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【Excel】「特定の文字が含まれていたら色をつける」方法を徹底解説|条件付き書式で自動判定!

 

「セルに“完了”と入っていたら緑色にしたい」
「“エラー”を含む行を赤く目立たせたい」
「“重要”という文字があるセルだけ強調したい」

こうした“特定の文字が含まれる場合だけ自動で色を変える”操作は、
Excelの「条件付き書式」を使えば簡単に実現できます。

この記事では、条件付き書式と関数を組み合わせて、
「特定の文字を含む/含まない」を自動判定し、セルの色を動的に変更する方法を、
初心者にもわかりやすく、手順付きで徹底解説します。

目次

✅ Excelで「特定の文字を含むセルに色をつける」基本手順

・使用機能:条件付き書式

条件付き書式とは、「セルの値に応じて自動的に書式を変更できる機能」です。
文字列や数値、数式の結果に応じて、自動で色やフォントを変えることができます。


・手順概要

  1. 対象範囲を選択
  2. 「条件付き書式」 → 「新しいルール」をクリック
  3. 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択
  4. 特定の文字を判定する数式を入力
  5. 書式(塗りつぶし色など)を設定して完了

参考:【Excel】条件付き書式の基本とは?仕組みと設定方法をわかりやすく解説【初心者向け実務活用例つき】


・具体例:「完了」と入力されたセルを緑にする

  1. A1:A20を選択
  2. 条件付き書式 → 新しいルール
  3. 「数式を使用して…」を選択
  4. 数式欄に以下を入力

=ISNUMBER(SEARCH("完了",A1))

  1. 書式ボタン → 「塗りつぶし」タブ → 緑色を選択

OKを押すと、セル内に「完了」という文字が含まれるセルだけ自動で緑色に変わります。


・数式の意味

関数役割
SEARCH("完了",A1)A1セルに「完了」という文字が含まれているか検索
ISNUMBER(...)検索結果が数値(見つかった)ならTRUE、なければFALSE

TRUEのときだけ色がつくため、「特定の文字を含むセル」が自動的に判定されます。


✅ SEARCH関数とFIND関数の違いを理解しよう

特定の文字を検索する関数には、SEARCHFINDの2種類があります。
どちらも似ていますが、以下のような違いがあります。

比較項目SEARCH関数FIND関数
大文字・小文字の区別しないする
ワイルドカード(*や?)使える使えない
一般的な用途キーワード検索厳密一致の判定

通常は「完了」「エラー」「注意」などを探す場合、大文字小文字を区別しない SEARCH 関数を使うのが便利です。
ただし、「ABC」と「abc」を区別したいときは FIND を選ぶと良いでしょう。

参考:【Excel】文字列の含有チェックと色分けを行う方法|SEARCH関数と条件付き書式で業務を見える化!


✅ 特定の文字を含まない場合に色をつける

逆に、「特定の文字を含まない場合」に色をつけたいケースもあります。

・例:「未完了」と入力されていないセルを赤にする

  1. A1:A20を選択
  2. 条件付き書式 → 新しいルール
  3. 「数式を使用して…」を選択
  4. 次の数式を入力

=ISERROR(SEARCH("未完了",A1))

  1. 書式で赤色を指定して完了。

・数式の意味

ISERROR関数が文字を見つけられない場合、「#VALUE!」というエラーになります。
ISERROR関数はそのエラーを検出し、TRUEを返します。
つまり「未完了を含まないセルだけ赤くなる」仕組みです。

参考:【Excel】ISERRORを使った条件付き書式の使い方|エラーを見やすくする方法


✅ 部分一致を活用してキーワードを柔軟に判定

条件付き書式では、「完全一致」ではなく「含まれているか(部分一致)」で色を変えるのが一般的です。

・例:「エラー」という文字を含むセルを赤くする

数式:
=ISNUMBER(SEARCH("エラー",A1))

これで、「#エラー」「エラー発生」「通信エラー」など、部分的に含まれているすべてのケースを検出できます。
部分一致で柔軟に対応できるのがSEARCH関数の強みです。

参考:【Excel】「範囲内にあれば」を判定する関数まとめ|存在チェックの基本と応用




✅ 行全体の色を変える方法(1セルの内容で判定)

業務表では、ある列の内容によって「行全体を色分けしたい」というケースも多いです。

・例:ステータス列(B列)に「完了」があれば行全体を緑に

  1. 対象範囲(例:A2:D20)を選択
  2. 条件付き書式 → 新しいルール
  3. 数式を使用 → 以下の式を入力

=ISNUMBER(SEARCH("完了",$B2))

  1. 書式で塗りつぶし色を選択

これで、B列のセルに「完了」が含まれる場合、その行全体が自動的に緑色になります。
行頭の「$B2」と固定することで、どの列を基準に判定するかを指定しています。


・絶対参照と相対参照の注意点

条件付き書式の数式では「$」の使い方が重要です。

書き方意味
$B$2行・列どちらも固定
$B2列のみ固定(行ごとに判定したいときに使う)
B$2行だけ固定

行全体を塗りたい場合は「列固定」が基本です。


✅ 複数の文字で条件を分けて色を変える

「完了→緑」「未完了→赤」「保留→黄色」といった複数条件を設定することも可能です。


・設定手順

  1. 対象範囲を選択
  2. 条件付き書式 → 新しいルール → 「数式を使用」
  3. 以下の3つのルールを順に追加
条件数式
「完了」を含む=ISNUMBER(SEARCH("完了",$A2))
「未完了」を含む=ISNUMBER(SEARCH("未完了",$A2))
「保留」を含む=ISNUMBER(SEARCH("保留",$A2))黄色

設定後、「ルールの管理」で順番を確認してOKをクリック。
これで、セル内容に応じて自動で色分けされるようになります。


・POINT:ルールの順番に注意

条件付き書式は上から順に判定されます。
同じセルが複数条件に当てはまる場合、上のルールが優先されます。
「完了」「未完了」などの文字が重複する可能性がある場合は、順序を意識して設定しましょう。


✅ 「含まれていたら色+文字色変更」も同時に設定可能

塗りつぶし色だけでなく、文字色や太字設定も組み合わせると視認性が大幅に上がります。

・例:「エラー」を含むセルを赤背景+白文字にする

  1. 対象範囲を選択
  2. 条件付き書式 → 新しいルール → 数式を使用
  3. 数式欄に:=ISNUMBER(SEARCH("エラー",A1))
  4. 書式 → 塗りつぶし「赤」、フォント「白」

これで、視覚的にも「エラー」を一目で識別できる表が完成します。


✅ 部分一致を複数条件で同時判定する

「“注意”または“確認”という文字を含んでいたら黄色にしたい」
といった複数キーワードを同時に判定することもできます。

・部分一致の数式例

=OR(ISNUMBER(SEARCH("注意",A1)), ISNUMBER(SEARCH("確認",A1)))

OR関数で条件をつなぐことで、いずれかの文字が含まれていればTRUEになります。
同様にAND関数を使えば、「両方の文字が含まれている」ケースにも対応可能です。

参考:【Excel】検索ボックスを作る方法まとめ|関数・フィルターで実現する便利な仕組み


✅ 特定の文字列に完全一致したときだけ色を変える方法

部分一致ではなく、「セルの内容が完全に“完了”だけのとき」に色を変えたい場合は、
SEARCH関数ではなくEXACTまたは=を使います。

・完全一致の数式例

=$A2="完了"

完全一致の場合だけTRUEになり、他の文字を含む場合は無視されます。
マスター管理表などで厳密に状態を判定したい場合に便利です。

参考:【Excel】XLOOKUPで完全一致モードでも一致してしまう理由とは?全角・半角やスペースに潜む落とし穴を徹底解説


✅ 実務での活用例

・1. タスク管理表のステータスごとに色分け

「完了」「進行中」「未着手」を色で区別すれば、進捗状況を一目で把握可能。
特に大人数のタスク管理では、視覚的整理が効率アップに直結します。


・2. 顧客リストのステータスチェック

「契約済」「保留」「未対応」などの文字を自動色分けし、
対応状況を瞬時に確認できる営業支援シートを作成できます。


・3. 在庫管理や商品リストでの異常検知

「欠品」「在庫なし」「破損」などのワードを含む商品行を赤く強調し、
チェックミスを防止できます。

参考:【Excel】【在庫管理】在庫数に応じて発注判断を自動化するIF関数の設定方法|ムダなく効率的な仕入れを実現


・4. メール対応ログの可視化

「返信済」「未返信」などを自動色分けすることで、対応漏れを防止。
条件付き書式を使えば、毎回の更新も自動で反映されます。

参考:【RPA入門】UiPathでできること一覧|Excel・メール・ブラウザ操作を徹底解説


✅ 注意点とコツ

・SEARCH関数はエラーを返す場合がある

文字が見つからない場合、「#VALUE!」エラーになります。
必ずISNUMBERやISERRORでエラー処理を組み合わせましょう。


・全角・半角・スペースに注意

「エラー 」のように空白が含まれると判定されません。
必要に応じてTRIM関数で空白を除去してから判定すると確実です。


・条件付き書式のルール管理を整理する

複数条件を設定すると重複や競合が起きやすくなります。
「ルールの管理」画面で範囲・優先順位を定期的に確認しましょう。


✅ まとめ:Excelの条件付き書式で文字判定を自動化しよう

  • 「特定の文字が含まれていたら色を変える」には条件付き書式+SEARCH関数を使う
  • =ISNUMBER(SEARCH("文字",A1)) で部分一致を判定
  • ISERROROR関数を組み合わせれば、より柔軟な条件指定が可能
  • 行全体の色変更や複数条件色分けも設定できる
  • 完全一致なら「=セル="文字"」を使用

Excelの条件付き書式は、目視確認を自動化できる強力なツールです。
関数を少し工夫するだけで、日々のチェック作業やミス防止が大幅に効率化できます。
業務・管理・分析のどんな場面でも、「特定文字で自動色分け」をぜひ活用してみましょう。

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