Excelでグラフを作成する際、複数のデータ系列を1つのグラフに表示することはよくあります。
売上の推移、部門別の比較、前年との比較など、実務では「複数の系列」を扱うグラフがほとんどです。
しかし、系列が増えるほどグラフは見づらくなりがちです。
・線が多すぎて何が重要か分からない
・色が似ていて区別できない
・軸の単位が違って意味が伝わらない
こうした問題が起きると、せっかく作ったグラフも「伝わらない資料」になってしまいます。
この記事では、Excelで複数系列のグラフを見やすくするコツを解説します。
実務で使える整理方法・設定の考え方・よくある失敗まで丁寧に説明します。
目次
- ✅ Excelで複数系列のグラフが見づらくなる原因
- ・系列が多すぎる
- ・色が整理されていない
- ✅ Excelで複数系列のグラフを見やすくする基本設定
- ・系列の色を整理する
- ・重要な系列だけ太くする
- ・不要な系列を削除する
- ✅ 第2軸を使ってデータの違いを整理する
- ・第2軸の設定方法
- ✅ グラフの凡例とラベルを整理する
- ・凡例を短くする
- ・データラベルを活用する
- ✅ 実務でよく使う複数系列グラフのパターン
- ・売上推移グラフ
- ・売上と数量の比較
- ・部門別売上比較
- ✅ Excelグラフをさらに見やすくする応用テクニック
- ・重要な系列以外をグレーにする
- ・最新データを強調する
- ✅ ExcelグラフはVBAで自動化することもできる
- ✅ まとめ:Excelの複数系列グラフは「整理」が重要
✅ Excelで複数系列のグラフが見づらくなる原因
複数系列のグラフは便利ですが、作り方を間違えると一気に読みづらくなります。
特にExcelでは「データを選択してグラフを作るだけ」で完成してしまうため、設計を考えずに作るケースが多く見られます。
その結果、
・線や棒が増えすぎて何を比較しているか分からない
・重要なデータが埋もれてしまう
・色や軸が整理されていない
といった問題が発生します。
グラフは「作ること」が目的ではなく、情報を伝えることが目的です。
そのため、系列が複数ある場合ほど「見やすく整理する設計」が重要になります。
ここではまず、よくある原因を理解しておきましょう。
・系列が多すぎる
複数系列グラフで一番多い失敗は、系列を入れすぎることです。
例えば次のようなケースです。
・10部署の売上推移
・12か月の比較
・複数商品の売上
これらをすべて1つのグラフに入れると、線が多すぎて読めなくなります。
グラフでは基本的に
3~5系列程度
が見やすい目安です。
それ以上になる場合は、
・グラフを分ける
・重要な系列だけ表示する
などの整理が必要です。
・色が整理されていない
Excelは自動で色を設定しますが、そのままだと
・似た色が並ぶ
・重要な系列が目立たない
という問題が起きます。
例えば売上グラフで
・前年
・今年
を比較する場合、今年のデータを強調する必要があります。
しかし自動設定のままだと、どちらも同じ強さの色になります。
このような場合は、
・重要データを濃い色
・補助データを薄い色
にすると見やすくなります。
✅ Excelで複数系列のグラフを見やすくする基本設定
グラフを見やすくするには、基本的な設定を整えることが重要です。
特に「系列の整理」「強調」「不要な情報の削除」は、実務で非常によく使うテクニックです。
ここでは、Excelで簡単にできる基本設定を紹介します。
・系列の色を整理する
まず最初に行うべきなのが、系列の色の整理です。
操作手順
- グラフをクリック
- 対象の系列をクリック
- 右クリック
- 「データ系列の書式設定」を選択
- 色を変更する
ここで重要なのは、色を単に変えることではありません。
例えば売上推移の場合
・今年 → 濃い色
・前年 → 薄い色
にすると、自然と今年のデータが強調されます。
実務では
「見せたいデータ」を強調する
という考え方が重要です。
・重要な系列だけ太くする
折れ線グラフでは、線の太さを変えるだけでも見やすくなります。
操作手順
- 系列をクリック
- 右クリック
- 「データ系列の書式設定」
- 線の幅を変更
例えば
・平均値 → 太線
・各データ → 細線
のように設定すると、重要な情報がすぐ分かります。
・不要な系列を削除する
実務では
「全部見せようとする」
ことが一番の失敗です。
例えば
・全国売上
・関東売上
・関西売上
・九州売上
・東北売上
がある場合、グラフの目的によっては
全国 + 主要地域
だけで十分なこともあります。
不要な系列を減らすだけで、グラフの見やすさは大きく改善します。
グラフを作るときに重要なのは「作ること」ではなく伝えることです。
もし「上司や顧客に伝わるグラフの考え方」を知りたい場合は、次の記事も参考になります。
【Excel】上司・顧客に伝わるグラフを作るための考え方【実務視点】
✅ 第2軸を使ってデータの違いを整理する
複数系列グラフでは、データの単位が違う場合があります。
例えば
・売上(円)
・販売数量(個数)
このようなデータを同じ軸で表示すると、グラフが崩れてしまいます。
その場合は第2軸を使います。
Excelでは簡単に設定できます。
・第2軸の設定方法
操作手順
- グラフをクリック
- 対象系列をクリック
- 右クリック
- 「データ系列の書式設定」
- 「第2軸」を選択
すると右側に新しい軸が表示されます。
これにより
・売上
・数量
を同じグラフで比較できるようになります。
ただし、第2軸は便利ですが使いすぎると混乱します。
基本は
1つのグラフに第2軸は1つまで
にすると見やすくなります。
✅ グラフの凡例とラベルを整理する
グラフが見づらくなる原因の一つが、凡例の整理不足です。
凡例とは、グラフの色や線の意味を示す説明です。
しかし実務では
・系列名が長すぎる
・何を示しているか分からない
というケースがよくあります。
・凡例を短くする
例えば
「2023年度売上データ」
よりも
「2023」
の方が見やすくなります。
凡例は短くシンプルにするのが基本です。
・データラベルを活用する
重要な系列には、データラベルを追加すると分かりやすくなります。
操作手順
- 系列をクリック
- 右クリック
- 「データラベルの追加」
特に
・最大値
・最新値
などはラベルを付けると、読み手がすぐ理解できます。
実務では、グラフの設定よりも凡例やタイトルの分かりやすさが評価されるケースも多くあります。
Excelでの具体的な設定方法は、次の記事で詳しく解説しています。
【Excel】グラフの凡例・タイトルを正しく設定する方法|見やすいグラフ作成の基本
✅ 実務でよく使う複数系列グラフのパターン
Excelのグラフは、使う目的によって最適な形が変わります。
実務でよく使われるパターンを紹介します。
・売上推移グラフ
よくある構成
・前年売上
・今年売上
設定のコツ
・今年を太線
・前年を薄い色
これだけで、グラフの読みやすさが大きく変わります。
・売上と数量の比較
構成
・売上
・販売数量
設定
・数量 → 第2軸
・グラフ種類 → 複合グラフ
これにより
「売上が増えた理由」
を視覚的に理解できます。
・部門別売上比較
構成
・営業部
・開発部
・管理部
この場合は
・棒グラフ
・系列は3~4まで
にすると読みやすくなります。
✅ Excelグラフをさらに見やすくする応用テクニック
グラフは「データ表示ツール」ではなく、情報を伝えるツールです。
そのため、次のような工夫をするとさらに見やすくなります。
・重要な系列以外をグレーにする
プレゼン資料などでは
・重要データ → 強調色
・その他 → グレー
にすると、視線を誘導できます。
・最新データを強調する
売上推移では
・最新月
・最新年
が重要な場合が多いです。
その場合
・最新点のみ色変更
・マーカー追加
などを行うと、注目ポイントが伝わりやすくなります。
Excelのグラフは、設定テクニックだけでなく「どう伝えるか」という視点が重要です。
グラフ作成の基本から実務で使える設計の考え方まで体系的に知りたい場合は、次の記事も参考になります。
【Excel】グラフの作り方完全ガイド|伝わる可視化の設計ルール
✅ ExcelグラフはVBAで自動化することもできる
実務では、毎月同じグラフを作るケースも多くあります。
例えば
・月次売上レポート
・KPIレポート
・部門比較
このような場合、VBAを使うと
・グラフ作成
・系列設定
・色設定
などを自動化できます。
特に
・毎月同じフォーマットのレポート
・大量のグラフ作成
では、VBAを活用すると作業時間を大幅に短縮できます。
✅ まとめ:Excelの複数系列グラフは「整理」が重要
Excelの複数系列グラフは、データを比較するうえで非常に便利な機能です。
しかし、系列を増やすほどグラフは見づらくなりやすいため、整理の考え方が重要になります。
ポイントを整理すると次の通りです。
・系列は増やしすぎない
・重要データを色や太さで強調する
・第2軸は必要な場合のみ使用する
・凡例やラベルを整理する
・不要な情報は削除する
これらを意識するだけで、グラフの伝わりやすさは大きく変わります。
Excelのグラフは「作る」ことよりも「伝える」ことが大切です。
ぜひ今回紹介したコツを活用して、見やすく分かりやすいグラフ作成を実践してみてください。