勤怠管理や人事評価システムに利用。
参考:【Excel】月と日付に合わせた曜日を自動表示する方法【カレンダー・日報・スケジュール表に最適】
・アンケート分析
回答文から「改善」や「不満」を含む回答を抽出し、改善提案資料に活用。
✅ 検索・抽出を効率化するコツ
- 元データを「見出し付き表形式」で管理する
- 半角・全角、大文字小文字の違いに注意
- データをテーブル化しておくと範囲自動拡張が効く
- 繰り返し使う条件は入力セルにまとめて設定する
■ まとめ:Excelの検索+抽出を使いこなせば業務効率が大幅アップ
Excelで「検索 抽出」を実現する方法は複数あります。
- 一時的な検索なら オートフィルター
- 複雑条件なら 詳細設定フィルター
- 部分一致や条件判定なら SEARCH+IF関数
- 自動抽出表を作るなら FILTER関数(最新Excel)
- 単一検索なら VLOOKUP、柔軟検索なら INDEX+MATCH
✅ まとめ:Excelの検索・抽出機能を組み合わせれば、単なる「探す作業」から「検索システム構築」へと進化し、顧客管理・商品管理・分析作業を効率化できる!