Power Automate Desktop(PAD)は、Microsoftが提供する無料のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールです。
マウス操作・キーボード入力・ファイル処理・Excel操作など、人がPCで行う作業を自動化できます。
特にPADの強みは、「アクション(Action)」と呼ばれる命令の豊富さにあります。
これらを組み合わせることで、Excel業務、ブラウザ操作、ファイル管理、システム入力など、幅広い処理を自動化できます。
この記事では、「Power Automate Desktopのアクション一覧」を体系的に整理し、実務でよく使うアクションを分野別に解説します。
実際の利用シーンや注意点も交えて紹介するので、読み終える頃には“PADの全体像”が掴めるはずです。
目次
- ✅ Power Automate Desktopのアクションとは?
- ✅ Power Automate Desktopのアクションカテゴリ一覧
- ✅ ① Excel関連のアクション一覧(最も使用頻度が高い)
- ・実務での活用例
- ✅ ② ファイル操作アクション一覧
- ・応用例
- ✅ ③ フォルダー操作アクション一覧
- ・応用例
- ✅ ④ Web(ブラウザ)操作アクション一覧
- ・応用例
- ✅ ⑤ UI(デスクトップアプリ操作)アクション一覧
- ・応用例
- ✅ ⑥ 条件分岐・ループ(制御構文)アクション一覧
- ・応用例
- ✅ ⑦ データ操作・変数関連アクション一覧
- ✅ ⑧ Outlook/メール関連アクション一覧
- ・応用例
- ✅ ⑨ PDF・画像操作アクション一覧
- ✅ Power Automate Desktopのアクションを使いこなすコツ
- ✅ まとめ:アクション一覧を理解すればPower Automate Desktopは自由自在に扱える
✅ Power Automate Desktopのアクションとは?
アクションとは、Power Automate Desktopにおける「1つの処理単位(命令)」のことです。
たとえば、「Excelを開く」「フォルダーを作成」「Webページからデータを取得」といった動作を、GUI操作だけで設定できます。
PADでは、このアクションをドラッグ&ドロップで並べるだけでフロー(自動処理の流れ)を作成できます。
つまり、アクションを理解することが「自動化の設計図を描く力」につながるのです。
✅ Power Automate Desktopのアクションカテゴリ一覧
PADには1000種類以上のアクションがありますが、目的別に整理すると次のように分類できます。
| カテゴリ名 | 主な用途 |
|---|---|
| ① Excel | Excelファイルの読み取り・書き込み・集計など |
| ② ファイル | ファイルのコピー・削除・圧縮など |
| ③ フォルダー | フォルダー作成・検索・整理など |
| ④ Web(ブラウザー) | Webページ操作、フォーム入力、スクレイピング |
| ⑤ UI(アプリ操作) | デスクトップアプリのクリック・入力操作 |
| ⑥ 条件分岐・ループ | フロー制御(If、For Eachなど) |
| ⑦ メッセージ・ダイアログ | 通知や入力ボックスの表示 |
| ⑧ データ操作 | 文字列・日付・リスト・データテーブルの操作 |
| ⑨ システム | ウィンドウ制御、クリップボード、キー操作など |
| ⑩ Outlook/メール | メール送信・受信・添付処理 |
| ⑪ PDF・画像 | PDF抽出や画像認識 |
| ⑫ その他 | API呼び出し、環境変数、ログ取得など |
これらを使い分けることで、「人が行うあらゆる操作を自動化」できます。
✅ ① Excel関連のアクション一覧(最も使用頻度が高い)
PADで最も利用されるカテゴリが「Excel」です。
Excelアクションを理解することで、日報作成・データ集計・帳票出力などが自動化できます。
| アクション名 | 主な機能 |
|---|---|
| Excelの起動 | 新規または既存のブックを開く |
| Excelワークシートをアクティブ化 | 指定シートを開く |
| Excelワークシートから読み取り | セルや範囲の値を取得 |
| Excelワークシートに書き込み | 値や変数を入力 |
| Excelの最終使用行を取得 | データの最終行を自動検出 |
| Excelの最終使用列を取得 | 最終列を判定してループ制御に活用 |
| Excelのセルをクリア | 値や書式を削除 |
| Excelを保存 | 上書きまたは別名保存 |
| Excelを閉じる | ブックを閉じる |
| Excelを終了 | Excelアプリを完全に閉じる |
・実務での活用例
- 売上表の自動集計とレポート作成
- 複数Excelのデータ統合
- 入力内容を自動で別シートに転記
- 定期的なPDF出力と保存
Excelアクションは、Power Automate Desktop学習の最初の一歩として最適です。
参考:【Power Automate】Excelのセルの値を取得する方法|業務自動化に役立つ実践ガイド
✅ ② ファイル操作アクション一覧
ファイル操作アクションでは、ファイルの作成・移動・削除・圧縮などが自動化できます。
帳票出力やバックアップ処理に欠かせないカテゴリです。
| アクション名 | 機能 |
|---|---|
| ファイルのコピー | 指定ファイルを別フォルダーへコピー |
| ファイルの移動 | ファイルを移動(整理や振り分けに使用) |
| ファイルを削除 | 不要ファイルを削除 |
| ファイルを圧縮 | ZIPファイルを作成 |
| ZIPを展開 | 圧縮ファイルを解凍 |
| ファイルの存在確認 | 存在チェック(エラー防止に重要) |
| ファイルの作成日時を取得 | 更新管理やログ記録に活用 |
・応用例
- レポート生成後に自動でZIP圧縮して保存
- 古いログファイルを自動削除
- 新しいデータのみコピーして別フォルダへ集約
✅ ③ フォルダー操作アクション一覧
フォルダー単位でファイルを整理したいときに使用します。
定期バックアップやフォルダ監視にも使える便利なカテゴリです。
| アクション名 | 主な機能 |
|---|---|
| フォルダーの作成 | 新規フォルダーを自動生成 |
| フォルダー内のファイルを取得 | 一括処理に必要なファイル一覧を取得 |
| フォルダーを削除 | 一時フォルダなどを自動削除 |
| フォルダーが存在するか確認 | 存在確認で処理分岐 |
| サブフォルダーの一覧を取得 | 階層構造を扱う際に便利 |
・応用例
- 毎月のレポート出力先フォルダを自動作成
- 複数フォルダを一括で整理
- 特定フォルダにファイルが追加されたら自動処理
✅ ④ Web(ブラウザ)操作アクション一覧
Webアクションを使うと、ブラウザ操作を自動化できます。
たとえば、Webフォームへの入力やデータ抽出(スクレイピング)などが可能です。
| アクション名 | 主な機能 |
|---|---|
| ブラウザーを起動 | EdgeやChromeを自動起動 |
| Webページへ移動 | 指定URLを開く |
| Webページの要素をクリック | ボタンやリンクをクリック |
| Webページにテキストを入力 | フォーム入力を自動化 |
| Webページからデータを抽出 | HTML要素から情報を取得 |
| スクリーンショットを撮影 | 記録用に画面を保存 |
・応用例
- ECサイトから価格データを自動取得
- 社内システムへの自動ログインとレポートダウンロード
- Web申請フォームの自動入力
Webアクションは、Excelとの連携で最強のデータ収集フローを構築できます。
✅ ⑤ UI(デスクトップアプリ操作)アクション一覧
UIアクションは、マウスやキーボードの操作を自動化します。
「画面のどこをクリック」「どのボタンを押す」など、人の操作を忠実に再現できます。
| アクション名 | 主な機能 |
|---|---|
| ウィンドウをアクティブ化 | 操作対象のアプリを前面に表示 |
| マウスのクリック | 位置指定でクリック動作 |
| テキストの入力 | 任意のテキストを入力 |
| ホットキーの送信 | Ctrl+CやAlt+Tabなどのショートカット操作 |
| ウィンドウからテキストを抽出 | アプリ画面の内容を取得 |
・応用例
- 業務システムへの自動ログイン・入力
- Windowsアプリ上での請求書作成
- システムのスクリーンショット取得と保存
✅ ⑥ 条件分岐・ループ(制御構文)アクション一覧
条件分岐とループは、Power Automate Desktopの「頭脳部分」です。
フローの流れを制御し、柔軟な自動処理を実現します。
| アクション名 | 内容 |
|---|---|
| If(条件分岐) | 条件に応じて処理を分岐 |
| Else / Else If | 条件が異なる場合の処理を定義 |
| For Each | リストやテーブルをループ処理 |
| Loop | 指定回数だけ繰り返す |
| Switch | 条件ごとに異なる処理を実行 |
| 終了 | フロー全体を停止する |
・応用例
- 売上金額が一定以上なら通知
- フォルダ内の全ファイルを順番に処理
- 条件ごとに別のExcelテンプレートを出力
✅ ⑦ データ操作・変数関連アクション一覧
データの整形や型変換、リスト・テーブルの操作に使用します。
他のアクションと組み合わせて使うことで、実務的な処理が可能になります。
| アクション名 | 内容 |
|---|---|
| 変数を設定 | 値を変数に格納 |
| 変数を増減 | カウンタ制御などに使用 |
| 文字列を分割 | カンマや改行で分解 |
| 日付を計算 | 日付の加算・減算 |
| データテーブルを作成 | 表形式の変数を作る |
| データテーブルに行を追加 | Excel以外での集計に便利 |
| リストを並べ替え | 昇順・降順ソート |
✅ ⑧ Outlook/メール関連アクション一覧
PADでは、メールの送信・受信も自動化できます。
特にOutlookとの連携が強力で、報告メールや通知業務の自動化に最適です。
| アクション名 | 内容 |
|---|---|
| メールを送信 | Outlook経由でメール送信 |
| メールを取得 | 受信トレイの内容を取得 |
| 添付ファイルを保存 | メール添付を自動ダウンロード |
| メールを削除 | 不要なメールを削除 |
・応用例
- Excel集計結果を自動添付して送信
- 受信メールの添付ファイルを自動保存
- 特定件名のメールを転送
参考:【Power Automate活用事例】Outlookメールを自動化して業務効率を改善する方法
✅ ⑨ PDF・画像操作アクション一覧
帳票や報告書のPDF化、画像からの情報抽出なども自動化可能です。
| アクション名 | 内容 |
|---|---|
| PDFを読み取る | テキスト情報を抽出 |
| ページを分割 | PDFをページ単位で保存 |
| 画像を保存 | 画面キャプチャを保存 |
| OCRを使用して文字を抽出 | スキャン画像から文字を読み取る |
✅ Power Automate Desktopのアクションを使いこなすコツ
- カテゴリーで探すより“目的”で探す
例:「Excelに書き込みたい」→ Excelカテゴリ → “Excelワークシートに書き込み” - 変数の流れを意識する
値の取得 → 加工 → 書き込みの順に変数を受け渡すと理解しやすい。 - Try-Catch構造を活用する
エラー時の処理をあらかじめ定義しておくと、安定運用が可能。 - アクションのコメント機能を活用
チームで共有する場合、各アクションに説明を付けておくと保守性が向上。
✅ まとめ:アクション一覧を理解すればPower Automate Desktopは自由自在に扱える
- Power Automate Desktopは、数百種類のアクションを組み合わせて業務を自動化できる。
- 特に「Excel」「ファイル」「Web」「条件分岐」「メール」カテゴリが実務で頻出。
- 各アクションの役割を理解すれば、複雑な業務もノーコードで自動化可能。
- アクション一覧をマスターすることが、Power Automate活用の第一歩。
Power Automate Desktopのアクションは、まさに“業務自動化の積み木”です。
一度使い方を覚えれば、Excel集計からWeb操作、報告メールまで、全てを1クリックで完了できるようになります。