Excelを使ってデータを管理するとき、「売上を小さい順に並べたい」「社員番号を昇順に整理したい」「日付順でデータを並べたい」といった作業は非常によく発生します。通常なら「データ」タブの並べ替え機能で簡単にできるはずですが、実際には 昇順に並ばない・できない というトラブルに悩む人が少なくありません。
この記事では、「Excel 昇順 できない」方に向けて、昇順がうまく機能しない原因と解決方法を徹底解説します。さらに、数字・日付・文字列ごとの典型的な失敗例とその回避策、実務で役立つ応用テクニックまで紹介します。
目次
- ✅ Excelで昇順ができないときに考えられる主な原因
- ・原因1:数字が文字列として扱われている
- ・原因2:日付が文字列になっている
- ・原因3:全角・半角や表記のゆれがある
- ・原因4:余分な空白や特殊文字が含まれている
- ・原因5:範囲選択の不備
- ・原因6:並べ替えオプションが「ふりがな基準」になっている
- ✅ 数字が昇順にならないときの解決方法
- ・文字列を数値に変換する
- ・書式を「数値」に変更する
- ・桁数を揃える方法
- ✅ 日付が昇順にならないときの解決方法
- ・文字列の日付をシリアル値に変換
- ・書式設定で確認
- ・西暦・和暦の混在に注意
- ✅ 文字列が昇順にならないときの解決方法
- ・ふりがなを修正する
- ・ふりがなを使わない設定にする
- ・余分な空白や記号を削除
- ✅ Excel 365で使える関数による自動昇順
- ✅ 実務での応用シーン
- ・売上ランキング
- ・顧客名簿
- ・勤怠データ
- ・商品コード管理
- ✅ 昇順ができないときのチェックリスト
- ■ まとめ:Excelで昇順に並べ替えるには「データの型」を揃えることが重要
✅ Excelで昇順ができないときに考えられる主な原因
昇順にならない背景には、Excelが「数値」「文字列」「日付」といったデータの型を区別していることが関係しています。見た目は同じでも内部的には別扱いになっているケースが多いのです。
・原因1:数字が文字列として扱われている
「1」「2」「10」と入力しているのに、昇順にすると「1」「10」「2」になってしまうことがあります。
➡️ これはExcelが「文字列」として認識して、文字コード順で並べているためです。
・原因2:日付が文字列になっている
「2024/05/01」と入力しても、実際には文字列扱いになっていると「2024/11/01」より後ろに並んだりして正しい昇順になりません。
・原因3:全角・半角や表記のゆれがある
「1」「1」「01」のように見た目が似ていても、内部的には異なる値と認識され、期待通りの昇順にならないことがあります。
・原因4:余分な空白や特殊文字が含まれている
「123」と「123 」のように末尾に空白が入っているだけで文字列扱いになり、昇順が乱れる原因となります。
・原因5:範囲選択の不備
列全体を選ばずに一部だけ選択して並べ替えをすると、他の列との整合性が崩れ、思った通りの昇順になりません。
・原因6:並べ替えオプションが「ふりがな基準」になっている
日本語データを含む場合、Excelは「ふりがな」を基準に昇順を処理することがあります。漢字のまま昇順にしたいときには意図通りにならないケースがあります。
✅ 数字が昇順にならないときの解決方法
・文字列を数値に変換する
「文字列の1」「文字列の10」を正しい数値に直せば昇順が機能します。
📌 方法1:「区切り位置」で一括変換
- 数字が入っているセル範囲を選択
- 「データ」タブ →「区切り位置」→そのまま完了
➡️ 自動的に数値に変換される場合があります。
📌 方法2:計算式で変換
=A1*1
➡️ 1倍することで数値化し、コピーして値貼り付けで戻せます。
参考:ExcelVBAで書式設定をする(文字列、日付や数値など)
・書式を「数値」に変更する
セルの書式設定を「文字列」から「数値」に変更してから再入力すると、正しい昇順になります。
・桁数を揃える方法
「001」「002」のように先頭ゼロを維持したい場合は「数値」として扱いつつ「表示形式」を「000」で指定すると安全です。
参考:【Excel】頭に0をつける方法と関数で桁数を調整する方法
✅ 日付が昇順にならないときの解決方法
・文字列の日付をシリアル値に変換
Excelの日付は「シリアル値」として扱われます。
もし文字列になっている場合は以下の方法で変換します。
📌 例:=DATEVALUE(A1)
➡️ 「2024/05/01」という文字列を正しい日付に変換可能。
参考:【Excel】「何日後」の日付を関数で計算する方法【納期・リマインド・スケジュール管理に◎】
・書式設定で確認
セルの表示形式を「日付」にしても昇順が効かない場合は、内部的に文字列です。「標準」に変更して確認すると正しいシリアル値が表示されます。
・西暦・和暦の混在に注意
「令和6年5月1日」と「2024/05/01」が混ざっていると昇順が乱れます。必ず同じ形式に統一しましょう。
✅ 文字列が昇順にならないときの解決方法
・ふりがなを修正する
日本語のデータを並べ替える場合、Excelは「ふりがな」を基準にします。
「斎藤」「齋藤」などの異体字はふりがなが異なることがあり、昇順で期待通りにならないことがあります。
➡️ 「データ」タブ →「ふりがなの編集」で修正すると改善します。
参考:【Excel】ふりがな 編集|正しい読み方に修正する方法と効率化テクニック
・ふりがなを使わない設定にする
並べ替えオプションで「ふりがなを使わない」を選択すれば、漢字コードそのもので昇順になります。
・余分な空白や記号を削除
TRIM(A1)
や CLEAN(A1)
を使って不要な空白を除去してから昇順にかけると安定します。
参考:【Excel】TRIM関数とLEN関数の活用法とは?Excelで文字列処理をスマートにする便利テクニックを徹底解説
✅ Excel 365で使える関数による自動昇順
Excel 365以降では SORT
関数や SORTBY
関数を使って、関数ベースで昇順を自動化できます。
📌 基本形:
=SORT(A2:A100,1,1)
➡️ A2:A100を昇順に自動整列。
📌 複数列基準:
=SORTBY(A2:C100,A2:A100,1,B2:B100,1)
➡️ まずA列で昇順、さらに同じ値のときはB列で昇順。
➡️ データが追加されても自動的に結果が更新されるため、名簿や売上表の管理に便利です。
✅ 実務での応用シーン
・売上ランキング
売上高を降順に並べて上位商品を確認する際に必須。
・顧客名簿
顧客番号や名前を昇順に並べれば検索性が向上。
・勤怠データ
日付順で並べることで出勤状況を簡単に把握できる。
参考:【Excel】【勤怠管理】遅刻・欠勤・早退を自動で判定するIF関数の使い方|勤怠チェックを効率化!
・商品コード管理
桁数や文字列混在を整えて昇順にすれば在庫表の整理に役立ちます。
参考:【Excel】【在庫管理】在庫数に応じて発注判断を自動化するIF関数の設定方法|ムダなく効率的な仕入れを実現
✅ 昇順ができないときのチェックリスト
- 数値が文字列扱いになっていないか?
- 日付がシリアル値として認識されているか?
- 全角・半角や桁数が混ざっていないか?
- 余分な空白や特殊文字が含まれていないか?
- 並べ替えオプションが「ふりがな基準」になっていないか?
■ まとめ:Excelで昇順に並べ替えるには「データの型」を揃えることが重要
Excelで「昇順ができない」原因は、ほとんどが データ型の不一致や表記ゆれ にあります。
- 数値は「文字列」ではなく「数値」に変換
- 日付は「シリアル値」として認識させる
- 文字列は「ふりがな」や「空白」を整えてから並べ替え
- Excel 365では
SORT
関数を活用して自動化
✅ まとめ:昇順ができないときは「見た目」ではなく「Excelがどう認識しているか」を確認し、データの型を揃えることが最短の解決方法です!