「Excelで数値を入力したら勝手に四捨五入された」
「0.123456 を入力しても 0.12 しか表示されない」
「計算結果が切り上げ・切り捨てされていて正しくない」
Excelを使っていると、意図せず四捨五入されてしまう現象に戸惑うことはありませんか?実は、Excelでは見た目だけが丸められるケースや、関数や桁数指定によって自動的に四捨五入されてしまうことがあります。
この記事では、「Excel 四捨五入しない」方法を探している方向けに、設定・関数・注意点・実務での対策法までを徹底的に解説します。
目次
- ✅ Excelで「四捨五入しない」とは?その意味を明確にしよう
- ✅ 表示上の四捨五入を防ぐ方法|セルの書式設定を見直す
- ・対処法:表示形式で桁数を増やす
- ✅ 関数や計算式で四捨五入しない方法
- ・四捨五入しない割り算
- ✅ 四捨五入されてしまう原因とその回避法
- 原因①:セルの表示形式が「通貨」「会計」「パーセンテージ」など
- 原因②:ROUND、ROUNDUP、ROUNDDOWNなどの関数を使用している
- 原因③:データのインポート時に自動的に桁数が変わる
- ✅ 四捨五入しないようにする関数のテクニック
- ・INT関数ではなく、割り算や掛け算をそのまま使う
- ・TRUNC関数を使えば任意の桁で切り捨てが可能(四捨五入ではない)
- ■ 実務での「四捨五入しない」活用シーン
- ケース①:測定値や調査結果の正確な記録
- ケース②:請求金額の根拠を明示したいとき
- ケース③:分析用の中間データを保持したいとき
- ■ 小数点以下の桁数を自由に調整するには?
- ・表示形式を数値+桁数6に設定する
- ■ まとめ|Excelで「四捨五入しない」を実現するためのポイント
- ・ポイントまとめ
✅ Excelで「四捨五入しない」とは?その意味を明確にしよう
まず大前提として、Excelにおける「四捨五入しない」には以下の2つの意味があります。
- 見た目(表示形式)で丸められないようにしたい
- 関数や数式の処理で丸めたくない
表示上は四捨五入されていても、セル内部の値はそのまま残っている場合もあるため、何が原因で「四捨五入されたように見える」のかを見極めることが大切です。
✅ 表示上の四捨五入を防ぐ方法|セルの書式設定を見直す
Excelでは、セルの表示形式によって小数点以下の桁数が自動的に丸められてしまうことがあります。
・対処法:表示形式で桁数を増やす
- 対象のセルを選択
- 右クリック →「セルの書式設定」
- 「表示形式」タブ →「数値」または「標準」
- 「小数点以下の桁数」を必要なだけ設定(例:6桁)
これにより、見た目上の丸め処理がなくなり、正確な小数点表示が可能になります。
✅ 関数や計算式で四捨五入しない方法
Excelには ROUND
や MROUND
など四捨五入を行う関数がありますが、意図的に「四捨五入しない」処理を行うには、それらを使わないことが基本です。
・四捨五入しない割り算
=A1/B1
このように、通常の割り算を行えば、Excelは内部的には最大15桁の精度で保持しており、勝手に四捨五入はしません。
ただし、表示桁数が少ないと丸められて見えるだけなので、表示形式を「数値」や「標準」にすることで、正確な値を確認できます。
【Excel】【初心者向け】掛け算・足し算と「かっこ」の正しい使い方|順序を間違えないための基本ルール
✅ 四捨五入されてしまう原因とその回避法
Excelで意図せず四捨五入されてしまう主な原因は次の通りです。
原因①:セルの表示形式が「通貨」「会計」「パーセンテージ」など
これらの表示形式は初期状態で小数点以下が省略・丸められることがあります。
→ 解決法:表示形式を「数値」に変更し、桁数を調整
原因②:ROUND、ROUNDUP、ROUNDDOWNなどの関数を使用している
これらの関数は意図的に数値を丸めるため、使用している場合は削除または変更が必要です。
原因③:データのインポート時に自動的に桁数が変わる
CSVや他システムから取り込んだ数値が、Excelの内部設定で勝手に変換されることがあります。
→ 対処法:インポート時に「テキスト形式」を指定する、またはPower Queryで精度を保つ
【Excel】四捨五入して整数にする方法|ROUND関数の使い方と実務活用例
✅ 四捨五入しないようにする関数のテクニック
Excelで「四捨五入されないように処理したい」ときに使える関数・手法もあります。
・INT関数ではなく、割り算や掛け算をそのまま使う
=A1/B1
→ 小数点以下も保持される(表示形式で調整すれば桁も表示可能)
【Excel】小数点以下を四捨五入する方法|関数・設定・実務での使い分けを徹底紹介
・TRUNC関数を使えば任意の桁で切り捨てが可能(四捨五入ではない)
=TRUNC(A1, 3)
→ 小数点以下第3位までを保持し、それ以降を切り捨て
※切り捨てなので、「四捨五入されるのが困る場合」には有効です
■ 実務での「四捨五入しない」活用シーン
ケース①:測定値や調査結果の正確な記録
研究データやセンサー情報などでは、丸めずにそのまま記録することが前提。表示形式と数式処理の両方で四捨五入を防ぐ必要があります。
ケース②:請求金額の根拠を明示したいとき
割引率や単価の計算で、1円未満の情報を保持したい場合は、丸め処理を避けることで信頼性の高い説明資料になります。
ケース③:分析用の中間データを保持したいとき
途中結果を正確に残したいときには、あえてTRUNCやINTで丸めず、元データを保つ方が有利です。
■ 小数点以下の桁数を自由に調整するには?
表示桁数を柔軟に設定することで、「四捨五入しないように見せる」こともできます。
・表示形式を数値+桁数6に設定する
- セルを選択 → 右クリック →「セルの書式設定」
- 表示形式:数値
- 小数点以下の桁数:「6」など任意の桁数に指定
これにより、「0.123456」がきちんと6桁まで表示され、四捨五入はされません。
■ まとめ|Excelで「四捨五入しない」を実現するためのポイント
Excelでは、実際の数値が四捨五入されるケースと、見た目だけが丸められているケースが混在しています。正しく理解しておけば、意図しない誤差やミスを防ぐことができます。
・ポイントまとめ
問題のパターン | 原因 | 対処法 |
---|---|---|
表示が丸められて見える | セルの表示形式の桁数設定 | 表示形式を「数値」+桁数を増やす |
関数で勝手に丸められている | ROUND系関数が使われている | 関数を削除、またはTRUNCなどに変更 |
データ取り込み時に丸め | 自動フォーマット変換 | 「テキスト形式」で取り込み、精度を維持 |
Excelで「四捨五入しない」設定をマスターすれば、正確なデータ処理・業務信頼性の向上・数字トラブルの回避に大きく貢献できます。