Excelの折れ線グラフは、データの変化やトレンドを視覚的に表現 するのに最適なツールです。特に、売上の推移、気温の変動、在庫の変化 など、時系列データの分析に役立ちます。
本記事では、Excelで折れ線グラフを作成する方法を、基本から活用方法を解説 します。
折れ線グラフとは?
折れ線グラフ(Line Chart) は、データの推移や変化を直感的に把握するためのグラフです。
✅ 主な用途
- 売上や利益の推移
- 気温や降水量の変化
- アクセス数やPV数の推移
- 在庫数や生産数の変化
Excelで折れ線グラフを作成する基本手順
✅ 手順 1:データを準備する
まず、折れ線グラフにするデータを入力します。
📌 例:売上推移データ
月 | 売上(万円) |
---|---|
1月 | 120 |
2月 | 150 |
3月 | 180 |
4月 | 130 |
5月 | 170 |
6月 | 200 |
✅ 手順 2:データ範囲を選択する
- データ範囲を選択(例:A1:B7)
- 「挿入」タブをクリック
- 「折れ線グラフ」アイコンを選択
- 「標準の折れ線グラフ」をクリック
結果: 折れ線グラフが自動的に作成される。
✅ 手順 3:グラフのデザインをカスタマイズする
折れ線グラフを見やすくするため、カスタマイズを行います。
📌 ① 軸のタイトルを追加する
- グラフをクリック
- 「グラフ要素」ボタン(+マーク) をクリック
- 「軸ラベル」→「横軸」「縦軸」 を追加
- 軸ラベルを「月」「売上(万円)」に変更
📌 ② データラベルを追加する
- 「グラフ要素」ボタン(+マーク) をクリック
- 「データラベル」にチェックを入れる
- 売上の数値が表示される
📌 ③ 折れ線の色やスタイルを変更
- グラフの線をクリック
- 「書式」タブ →「図形の枠線」
- 好きな色に変更(例:青)
複数のデータ系列を折れ線グラフにする
複数のデータを比較したい場合、2つ以上の折れ線を追加 できます。
📌 例:売上と利益の推移
月 | 売上(万円) | 利益(万円) |
---|---|---|
1月 | 120 | 30 |
2月 | 150 | 50 |
3月 | 180 | 70 |
4月 | 130 | 40 |
5月 | 170 | 60 |
6月 | 200 | 80 |
✅ 手順
- データ範囲を選択(例:A1:C7)
- 「挿入」タブ →「折れ線グラフ」
- 売上と利益の2本の折れ線が表示される
✅ 結果: 2本の折れ線グラフが作成され、売上と利益の関係が一目でわかる。
折れ線グラフをさらに見やすくするポイント
✅ データポイントを強調する
- 「マーカー」 を追加すると、各データポイントが見やすくなる
✅ 凡例(ラベル)を追加する
- 「グラフ要素」→「凡例」をチェック すると、データ系列の説明が表示される
✅ データの増減を強調する
- 折れ線を「太くする」「色を変更する」と、より視覚的にわかりやすくなる
✅ 対数スケールを使う(データの差が大きい場合)
- 「軸の書式設定」→「対数軸」を設定 すると、極端なデータの差を調整可能
折れ線グラフを応用する(動的グラフを作成する)
Excelの 「データバー」や「スライサー」 を活用すると、より直感的なグラフを作成できます。
✅ Excelのスライサーを使って動的にデータを変更
- 「テーブルとして書式設定」を適用
- 「挿入」→「スライサー」
- フィルターを選択し、グラフが自動更新される
✅ 結果: スライサーをクリックすると、対応するデータのみ表示される。
VBAを使って折れ線グラフを自動作成する
大量のデータを処理する場合、VBAを使って折れ線グラフを自動作成できます。
✅ VBAコード
Sub CreateLineChart()
Dim ws As Worksheet
Dim chartObj As ChartObject
Set ws = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1")
' グラフを挿入
Set chartObj = ws.ChartObjects.Add(Left:=100, Top:=50, Width:=400, Height:=300)
' グラフの設定
With chartObj.Chart
.SetSourceData Source:=ws.Range("A1:B7") ' データ範囲
.ChartType = xlLine ' 折れ線グラフを設定
.HasTitle = True
.ChartTitle.Text = "売上推移"
.Axes(xlCategory, xlPrimary).HasTitle = True
.Axes(xlCategory, xlPrimary).AxisTitle.Text = "月"
.Axes(xlValue, xlPrimary).HasTitle = True
.Axes(xlValue, xlPrimary).AxisTitle.Text = "売上(万円)"
End With
End Sub
✅ VBAの実行方法
- VBAエディタを開く(
Alt + F11
) - 「挿入」→「モジュール」を選択
- 上記のコードを貼り付け
Alt + F8
を押して「CreateLineChart」を実行
✅ 結果: 自動で折れ線グラフが作成される。
まとめ
Excelの 折れ線グラフ は、データの変化を視覚的に表現するのに最適なツールです。
📌 おすすめの使い分け
方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
基本の折れ線グラフ | 簡単に作成可能 | データの変更には手動操作が必要 |
複数系列の折れ線グラフ | 複数データを比較できる | 色分けしないと見づらい |
動的グラフ(スライサー) | インタラクティブな操作が可能 | テーブル形式にする必要がある |
VBAで自動作成 | 繰り返し作業を自動化できる | VBAの知識が必要 |