Excelでデータを分析するときに平均値を使う人は多いですが、実務で重要になるのは 中央値(Median) です。中央値は外れ値の影響を受けにくく、データの「真ん中」を示すため、アンケート・売上データ・品質管理など幅広い場面で役立ちます。
しかし、ただ関数で中央値を計算するだけでは「データ全体に対する位置づけ」が分かりづらいことがあります。そこでおすすめなのが グラフに中央値を表示して可視化する方法 です。
この記事では「Excel 中央値 グラフ」というテーマで、中央値の意味から、Excelでの計算方法、そして棒グラフや箱ひげ図などへの応用例まで詳しく解説します。
目次
✅ 中央値とは?(簡単なおさらい)
- 中央値(Median):データを小さい順に並べたとき、真ん中に位置する値
- 平均値との違い:外れ値(極端に大きい/小さい値)に影響されない
📌 例:データが「10, 20, 30, 40, 500」
- 平均値 = 120
- 中央値 = 30
➡️ 外れ値500の影響を受けても、中央値は実態に近い「30」を示す。
この「代表値」としての特性を、グラフに載せることでさらに理解が深まります。
✅ Excelで中央値を求める方法
中央値は MEDIAN
関数で求められます。
構文
=MEDIAN(数値1, [数値2], …)
・例:A1~A10のデータの中央値を求める
=MEDIAN(A1:A10)
➡️ この結果をグラフと組み合わせるのが、今回の本題です。
✅ 中央値をグラフで表示するメリット
- データの「中心」を直感的に把握できる
- 平均値や分布との違いが一目でわかる
- 報告資料やプレゼンで説得力が増す
- 外れ値や偏りを視覚的に確認できる
特に アンケート集計・売上データの分析・品質管理 では「中央値をグラフで示すこと」が意思決定の根拠として非常に有効です。
参考:【VBA】「フィルター 空白以外」を設定する方法|空白を除外してデータ抽出する自動化手法
参考:【Excel】IF関数で空白を判定・活用する方法とは?入力チェックや自動表示の実務例を交えて徹底解説!
✅ 方法1:棒グラフに中央値の線を追加する
- データを範囲選択 → 「挿入」→「棒グラフ」
- 追加系列に「中央値の値」を入力
- グラフに「横線」として表示参考:【Excel】グラフを作成するコツ
・例:売上データの中央値を棒グラフに追加
- 別セルに
=MEDIAN(B2:B100)
を計算 - その値を「新しい系列」としてグラフに追加
- 系列の種類を「折れ線」に変更し、横線として描画
➡️ 各データが中央値より高いか低いかが一目で判断できます。
✅ 方法2:箱ひげ図で中央値を表示(Excel 2016以降)
Excel 2016以降では「箱ひげ図」が標準搭載されており、中央値を自動的に可視化できます。
・手順
- データを選択
- 「挿入」タブ →「統計グラフ」→「箱ひげ図」
箱の中央に引かれている線が「中央値」です。
上下のヒゲはデータの範囲や外れ値を示すため、データ分布全体を把握するのに最適 です。
✅ 方法3:散布図に中央値をラインとして追加
- データを散布図で表示
- 中央値を計算(例:=MEDIAN(A2:A100))
- その値を「水平線」として追加
➡️ データ分布の中で「中央値がどこにあるか」が一目でわかります。
✅ 方法4:条件付き書式と組み合わせて視覚的に強調
中央値をセルに計算しておき、条件付き書式で「中央値以上」「中央値未満」で色分けすれば、グラフを作らなくても データの中心を視覚的に強調 できます。
📌 例:点数が中央値以上なら緑、未満なら赤にする
参考:【Excel】条件付き書式の基本とは?仕組みと設定方法をわかりやすく解説【初心者向け実務活用例つき】
✅ 実務での活用シナリオ
・アンケート分析
満足度スコアをグラフ化し、中央値を追加 → 「一般的な回答層」が把握可能。
・営業データ分析
売上や契約件数をグラフ化し、中央値のラインを入れる → 「標準的な水準」を明確化。
参考:【Excel】【営業向け】売上金額に応じてランクを自動表示するIF関数の使い方|簡単に業績ランク付け!
・品質管理
検査値を箱ひげ図で可視化 → 中央値を基準に「安定しているか」を判断。
参考:【Excel】【在庫管理】在庫数に応じて発注判断を自動化するIF関数の設定方法|ムダなく効率的な仕入れを実現
・教育・試験結果
点数分布に中央値を加える → 「典型的な受験者の成績」を直感的に伝えられる。
✅ 中央値と他の指標を組み合わせて表示する
中央値単独ではなく、平均値・最頻値・標準偏差 などを一緒に表示するとさらに説得力が増します。
📌 例:テストの点数分析
- 平均値 = 65点
- 中央値 = 68点
- 最頻値 = 70点
- 標準偏差 = 12
➡️ グラフにこれらの線を追加すれば「点数分布の全体像」が明確になり、読み手の理解が深まります。
■ まとめ:Excelの中央値をグラフで「見える化」しよう
- 中央値は外れ値に左右されない「データの真ん中」を示す指標
- Excelでは MEDIAN関数 で求められる
- グラフで表示するなら、
- 棒グラフ+中央値ライン
- 箱ひげ図(Excel 2016以降)
- 散布図+中央値ライン
- 条件付き書式で色分け
- 実務ではアンケート分析・売上データ・品質管理・教育など幅広く活用可能
✅ まとめ:Excelで中央値をグラフに加えると「データの中心」が一目でわかり、説得力ある資料作成やデータ分析につながります!