Excelで大量のデータを扱っているとき、「特定のキーワードを含むデータだけを取り出したい」と思うことはありませんか?
例えば、顧客リストの中から「東京」を含む住所だけを抽出したい、アンケートの自由回答から「改善」という言葉が入っている回答だけを集めたい、といった場面です。
単純に「Ctrl+F」で検索して1件ずつ探す方法もありますが、それでは効率が悪く、分析や資料作成には向きません。
そこで活用したいのが、Excelの キーワード検索+抽出の仕組み です。
この記事では、Excelで「キーワード検索して抽出する」ための関数や機能を、実務の流れに沿って紹介します。Excel初心者でも理解できるよう、背景や応用事例も盛り込みました。
目次
✅ Excelでキーワード検索が必要になるシーン
Excelでキーワード検索を活用できる場面は意外に多くあります。
- 顧客リストから「東京」を含む住所を一覧化したい
- 商品一覧から「りんご」を含む商品名だけを抽出したい
- アンケートの自由回答から「改善」を含む回答だけを集めたい
- メールログから「エラー」という文字を含む行を探したい
つまり、「文字列を部分一致で探す」 ニーズが中心です。
これを手作業で行うのは大変なので、Excelの関数やフィルター機能を使って効率化していきましょう。
✅ 関数でキーワード検索・抽出する方法
・SEARCH関数を使った部分一致判定
SEARCH
関数は、文字列の中に特定のキーワードが含まれているかどうかを調べることができます。
書式
=SEARCH(検索文字列, 対象文字列)
例:住所に「東京」が含まれているか調べる
=ISNUMBER(SEARCH("東京", B2))
結果がTRUEなら「東京」が含まれている、FALSEなら含まれていないと判定できます。
参考:【Excel】文字列の含有チェックと色分けを行う方法|SEARCH関数と条件付き書式で業務を見える化!
・FILTER関数でキーワードを含む行を抽出
Excel 365以降で利用できるFILTER
関数を組み合わせると、該当する行を丸ごと抽出できます。
例:住所列(B列)から「東京」を含む行を抽出
=FILTER(A2:C100, ISNUMBER(SEARCH("東京", B2:B100)), "該当なし")
これで、住所に「東京」を含む顧客データだけを抽出できます。
・IF関数で抽出用のフラグを立てる
古いバージョンのExcelを使っている場合、IF
関数を使って抽出フラグを付ける方法が便利です。
例:住所に「東京」が含まれる場合「抽出」と表示
=IF(ISNUMBER(SEARCH("東京", B2)), "抽出", "")
その後、オートフィルターで「抽出」だけを表示すれば、キーワード検索による抽出が可能です。
参考:IF関数で「文字が入っていたら」判定する方法|入力チェック・文字列処理の基本と応用
✅ フィルター機能でキーワード抽出する方法
Excelの標準機能「オートフィルター」や「テキストフィルター」を使うことで、マウス操作だけでもキーワード抽出ができます。
・オートフィルターで部分一致検索
- データ範囲を選択
- 「データ」タブ → 「フィルター」をクリック
- 対象列のドロップダウン → 「テキストフィルター」→「指定の値を含む」
- 「東京」などのキーワードを入力
これで簡単に「東京を含む」データだけを表示できます。
参考:【Excel】検索システムを作る方法まとめ|関数と機能で簡単に実装する手順
・詳細設定フィルターで複数条件を設定
「東京」かつ「新宿」を含む、といった複数条件の抽出には「詳細設定フィルター」が便利です。
- 条件範囲に「東京」や「新宿」と入力
- 「データ」→「詳細設定」から条件範囲を指定して抽出
フィルターを組み合わせれば、複雑な検索システムを作ることも可能です。
✅ 実務での応用シナリオ
ここでは、単なる関数説明ではなく「実際にどんな業務で役立つか?」を具体的に考えてみましょう。
・営業リストから特定の地域を抽出
顧客住所から「東京」を含むものを抽出し、営業エリアごとの訪問リストを作成。
参考:【Excel】【営業向け】売上金額に応じてランクを自動表示するIF関数の使い方|簡単に業績ランク付け!
・商品レビューからネガティブワードを抽出
自由回答アンケートから「不満」「改善」「遅い」などのワードを抽出し、改善点を洗い出す。
・問い合わせ履歴からエラー報告を抽出
問い合わせ内容から「エラー」「不具合」を含む行を抽出し、サポート部門で共有。
このように「キーワード検索+抽出」は、単なる便利機能ではなく 業務改善につながる分析の第一歩 になります。
✅ キーワード検索を効率的に行うコツ
- データを「表形式(見出し付き)」に整えておく
- 部分一致検索にはワイルドカード(*)を活用する
- 検索条件セルを別に用意して、柔軟にキーワードを切り替える
- フィルターや関数を組み合わせて「システム化」する
✅ トラブル事例と解決法
- 半角・全角の違いで検索できない
→SEARCH
関数は大文字小文字を区別しないが、FIND
関数は区別する。使い分けに注意。 - 不要な空白で抽出されない
→TRIM
関数で余分なスペースを除去してから検索する。 - 複数ワードを探したい
→OR
を組み合わせて「東京」または「大阪」を条件にする。
■ まとめ:Excelでキーワード検索抽出を仕組み化しよう
Excelでキーワード検索をしてデータを抽出するには、SEARCH+FILTER関数の組み合わせ や フィルター機能 を使うのが王道です。古いバージョンならIF
関数とオートフィルターを組み合わせても実現できます。
✅ まとめ:Excelキーワード検索抽出は「SEARCHで判定 → FILTERで一覧化 → フィルターで操作補助」という流れを仕組み化すれば、業務のスピードと正確性を大幅に高められる!