会議が終わった後に必ず発生する作業といえば、議事録の作成です。誰がどんな発言をしたのか、結論や次回までのアクションは何かをまとめることは重要ですが、その作業には大きな時間と労力がかかります。特に長時間の会議や参加人数が多い会議では、議事録担当者の負担が非常に重くなりがちです。
そこで注目されているのが、Power AutomateとChatGPTを組み合わせて議事録を自動作成する方法です。Microsoftが提供するPower Automateは会議記録や音声データをトリガーとして処理を実行でき、ChatGPTは自然言語処理を活用して要点をまとめたりわかりやすい文章を生成したりできます。両者を連携することで、会議終了後すぐに議事録を自動作成する仕組みを構築できるのです。
この記事では、初心者でも理解しやすいように「Power AutomateとChatGPTで議事録を自動作成する手順」と「実務での活用例」、さらに「注意点」まで詳しく解説します。
目次
- ✅ Power AutomateとChatGPTで議事録を自動作成するメリット
- ・時間短縮と作業負担の軽減
- ・要点を逃さない整理
- ・読みやすい文章を自動生成
- ✅ 議事録自動化の前提準備
- ・Microsoft Power Automate環境
- ・会議内容の取得方法
- ・OpenAI APIキー
- ✅ Power AutomateとChatGPTで議事録を自動作成する手順
- ・トリガーを設定する
- ・会議内容を取得する
- ・ChatGPT APIを呼び出す
- ・議事録を保存・共有する
- ・テストと調整
- ✅ 実務での活用例
- ・定例会議の議事録
- ・プロジェクト進捗会議
- ・研修や勉強会の記録
- ✅ 注意点と運用の工夫
- ・情報漏洩リスクへの配慮
- ・コスト管理
- ・人の確認を必ず挟む
- ✅ 応用編:音声議事録の自動化
- ■ まとめ:Power AutomateとChatGPTで議事録作成を自動化しよう
✅ Power AutomateとChatGPTで議事録を自動作成するメリット
・時間短縮と作業負担の軽減
人が一から議事録をまとめる場合、1時間の会議に対して1~2時間以上の時間が必要になることも珍しくありません。AIに要約を任せれば、作業時間を大幅に削減できます。
・要点を逃さない整理
ChatGPTは大量のテキストを整理して要点を抽出するのが得意です。会議中の重要な発言や決定事項を的確にまとめてくれるため、抜け漏れが少なくなります。
・読みやすい文章を自動生成
議事録は「読みやすさ」も大切です。ChatGPTは自然でわかりやすい日本語を生成できるため、誰が読んでも理解しやすい文書に仕上がります。
参考:【ChatGPT】メール文を自動生成!Power Automate連携の実例
✅ 議事録自動化の前提準備
・Microsoft Power Automate環境
Power AutomateはMicrosoft 365に含まれており、TeamsやOutlook、OneDriveなどと標準で連携できます。
・会議内容の取得方法
議事録を作るには会議の内容が必要です。Teamsの会議チャット、Outlookの会議メモ、あるいは会議の音声を文字起こししたファイルを利用するのが一般的です。
参考:【ChatGPT】ExcelデータをChatGPTに送って要約するPower Automateフロー
・OpenAI APIキー
ChatGPTを利用するためにはOpenAI APIキーが必要です。OpenAIの公式サイトでアカウントを作成し、APIキーを発行して控えておきましょう。
✅ Power AutomateとChatGPTで議事録を自動作成する手順
ここでは、Teams会議のチャット内容をまとめて議事録を作成する例を紹介します。
・トリガーを設定する
- Power Automateにログインし、「+新しい自動化フロー」をクリックします。
- トリガーとして「Teamsでメッセージが投稿されたとき」または「会議終了時の通知」を設定します。
・会議内容を取得する
- Teamsチャネルや会議チャットに投稿されたメッセージを取得します。
- 取得したデータを一つのテキストにまとめるため、「Compose」アクションや「Append to string」アクションを使用します。
・ChatGPT APIを呼び出す
- 新しいステップで「HTTP」アクションを追加します。
- 以下のように設定します:
- メソッド:POST
- URL:https://api.openai.com/v1/chat/completions
- ヘッダー:
- Authorization: Bearer [APIキー]
- Content-Type: application/json
- Body(例):
{
"model": "gpt-4o-mini",
"messages": [
{"role": "system", "content": "あなたは議事録作成の専門家です。"},
{"role": "user", "content": "次の会議内容を要約し、議題・決定事項・アクションアイテムに整理してください: [会議テキスト]"}
]
}
- [会議テキスト]の部分には、取得したTeamsチャット内容を動的コンテンツとして挿入します。
・議事録を保存・共有する
- ChatGPTが生成した要約文を「OneDriveに保存」や「SharePointにアップロード」するアクションを追加します。
- または「Teamsにメッセージを投稿」アクションを利用して、関係者に即座に共有できます。
・テストと調整
- 会議チャットをサンプルにテスト実行し、生成された議事録の品質を確認します。
- 出力内容が不十分な場合は、プロンプトを工夫することで改善が可能です。
✅ 実務での活用例
・定例会議の議事録
毎週の定例会議の内容をChatGPTに要約させ、翌日には自動的に議事録がTeamsに投稿される仕組みを構築できます。
・プロジェクト進捗会議
進捗報告の内容を要約し、遅延タスクや今後のアクションを整理することで、マネージャーの意思決定をサポートします。
・研修や勉強会の記録
学習内容をChatGPTに要約させれば、参加できなかった社員も効率的に内容をキャッチアップできます。
✅ 注意点と運用の工夫
・情報漏洩リスクへの配慮
ChatGPTに送信する内容は外部サービスに渡るため、社外秘情報や個人情報はそのまま送らないようにしましょう。匿名化や部分的な抜粋が有効です。
・コスト管理
OpenAI APIは従量課金制です。会議のたびに大量のテキストを送信するとコストが高くなるため、必要な部分だけを送る工夫が求められます。
参考:【Excel】【在庫管理】在庫数に応じて発注判断を自動化するIF関数の設定方法|ムダなく効率的な仕入れを実現
・人の確認を必ず挟む
AIが作成した議事録は便利ですが、誤りが含まれる可能性もあります。最終的な確認は必ず人が行いましょう。
✅ 応用編:音声議事録の自動化
Power AutomateはAzure Cognitive Servicesの音声認識と組み合わせることも可能です。会議の音声を自動的に文字起こしし、そのテキストをChatGPTに送って要約すれば、「音声から議事録」まで完全に自動化できます。
この方法を導入すれば、議事録担当者を事前に決める必要もなくなり、会議参加者全員が本来の議論に集中できます。
■ まとめ:Power AutomateとChatGPTで議事録作成を自動化しよう
- Power Automateで会議内容を取得し、ChatGPTで要約することで議事録を自動生成できる
- 定例会議やプロジェクト報告など、さまざまな場面で活用可能
- 情報漏洩リスクやコストに注意し、最終確認は人が行うことが重要
- 音声認識と組み合わせれば「音声→要約→議事録」の完全自動化も可能
議事録作成をAIに任せることで、社員はより生産的な業務に集中できます。まずは小規模な会議から試し、徐々に本格導入へと進めてみてはいかがでしょうか。