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【Excel】特定の文字をカウントする方法|COUNTIF・LEN関数で出現回数を正確に数える!

日々のExcel業務では、セルの中に含まれる「特定の文字」や「キーワード」の出現数を知りたい場面がよくあります。
例えば、「商品名にAが何回含まれているか」「メールアドレスに@が含まれる数」「顧客リストに“東京”という文字が登場する件数」など、
“特定の文字を数える”ことはデータ分析の基本操作のひとつです。

単純な数値の合計ならSUM関数で済みますが、文字の場合は一工夫が必要。
Excelには、COUNTIF関数やLEN関数、SUBSTITUTE関数などを組み合わせて柔軟に対応する方法があります。

この記事では、「Excel 特定の文字 カウント」というテーマで、
単一セルの中の文字数カウントから、複数セル全体の検索件数までを徹底解説します。
初心者の方でも実務ですぐ活用できるよう、応用例も交えて紹介します。

✅ 基本編:特定の文字を含むセルの「数」をカウントする

まずは一番シンプルなパターンから。
「特定の文字を含むセルがいくつあるか」を調べたいときに使うのが COUNTIF関数 です。

・特定の文字を含むセルのカウントする数式の構文

"=COUNTIF(範囲,"文字")"

・例

"=COUNTIF(A2:A10,"東京")"

この式の意味は次の通りです。

  • A2:A10:検索対象の範囲
  • "*東京*":「東京」を含むすべてのセルを数える
    (※アスタリスク「*」は「任意の文字列」を意味するワイルドカード)

つまり、「東京都港区」「東京支店」など、どこかに“東京”が含まれていればカウントされます。

この方法は、「特定の文字が含まれるセルの件数」を数えるときに最もよく使われます。


✅ 応用編:完全一致・前方一致・後方一致を区別してカウントする

COUNTIFは部分一致だけでなく、特定のパターンに一致するセルを柔軟に数えることも可能です。

・完全一致(完全に同じ文字だけを数える)

"=COUNTIF(A2:A10,"東京")"

A列が「東京」と完全に一致するセルだけをカウントします。
「東京都」や「東京支店」は含まれません。


・前方一致(特定の文字で始まるセルを数える)

"=COUNTIF(A2:A10,"東京*")"

「東京」で始まるセルを数えます。
「東京本社」「東京営業所」などが該当します。


・後方一致(特定の文字で終わるセルを数える)

"=COUNTIF(A2:A10,"*東京")"

「本社東京」「支店東京」など、語尾が「東京」で終わるセルがカウントされます。


これらの「*」の位置を変えるだけで、柔軟に一致条件を指定できます。
前方・後方・部分一致を自在に使い分けることで、さまざまなテキストパターンを正確に集計できます。

参考:【Excel】COUNTIF関数を使用して条件一致の分析方法


✅ COUNTIFS関数で複数条件を同時にカウントする

複数の条件を組み合わせて「東京かつ支店を含むセル」だけを数えたいときは、COUNTIFS関数を使います。

"=COUNTIFS(A2:A10,"東京",A2:A10,"支店")"

この式では、「東京」と「支店」の両方を含むセルだけをカウントします。
COUNTIFSは複数の条件を「AND(かつ)」で評価する関数で、データ分析の強力な武器になります。

参考:【Excel】COUNTIFS関数の複数条件指定方法とは?Excelで精密なデータ集計を行う実務テクニック


✅ 特定の文字がセル内に複数回出現する場合の「回数」を数える

次に、「セル内に文字が何回出てくるか」をカウントする方法を紹介します。
COUNTIFではセル単位でしかカウントできませんが、LEN関数とSUBSTITUTE関数を組み合わせることで、
セル内での「出現回数」まで正確に求められます。


・特定の文字がセル内に何回出現するかカウントする構文

"=LEN(A2)-LEN(SUBSTITUTE(A2,"A",""))"

・説明

  1. LEN(A2):セルA2全体の文字数を求める
  2. SUBSTITUTE(A2,"A",""):「A」を空文字に置換して再び文字数を求める
  3. 引き算することで、「A」が削除されたぶんの回数(=出現回数)を算出

・例

A2に「ABACA」が入っている場合:

  • LEN(A2) → 5文字
  • SUBSTITUTE(A2,"A","") → 「BC」→ 2文字
  • 差 = 5 - 2 = 3回

つまり、「A」は3回出現していることがわかります。
この方法は部分一致ではなく完全な文字単位の出現数を数えるので、分析精度が高いのが特徴です。

参考:【Excel】複数の文字列を関数で一括置換する方法|SUBSTITUTE関数・置換リストの解説




✅ 範囲全体で出現回数を集計する方法

複数セルの合計出現回数を求める場合は、上記の式をSUM関数で囲みます。

"=SUMPRODUCT(LEN(A2:A10)-LEN(SUBSTITUTE(A2:A10,"A","")))"

これで、A2~A10の中にある「A」の総出現回数を求めることができます。
SUMPRODUCT関数を使うことで、配列全体の演算結果を一括で合計できます。

この方法は、文書や顧客コメントなどテキストが長い場合にも効果的です。


✅ 特定の文字列(2文字以上)をカウントする方法

単一文字だけでなく、「AB」「東京」「支店」など複数文字の出現回数も同様に数えられます。

"=SUMPRODUCT((LEN(A2:A10)-LEN(SUBSTITUTE(A2:A10,"東京","")))/LEN("東京"))"

解説:

  • SUBSTITUTEで「東京」を空白に置換
  • その前後の文字数差を求める
  • 「東京」は2文字なので、差を「2」で割ることで出現回数を求める

これにより、「東京」が2回登場している場合は「2」としてカウントされます。


✅ ワイルドカードを使って曖昧な文字列を数える

Excelでは「*」や「?」といったワイルドカードを使って曖昧な条件でも検索できます。

・任意の文字列を含む

"=COUNTIF(A2:A20,"")"
→ 「本店」「支店」「東京店」など、どこかに「店」を含むセルをすべて数える。

・1文字だけ違う文字を含む

"=COUNTIF(A2:A20,"A?C")"
→ 「ABC」「ADC」など、2文字目が何でもよい3文字構成を数える。

このようにワイルドカードを活用すれば、表記揺れがあるデータでも柔軟にカウントできます。

参考:【Excel】置換でワイルドカードを使いこなす方法|「*」「?」で柔軟な文字列操作を実現


✅ UNIQUE関数と組み合わせて「文字別の出現数」を集計

Microsoft 365以降のExcelでは、UNIQUE関数とCOUNTIF関数の組み合わせで、
特定の文字がそれぞれ何件ずつあるかを自動で一覧化できます。

・構文

"=COUNTIF(A2:A100,UNIQUE(A2:A100))"

UNIQUEで重複を除いた一覧を作り、COUNTIFでそれぞれの出現数をカウント。
これにより、「商品A:5件」「商品B:3件」といった集計表を自動で作れます。


✅ 特定の文字が含まれる行を抽出してカウントする(FILTER関数)

単に件数を数えるだけでなく、該当データを抜き出したい場合にはFILTER関数が便利です。

"=FILTER(A2:A100,ISNUMBER(SEARCH("東京",A2:A100)))"

「東京」を含むセルだけを抽出し、別の表として一覧表示します。
さらに、件数を知りたい場合はCOUNTA関数を組み合わせます。

"=COUNTA(FILTER(A2:A100,ISNUMBER(SEARCH("東京",A2:A100))))"

これにより、動的に「東京」を含むデータ数をカウントできます。
データ分析やレポートの自動更新にも最適です。


✅ 実務応用例:レポート・アンケート分析・在庫チェックなど

この「特定文字のカウント」は、さまざまな実務シーンで活躍します。

・顧客アンケート分析

コメント欄に「良い」「満足」「不満」などの言葉がどのくらい出てくるかを分析し、顧客満足度を数値化できます。

・営業レポート

支店名や営業担当名が含まれる件数をカウントして、エリア別の成績を比較。

・在庫リストの整理

商品コードに「A」「B」「C」などを含む件数を数えて、カテゴリ別の在庫数を把握。

・エラーチェック

ファイル名や備考欄に「Error」「NG」「未入力」といった語を含むセルの数をカウントして、不備を自動検出。

業務の効率化・品質管理・レポート作成など、あらゆる分野で応用できる万能スキルです。


✅ 注意点:COUNTIFで意図しない結果になるケース

COUNTIFは便利ですが、いくつかの注意点もあります。

  • 大文字・小文字の区別がない
    → FIND関数を使うと区別できます。
  • 部分一致で意図しない一致が起こる
    例:「東京」「東京都」など、重なりがあるとダブルカウントの可能性。
  • 数式内の検索語に「?」や「*」を含む場合はチルダ(~)を付ける必要がある
    例:"=COUNTIF(A2:A10,"~*")"

正確な結果を得るためには、データの特性に応じた関数選択が重要です。


✅ RPAやPower Automateとの連携で自動集計

特定文字のカウント処理は、RPA(UiPath・Power Automateなど)との相性も抜群です。
Excelでカウント列を自動生成しておけば、RPA側では単純な条件分岐のみで済みます。

たとえば、

  • 「“至急”を含む件数が10件を超えたらメール通知」
  • 「“エラー”を含むセルが存在する場合にアラート」

このような仕組みをExcelとRPAの組み合わせで構築すれば、
人手をかけずにリアルタイムで異常検知や報告が可能になります。


✅ まとめ:特定の文字を正確にカウントしてデータ分析を自動化しよう

  • COUNTIF関数で「特定の文字を含むセル数」を簡単にカウントできる
  • LEN+SUBSTITUTEで「セル内の出現回数」を正確に求められる
  • COUNTIFSやSUMPRODUCTで複数条件や範囲全体に対応可能
  • FILTER関数で抽出とカウントを同時に行える(Excel 365対応)
  • RPA連携でカウント結果を自動的に通知・処理できる

Excelの文字カウント機能を使いこなすことで、
単なる「データ確認」から一歩進んだ「分析・自動判定」までをスムーズに実現できます。

数値データだけでなく文字列も数えるスキルは、
Excelを真に使いこなす上で欠かせない基本技術です。
ぜひこの記事で紹介した方法をマスターし、実務のスピードと精度を高めてください。

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