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【Excel】シート内のデータを検索・抽出する方法|条件別に使える便利機能を徹底解説

Excelを使っていて、「特定の文字を含むデータだけを取り出したい」「シート全体から条件に合う行を抽出したい」と思ったことはありませんか?

特にデータ量が多いシートでは、手作業で検索するのは時間がかかります。
しかしExcelには、関数やフィルター、検索機能を組み合わせることで、条件に合うデータだけを自動的に抽出する方法がいくつも存在します。

この記事では、初心者から中級者まで役立つ「Excelの検索・抽出テクニック」を、
実務で使える具体例とともに詳しく紹介します。

目次

✅ Excelで「検索」と「抽出」の違いを理解しよう

まず最初に、検索と抽出の違いを整理しておきましょう。

  • 検索(Search)
    → 特定の文字列や数値をシート全体から探し出すこと。
    (例:「東京」と入力されたセルを見つけたい)
  • 抽出(Filter)
    → 条件に合うデータだけを一覧で表示すること。
    (例:「都道府県が東京の行だけを表示したい」)

検索は「探す」、抽出は「絞り込む」と考えると分かりやすいでしょう。
Excelでは、これらを手動でも関数でも実行できます。


✅ 方法①:検索ボックスでシート内のデータを探す(基本)

まずは最も基本的な「検索機能」の使い方です。


・データを探す手順

  1. Ctrl + F を押す(検索ボックスを開く)
  2. 検索したい文字列を入力(例:「東京」)
  3. 「すべて検索」または「次を検索」をクリック

これで、シート内に含まれるすべての「東京」を見つけることができます。


・POINT

  • 「検索オプション」から部分一致/完全一致を切り替え可能
  • 検索範囲を「シート全体」または「ブック全体」に設定できる
  • ワイルドカード(*や?)を使うとあいまい検索も可能

・例:ワイルドカードを使う検索

検索語句意味検出対象
東*「東」で始まる文字列東京・東北・東海
*県「県」で終わる文字列神奈川県・大阪府(※府は除外)

Excel標準の「検索機能」は、特定文字の場所を調べたいときに非常に便利です。
ただし、「条件に合うデータだけを一覧表示したい」ときは、次で紹介する「抽出」機能を使います。


✅ 方法②:オートフィルターで条件に合う行を抽出する

Excelのオートフィルター機能を使うと、条件に合うデータだけを簡単に表示できます。
日常業務で最もよく使われる抽出方法です。


・オートフィルターを使う手順

  1. 抽出したいデータ範囲を選択
  2. [データ] タブ → [フィルター] をクリック
  3. 各列の▼をクリックし、検索条件を設定

・例1:特定の文字を含む行を抽出

  1. 「都道府県」列の▼をクリック
  2. 「検索ボックス」に「東京」と入力
  3. チェックボックスで「東京都」を選択
  4. OK

→ 「東京都」に関する行だけが表示されます。


・例2:部分一致検索で抽出

フィルターの検索ボックスで「東」と入力すれば、
「東京都」「東北」「東海地方」など**“東”を含む全データ**を抽出可能。


・POINT


・例3:複数条件抽出

「地域=関東」かつ「売上>100000」など、複合条件も設定可能。

  • 「数値フィルター」→「指定の値より大きい」
  • 「テキストフィルター」→「次の値を含む」

オートフィルターは直感的に使えるうえ、再利用も簡単です。

参考:【Excel】検索システムを作る方法(マクロなし)まとめ|関数とフィルターで効率化


✅ 方法③:関数で条件に合うデータを自動抽出する(FILTER関数)

Excel 365または2021以降をお使いなら、
FILTER関数で条件に合うデータを自動抽出するのが最もスマートです。


FILTER関数の構文

"=FILTER(抽出範囲, 抽出条件)"


・例1:「都道府県」が「東京」の行だけ抽出

"=FILTER(A2:C100, B2:B100="東京")"

A列B列C列
店舗名都道府県売上
東京本店東京500000
大阪支店大阪300000

→ 「東京」の行だけが自動的に表示されます。


・例2:部分一致で抽出

"=FILTER(A2:C100, ISNUMBER(SEARCH("東",B2:B100)))"

→ 「東」を含む行(東京・東海など)をすべて抽出します。


・例3:複数条件で抽出

"=FILTER(A2:C100, (B2:B100="東京")*(C2:C100>=300000))"

→ 「東京」かつ「売上30万以上」の行だけ抽出。


・POINT

  • 抽出結果は自動で更新される
  • 複数条件の組み合わせが柔軟
  • データが変わるとリアルタイムに再計算

FILTER関数を使えば、「条件を変えるだけで抽出結果を更新」できるため、
月次集計や営業データ分析に最適です。


✅ 方法④:検索関数を使って特定データを取得する(VLOOKUP/XLOOKUP)

「特定のキーワードに対応するデータを取り出したい」ときは、
VLOOKUP関数XLOOKUP関数が有効です。


・VLOOKUP関数の構文

"=VLOOKUP(検索値, 範囲, 列番号, 検索方法)"

参考:【ChatGPT】VLOOKUP関数を自動生成する方法|手順・聞き方・注意点を徹底解説


・例1:「商品名」から「価格」を取得

"=VLOOKUP("りんご",A2:C100,2,FALSE)"

商品名価格在庫
りんご120あり
みかん90なし

→ 「りんご」の価格「120」を返す。


・例2:セル参照で動的検索

"=VLOOKUP(E2,A2:C100,2,FALSE)"

E2セルに検索キーワード(例:「みかん」)を入力すれば、
その値に応じて結果が自動的に変わります。


・XLOOKUP関数(Excel 365以降)

"=XLOOKUP(検索値, 検索範囲, 返す範囲, 見つからないときの値)"

VLOOKUPの上位互換で、列の順序に制約がないのが特徴です。


・例3:「店舗名」から「担当者」を抽出

"=XLOOKUP(E2,A2:A100,C2:C100,"該当なし")"

→ 入力した店舗名に対応する担当者を返す。


・POINT

  • 一致検索は「FALSE」指定で正確に検索
  • XLOOKUPは左右どちらの方向も検索可能
  • 検索結果がない場合は「該当なし」を設定できる

VLOOKUPやXLOOKUPは、「検索と抽出を1ステップで行う」便利な関数です。




✅ 方法⑤:条件付き書式で検索結果をハイライト表示する

データ量が多いとき、「検索した文字を含むセルを目立たせたい」場合は、
条件付き書式を使って自動的に色を付けることもできます。


・手順

  1. 対象範囲を選択(例:A2:A100)
  2. [ホーム] → [条件付き書式] → [新しいルール]
  3. 「数式を使用して書式設定を決定」を選択
  4. 次の式を入力
    "=ISNUMBER(SEARCH("東京",A2))"
  5. 書式(背景色など)を設定してOK

・結果

「東京」を含むセルだけが自動的に色付き表示になります。

参考:【Excel】「特定の文字が含まれていたら色をつける」方法を徹底解説|条件付き書式で自動判定!


・POINT

  • シート上で検索結果を「視覚的に強調」できる
  • 部分一致も対応(SEARCH関数利用時)
  • 検索文字を別セル参照にすれば動的変更も可能

・例:セル参照で動的検索

"=ISNUMBER(SEARCH($E$1,A2))"

E1セルに検索キーワードを入力すると、
条件付き書式が自動的に切り替わります。


✅ 方法⑥:複数シートから検索・抽出する方法

もしブック内に複数のシートがあり、
「全シートを横断して検索したい」場合は、統合検索の考え方が必要です。


・手動で検索する場合

  • Ctrl + F → 「オプション」 → 「ブック全体」
    → これで全シートをまとめて検索可能。

・関数で抽出する場合

複数シートをまとめたい場合は、
INDIRECT関数やLET関数を使って特定のシートを指定して検索します。


・例:「東京支店」シートのB2を参照して値取得

"=INDIRECT("'東京支店'!B2")"

→ 指定シートのセルを直接参照できます。


・POINT

  • シート名をセル参照にして動的切り替え可能
  • 例:"=INDIRECT("'"&A1&"'!B2")"
    (A1に「大阪支店」と入力すると自動で大阪シートを参照)

✅ 実務で使える「検索・抽出」活用例

シナリオ使用関数・機能効果
顧客名から住所を取得XLOOKUP / VLOOKUP顧客管理シートの自動参照
商品名に「限定」を含む商品一覧FILTER+SEARCH特定キーワードの一覧作成
大量データから「完了」だけ表示オートフィルター一瞬で完了行のみ抽出
複数シートの中から特定の担当者検索検索ボックス(ブック全体)全シート横断検索
売上30万以上を自動抽出FILTERまたは数値フィルター集計業務の効率化

✅ RPAやPower Automateと組み合わせるとさらに効率的

Excelの検索・抽出は、Power AutomateやUiPathと組み合わせることで自動化が可能です。


・自動化の例

  • Power Automateで「特定条件を含む行」を自動抽出し、別シートに保存
  • UiPathで「ExcelのFILTER関数を更新 → 結果をメール送信」
  • 定期的に検索条件を変更してレポートを作成

検索や抽出をRPA化すれば、手作業でのデータ整理が不要になります。


✅ まとめ:Excelの検索・抽出を使いこなして作業効率を最大化しよう

  • Ctrl + Fでシート内検索(部分一致も可能)
  • オートフィルターで条件に合うデータを絞り込み
  • FILTER関数で自動抽出を実現(動的更新可能)
  • VLOOKUP/XLOOKUPで対応する値を取得
  • 条件付き書式で検索結果を可視化
  • 複数シートの検索は「ブック全体」で対応
  • 自動化ツールと連携すれば完全自動化も可能

Excelの検索・抽出機能は、**「探す」「見つける」「取り出す」**を一気に効率化できる強力な武器です。
一度覚えてしまえば、膨大なデータを扱う業務でもミスが減り、作業時間を大幅に短縮できます。

ぜひ、この記事で紹介した方法を活用して、
日常業務の検索・抽出作業をスマートに自動化してみてください。

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