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【Excel】「特定の文字から始まる」データを判定するIF関数の使い方|部分一致で条件分岐を自動化

業務でExcelを使っていると、顧客コードや商品コードなどの「先頭の文字や記号」によって処理を変えたい場面がよくあります。例えば「Aから始まる商品コードなら国内向け」「Bから始まるなら海外向け」といった具合です。
そんなときに便利なのが、IF関数とLEFT関数を組み合わせた判定式です。単純な「完全一致」ではなく「特定の文字で始まるかどうか」を条件にできるため、膨大なデータを自動で分類・集計することができます。

この記事では、「Excel 特定の文字から始まる if」というテーマで、基本構文から実践的な応用例までを分かりやすく解説します。
業務効率化を進めたい方や、RPAツール(UiPathなど)でのデータ前処理を自動化したい方にも役立つ内容です。

✅ 「特定の文字から始まる」を判定する基本構文

・基本構文:LEFT関数とIF関数の組み合わせ

まずは、特定の文字から始まるかどうかを判断する基本構文を確認しましょう。

"=IF(LEFT(A2,1)="A","国内","海外")"

この式の意味は以下の通りです。

  • LEFT(A2,1):A2の文字列の左端1文字を取り出す
  • ="A":その文字が「A」と一致するか判定
  • IF(… , "国内","海外"):一致すれば「国内」、それ以外なら「海外」と表示

つまり、A2が「A123」や「A-01」のように「A」で始まっていれば「国内」と表示されます。

・複数文字を判定したい場合

2文字以上のパターンを判定することもできます。

"=IF(LEFT(A2,2)="AB","製造部","その他")"

この場合、「AB1234」など「AB」で始まる文字列が「製造部」として分類されます。
LEFT関数の第2引数の数字を増やすことで、判定する桁数を柔軟に変えられるのが特徴です。

参考:【Excel】ExcelのIF関数とは?使い方からよくある間違いまでやさしく解説!


✅ 応用例:複数条件を組み合わせて自動分類する方法

・OR関数を使って「AまたはBで始まる」条件を作る

1つの条件だけでなく、「AまたはBで始まる場合」というように複数条件を判定したいケースもあります。
その場合は、IF関数の中にOR関数を組み合わせます。

"=IF(OR(LEFT(A2,1)="A",LEFT(A2,1)="B"),"国内","海外")"

この式は「A」または「B」で始まるコードを「国内」と判定し、それ以外を「海外」と分類します。
OR関数は「いずれかが真(TRUE)ならOK」と判断するため、営業コードや部署コードの分類でも非常に便利です。

参考:【Excel】IF関数で複数条件を指定する方法とは?AND・OR・IFSまで完全ガイド!


✅ 応用例:特定の文字以外で始まる場合を判定する

・NOT関数で「A以外から始まる」を表現する

逆に「Aで始まらない場合」を判定したいときは、NOT関数を使います。

"=IF(NOT(LEFT(A2,1)="A"),"対象外","対象")"

この式では、A2の先頭が「A」でなければ「対象外」と表示されます。
NOTを使うと条件を反転できるため、除外条件の設定に向いています。


✅ 応用例:特定の文字列を複数種類判定する方法

・IFS関数を使ってスッキリまとめる

IF関数を入れ子にして複数条件を判定すると、式が長くなりがちです。
そんなときは、IFS関数を使うと見やすく整理できます。

"=IFS(LEFT(A2,1)="A","国内",LEFT(A2,1)="B","海外",LEFT(A2,1)="C","その他")"

この構文では、先頭文字が「A」「B」「C」で始まるデータをそれぞれ異なる区分に自動分類します。
IFS関数はExcel 2019以降またはMicrosoft 365で利用できます。

参考:【Excel】IFS関数で計算式を使う方法|複雑な条件別計算もスッキリ書けるExcel関数活用術


✅ 実務での活用例:コードや部署の自動仕分け

・商品コードの分類に使う

たとえば、販売データにおける「商品コード」の先頭文字で分類する例を考えましょう。

商品コード区分
A001国内
B050海外
C120その他

セルB2に以下の式を入力します。

"=IF(LEFT(A2,1)="A","国内",IF(LEFT(A2,1)="B","海外","その他"))"

このように設定すれば、入力するたびに自動で判定され、手動分類の手間を省けます。

・部署コードや支店コードの分類にも応用

業務システムから出力された「部署コード」「支店コード」なども、先頭文字で役割を判定できる場合があります。
例えば「S」で始まるコードは「営業部」、「P」で始まるコードは「企画部」など。
このようなルールをIF関数で組み込めば、入力後の自動分類やRPA連携での条件分岐がスムーズになります。




✅ LEN関数と組み合わせて条件を限定する方法

・先頭文字だけでなく、桁数も同時にチェックする

「Aから始まるかつ桁数が4文字のコード」など、より精密な条件を作るにはLEN関数を追加します。

"=IF(AND(LEFT(A2,1)="A",LEN(A2)=4),"対象","除外")"

この式は「Aから始まり、4文字のデータ」だけを「対象」として判定します。
LEN関数は文字数を返す関数で、データ形式の検証にも有効です。

入力ミスを防いだり、RPAで扱う前の整形処理をExcel側で済ませたいときにも役立ちます。

参考:【Excel】TRIM関数とLEN関数の活用法とは?Excelで文字列処理をスマートにする便利テクニックを徹底解説


✅ 部分一致の代替方法:SEARCH関数との比較

・LEFTとSEARCHの違いを理解する

「特定の文字から始まる」を判定する場合、LEFT関数が最も簡単ですが、似たような関数としてSEARCH関数もあります。

"=IF(SEARCH("A",A2)=1,"先頭がA","その他")"

SEARCH関数は、文字列の中で「A」が何番目に出てくるかを返す関数です。
この式では、結果が1なら「A」が先頭にあると判断しています。
ただしSEARCHは部分一致を探すため、途中に「A」があっても条件に合う可能性があり、確実に「先頭」で判定したいときはLEFT関数を使う方が安全です。

参考:【Excel】文字列の含有チェックと色分けを行う方法|SEARCH関数と条件付き書式で業務を見える化!


✅ 実務Tips:IF関数の結果を数値処理や色付けに活用する

・TRUE/FALSEを使った計算

IF関数で判定結果を「1」や「0」に置き換えれば、SUMIFやAVERAGEIFなどの条件付き集計にも応用できます。

"=IF(LEFT(A2,1)="A",1,0)"

このようにしておくと、特定の条件に該当する件数や比率を簡単に求められます。

・条件付き書式と組み合わせて視覚化

「Aで始まるデータを青色で表示する」といった視覚的な強調も可能です。
条件付き書式で次の数式を設定します。

"=LEFT($A2,1)="A""

これにより、条件を満たす行全体に自動で色が付き、見やすくなります。
Excelの標準機能だけでデータの分類と可視化が完結します。

参考:【Excel】条件付き書式の基本とは?仕組みと設定方法をわかりやすく解説【初心者向け実務活用例つき】


✅ 応用:RPAや自動化への展開

Excelでこうした条件分岐を整備しておくと、後工程の自動化にも役立ちます。
例えばUiPathやPower Automateを使う場合、Excel側で「国内」「海外」などの判定列をあらかじめ用意しておくと、RPA側での条件分岐設定がシンプルになります。
特定の文字で始まる条件は、メール送信先やフォルダ振り分けなど、実務の自動化シナリオで頻繁に使われる考え方です。
Excelでの前処理をIF関数で仕上げておくことで、全体の自動化精度と速度を向上させることができます。

参考:【RPA入門】UiPathでできること一覧|Excel・メール・ブラウザ操作を徹底解説


✅ まとめ:特定の文字から始まるデータをIF関数で自在に判定しよう

  • 「LEFT関数」で文字列の先頭を抽出し、「IF関数」で条件分岐するのが基本
  • OR・NOT・AND関数を組み合わせれば複雑な条件にも対応可能
  • IFS関数を使えば見やすい多条件判定が可能
  • LEN関数を組み合わせることで、桁数制限を同時にチェックできる
  • 条件付き書式やRPAとの連携にも応用できる

特定の文字で始まる条件判定は、日常的なデータ処理から自動化の前段階まで幅広く活用できます。
ぜひ今回紹介したテクニックを使って、ExcelのIF関数をより柔軟に活用し、データ処理を自動化・効率化してみてください。

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