Excelは多くの企業で使われている定番ツールですが、その操作は単調で時間がかかり、ヒューマンエラーが起こりやすいのも事実です。毎日繰り返すシート操作やデータ入力、フォーマット変更を自動化できれば、業務効率は飛躍的に向上します。
そこで登場するのがRPAツール「UiPath」です。UiPathはExcelとの親和性が高く、シート操作を自在に自動化できます。この記事では、UiPathとExcelを連携させ、シート操作を効率化するベストプラクティスを解説します。初心者でも理解できるように手順を丁寧に紹介し、実務で役立つ応用例や注意点も盛り込みました。
目次
- ✅ UiPathとExcelを連携させるメリット
- ・定型作業の大幅な効率化
- ・人為的ミスの削減
- ・業務フロー全体の自動化
- ✅ UiPathでExcelを扱う基本のアクティビティ
- ・Excelアプリケーションスコープ
- ・シート操作関連アクティビティ
- ・セル・範囲操作
- ✅ シート操作を自動化する具体的な手順
- ・手順1:Excelファイルを指定する
- ・手順2:シートの追加
- ・手順3:シートのコピー
- ・手順4:シートの削除
- ・手順5:シート名の変更
- ✅ 実務で役立つシート操作のベストプラクティス
- ・テンプレートシートをコピーして活用
- ・不要シートを自動削除して整理
- ・シート名を動的に管理
- ✅ UiPath×Excelシート操作の実務活用例
- ・日次レポートの自動作成
- ・部署ごとの集計シート生成
- ・Excel台帳の自動更新
- ✅ シート操作を自動化する際の注意点
- ・シート名の重複エラーに注意
- ・Excelのロックや開放忘れ
- ・処理速度の最適化
- ✅ 応用編:シート操作と他システム連携
- ・Outlookメールと連携
- ・クラウドストレージとの連携
- ・AIとの組み合わせ
- ■ まとめ:UiPathとExcelのシート操作を自動化して業務を効率化しよう
✅ UiPathとExcelを連携させるメリット
・定型作業の大幅な効率化
Excelのシート切り替え、データ貼り付け、行列の追加などは単純作業ですが、手作業だと数分〜数十分かかることも。UiPathに任せればワンクリックで処理が完了します。
・人為的ミスの削減
「コピー先を間違えた」「セルを上書きしてしまった」といった凡ミスを防ぎ、データの正確性を保つことができます。
参考:【ChatGPT】Power Automateのエラーメッセージ解析術
・業務フロー全体の自動化
Excel単体での処理だけでなく、Outlookやデータベース、ブラウザとも連携可能。たとえば「Webから取得したデータをExcelに転記して集計し、メールで送信する」といった一連の処理をUiPath一つで自動化できます。
参考:【ChatGPT】Power Automateで議事録を自動作成する方法
✅ UiPathでExcelを扱う基本のアクティビティ
・Excelアプリケーションスコープ
Excelファイルを開いて操作する際の基本となるコンテナ。ここに「範囲を読み込み」「セルに書き込み」などのアクティビティを配置します。
・シート操作関連アクティビティ
- シートを追加:新しいシートを作成
- シートをコピー:既存シートを複製
- シートを削除:不要シートを削除
- シート名を変更:わかりやすい名前に変更
・セル・範囲操作
- 範囲を読み込み / 書き込み
- セルを読み込み / 書き込み
- 範囲をクリア
これらを組み合わせれば、集計やレポート作成を完全自動化できます。
✅ シート操作を自動化する具体的な手順
・手順1:Excelファイルを指定する
- 「Excelアプリケーションスコープ」を配置
- プロパティの「WorkbookPath」に対象ファイルを入力
- これで指定したExcelを操作する準備が整います
・手順2:シートの追加
- アクティビティパネルから「シートを追加」を配置
- 新しいシート名を「日次レポート」などに設定
- 自動的にシートが生成されます
・手順3:シートのコピー
- 「シートをコピー」を使用
- コピー元とコピー先を指定(例:テンプレートシートを複製)
- フォーマット済みの雛形を毎回再利用可能
・手順4:シートの削除
- 「シートを削除」を配置
- プロパティで不要なシート名を指定
- 古いレポートを自動的に整理可能
・手順5:シート名の変更
- 「シート名を変更」を使用
- 動的に「レポート_202509」などの名前に切り替え
- 日付や条件に応じた自動リネームが可能
✅ 実務で役立つシート操作のベストプラクティス
・テンプレートシートをコピーして活用
請求書やレポートのフォーマットをテンプレート化し、必要に応じてコピーすれば、統一された書式でミスなく作業が進みます。
・不要シートを自動削除して整理
毎回新しいシートを追加するとExcelが煩雑になります。古いシートを自動削除する仕組みを入れることで、常に最新情報だけを保持できます。
参考:【VBA】セル・行・列・シート・ファイルの削除(Delete・Killステートメント)
・シート名を動的に管理
日付や顧客名を組み合わせて自動的にシート名を生成すると、検索性が向上し、管理がスムーズになります。
参考:【VBA】Public constを使用してシート名・セルの値を定数に設定する方法とは
✅ UiPath×Excelシート操作の実務活用例
・日次レポートの自動作成
売上データを読み込み、テンプレートシートをコピー → 集計結果を書き込み → 日付入りシート名に変更。この流れを完全自動化可能です。
参考:【ChatGPT】ExcelデータをChatGPTに送って要約するPower Automateフロー
・部署ごとの集計シート生成
全体データを読み込み、部署コードごとにフィルタリング。部署ごとに新シートを自動生成して、必要な担当者へメール送信まで自動化できます。
参考:【ChatGPT】Power Automate Desktopを組み合わせた業務効率化事例
・Excel台帳の自動更新
取引履歴や在庫台帳を更新する際に、古いシートを削除し、最新の情報だけを新規シートに反映。二重管理を防げます。
✅ シート操作を自動化する際の注意点
・シート名の重複エラーに注意
同じ名前のシートがあると処理が失敗することがあります。動的に名前を設定するときは「日時」や「連番」を組み合わせましょう。
参考:【Excel】シート名の活用完全ガイド|変更・参照・管理・命名ルールまで徹底解説
・Excelのロックや開放忘れ
ファイルが他のユーザーに開かれているとエラーになります。処理の最後に確実に閉じる設計を心がけましょう。
・処理速度の最適化
Excelアクティビティは便利ですが、データが大きいと処理に時間がかかります。「範囲を読み込み」を最小限にする工夫が必要です。
✅ 応用編:シート操作と他システム連携
・Outlookメールと連携
生成したシートをPDFに変換 → 自動で添付 → 関係者へ送信。この一連の処理をUiPathが担います。
参考:【ChatGPT】メール文を自動生成!Power Automate連携の実例
・クラウドストレージとの連携
Google DriveやSharePointに自動でアップロード。シート単位での共有も可能になります。
・AIとの組み合わせ
ChatGPT APIと組み合わせれば、生成したシートの内容を要約し、自然な文章でレポート化。Excelの数字がすぐに「経営指標」として活用できます。
■ まとめ:UiPathとExcelのシート操作を自動化して業務を効率化しよう
- UiPathはExcelとの連携に強く、シート追加・削除・コピー・名前変更を自在に自動化できる
- 実務ではレポート作成、部署別集計、台帳更新などで効果を発揮
- 注意点としてシート名の重複や処理速度に気を配る必要がある
- Outlookやクラウドとの連携でさらに自動化範囲を拡張可能
- AIと組み合わせれば、数値を文章化し、経営判断に直結するレポートを生成できる
Excelのシート操作を自動化するだけでも、業務効率は格段に上がります。まずは簡単な処理から始め、徐々に複雑なワークフローへ発展させてみましょう。